森知子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
離婚と失職のダブルパンチに直面した女性が、思い立って900キロに渡る徒歩巡礼の旅に出る。ピレネー山脈を越え、乾いたスペインの大地を直射日光を浴びながら歩き、安宿ではダニやシラミ、他巡礼者のイビキに悩まされる。とてもハードな旅である。
巡礼の過程で、いろいろな国の巡礼者に出会うのだが、どの方もそれぞれの事情があって歩いている。そして、クセというか特徴がありすぎて面白すぎる。ハープを担いで演奏しながら巡礼する人、写真を撮っている人、愛馬と巡礼する人、巡礼者同士で恋に落ちる人・・・
主人公がいろいろな人とコミュニケーションを取りながら、常識ある態度だとか、奥ゆかしさとか、恥じらいを捨てて、自分をさら -
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おもしろうてやがて悲しき
「おもしろうてやがて悲しき」という松尾芭蕉の句があったが、それを思い起こさせるような話である。著者がややから元気なほどに饒舌なのは、沈んだ心を引き立てようという意図があるのだろうが、読んでいてちょっと可愛そうになる。巡礼を始めて出会う人々との交流がこの作品のメインテーマなのだろうな。
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Posted by ブクログ
いやー、こんな軽い読みものを読むのにえらく苦労してしまいました。
イギリス人夫に離婚を言い渡された作者が傷心、結婚破綻、仕事なしの状態で挑んだ900キロの旅は、信者にとってはそれなりに崇高なものであるはずの巡礼のイメージをひっくり返してくれた笑。作者も作者まわりの登場人物も割といい加減笑。
多分普通に作者のノリは私にはあまり合わないけれど、カミーノデサンティアゴの巡礼の真面目の話ならそれはそれで読み切らないと思うので、それに比べたらこれは面白い読みものでした。
ちょっと日本では考えられないような異文化交流と当たり前の個人主義と自由に目が白黒してしまいますか