ズッコケシリーズの再読? もしかしたらタイトルだけ見て読んだ気になってたかも。あまり記憶にはなかった。
三人組の地元商店街のお祭りで手作り御輿を作成するストーリーと、ハチベエが昔に伝わっていた稚児舞という踊りを練習するストーリーが平行して進んでゆく話。その踊りを踊ると「神憑き」となり気が狂うとの噂
...続きを読むがあるがハチベエの身には…。という内容。
作者の引き出しの多さが改めてわかる作品。いろいろな経験したんだろうなあ。
今回は大冒険、SFのような日常離れのした舞台ではないので、ややコンパクトな展開となっている。またクライマックスも他に比べると弱いかな? 予想通り、期待を裏切らず、みたいな。
ただ、ハチベエが悟る「俺は神様なんだ」という描写は短いながらすごい。「自然との一体感、融合感」を無駄のない文章で表現している。小学生は感覚が分からなさそう(大人でも分からないけど)。LSDとかマリファナ吸えば分かるのかな? このシーンだけでも読む価値は十分。またこれが「ゾーン」「ランナーズハイ」にも通じる感覚なのか? ちょっとサイケデリック方面にも向いた場面だった。
後はおみこしをクラスのメンバーで作るシーンも、キャラが自然に動いていてよかった。まさに「関心、意欲、態度」満点な感じ。自主的にこんなに動ける子供たちなら、大人になってもすごい結果を出しそうでワクワクした。
ストーリーはお約束な展開だったけど、それを彩る文章表現は流石。子供向けだけど、大人になって再読しても新たな発見がある。むしろ大人の視点から再発見させよう、というようなプロットも感じられる作品。