3.5
フランス人の食に対する考え方が興味深い。食を健康のためと考えず、人生の楽しみのため食を大切にするという考え方である。
p106
赤ワインより大事なこと
食行動のポイント
・フランス人は、アメリカ人に比べると食べる量が少ない
・BMIが30を超える肥満の成人の割合は、アメリカ人:30.6%、
...続きを読むフランス人:9.4%、日本人:3.6%
・フランス人は、食の楽しみを高く評価し、脂肪を取ることを気にせず、しかも自分の食生活はかなり健康的だと考えているのに対して、アメリカ人には、食の楽しみを低く評価し、脂肪を取らないように努力し、その上、自分の食事を健康的でないと評価している。
・フランス人型食行動とアメリカ人型食行動のどちらがより健康的か、結論は明らかだ。
・アメリカ人は、食べものを健康という観点から考えている。日本人は、アメリカ人ほど食を健康のためとは考えていない。フランス人は、日本人よりさらに食べものを健康のためとは考えていない。
・フランス人にとって食べ物は何のためのものか。人生の楽しみのためものだ。
・食を通じて健康になりたいと思うのなら、選択すべきは、人生の楽しみのため食を大切にするという考えをもつことだ。
p151
コントロール不能から生まれる無力感
・コントロールできない電気ショックを経験したイヌは、その後、コントロールできる環境におかれても、コントロールできるとは理解せずにコントロールを放棄する。
・人間にとって、若いうちに自分自身が人生の出来事に影響を与えることができるという経験をし、コントロールできるという信念を獲得することは、その後の人生において健康を守ることにつながる。自分は人生の主人公であり、人生を切り開かれるという信念をもつ人は、より健康でいられる。
p186
その人のニーズに合わせた方法
・行動の変化に至る五段階
・無関心期(前熟考期)、関心期、準備期、実行期、維持期
・それぞれの時期の本人のニーズに合わせて健康づくりに取り組むことが必要である。時期によって知りたい情報や知っておくべき情報も異なるし、援助すべき内容も異なる。
p194
こころのウェルビーイング
・情緒的健康:自分の感情に気づいて感情の働きを理解すること。感情は健康の重要な側面
・知的健康:状況に対応して適切に考え、現実的な問題解決を図る
・社会的健康:所属するさまざまな集団や社会と建設的でよい関係を築く
・人間的健康:自分自身の人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択する