岡田明子のレビュー一覧
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ネタバレ[ 内容 ]
いまから五千年前にティグリス、ユーフラテス河畔に栄えた人類最古の都市文明シュメル。
粘土板には多くの神話が残され、ギルガメシュ叙事詩や大洪水伝説など、後世に伝えられたものも多い。
これらの神話の世界では、酔っ払う大神、死後の国を覗こうとする女神、蛮族を征服する王、怪獣など、様々なキャラクターがいきいきと活躍している。
代表的な神話のストーリーを紹介し、神神の役割や性格、舞台背景などを詳説する。
[ 目次 ]
序章 粘土板に書かれた物語―シュメル神話の基礎知識
第1章 「創世神話」―人間はなぜ創造されたか
第2章 神々が送る大洪水の物語―伝説はシュメルにはじまる
第3章 「楽園神 -
Posted by ブクログ
今もなお有名なものとして「ギルガメッシュ叙事詩」や「大洪水伝説」があるが,シュメル神話は他にもたくさんあり,この時代から既にここまでの物語の豊穣を成していたとなると驚きである。
本書はシュメル神話の研究と解説の本であり,ギルガメッシュ叙事詩のみならず幅広くシュメルを知りたい人にちょうどいい。
主な神話:
「エンキ神とニンマフ女神」ー創造神話
「大洪水伝説」
「エンキ神とニンフルサグ女神」ー楽園神話
「イナンナ女神とエンキ神」ーメの争奪
「エンリル神とニンリル女神」ー豊穣儀礼
「イナンナ女神の冥界下り」
「エンメルカルとアラッタの君主」
「ルガルバンダ叙事詩」
「ギルガメッシュ叙事詩」ー古代オ -
Posted by ブクログ
旧約聖書の源流にもなっているシュメル神話についての本。
例えば「ノアの方舟」では大洪水が起こるが、エルサレム周辺で大洪水があったとは考えにくい。
これは、チグリス川・ユーフラテス川周辺のメソポタミア文明の地域で頻繁に起こった洪水がシュメル神話に含まれ、それが西のエルサレム方面に伝わり旧約聖書に影響を与えたという。
「ある人間が神からメッセージを受け取って船を作り、それにより洪水から生き残った」という部分まで一致しているらしい。
シュメル神話はこの大洪水の物語を境に、それ以前が伝説的、以降が史実的なものと捉えられるそうだ。
また、人類初の文字である楔型文字は粘土板に書かれ、土は非常に重要なも -
Posted by ブクログ
シュメル神話についての予備知識はまったくないが
おとぎ話の詰め合わせとしてまずは読ませてもらえる。
ギルガメシュと言えばビッグブリッジの死闘か
怪しげな深夜番組かと思っていましたが、ここで出てくる
英雄の名前だったのですね。
半神半人の英雄は神話の世界ではありふれていて
王権の正統性の源泉をこうしたところに
持たせることができるので、ギルガメシュもそうした英雄の一人のようです。
ギルガメシュの冒険の話も面白いのですが、
個人的にはイナンナが戦いと愛と豊作の女神とされつつも、都市に着く神である
というのが一番のふむふむポイントですね。
というのも神は理念や現象に結びつくことが多いのですが、