加藤直人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
加藤直人(1988年~)氏は、大阪府に生まれ、京大理学部で宇宙論と量子コンピューティングを研究し、京大大学院理学研究科に進んだが、アカデミアの世界を追求することに疑問を感じて中退し、3年ほど自宅に引きこもってスマホアプリの開発で生計を立てていたが、ベンチャーキャピタリストの目に留まり、2015年にクラスター社を起業した。
同社の技術は大手企業からも注目され、現在、KDDIと組んで、渋谷区公認でバーチャルに渋谷を作る「バーチャル渋谷」のプロジェクトを運営し、コロナ禍の影響もあって「バーチャル渋谷」で行われた2020年、2021年のハロウィンでは、それぞれ40万人、55万人が参加したという。
私は50代の会社員で、スマホ(とPC)は使いつつもSNSはやっていないレベルであるが、昨年末にフェイスブックがメタへ社名を変更するという報道が出たあたりから、「メタバース」が一過性の流行ではなさそうだと感じ、入門書を物色し、本書を手に取った。多数ある類書の中から本書を選んだのは、経産省から推薦図書に選ばれていることと、内容に偏りがない(ビジネスに携わっている人が書くと、自分のビジネス・会社にポジティブな内容になりがちだが)との評価が多かったことによる。
内容は、第1章:メタバースとは何か 第2章:メタバース市場とそのプレーヤーたち 第3章:人類史にとってのメタバース 第4章:VRという技術革命 第5章:加速する新しい経済 第6章:メタバースの未来と日本 となっており、大方の評価通り、バランスの取れたものとなっているように思う。(もちろん、クラスター社のやっていることは出て来るが、特段恣意性は感じない)
一通り読んでみて、私はそもそも、本書で紹介されているような、メタバースを先取りしたような小説や映画を見たことはないし、メタバースのルーツの一つというオンラインゲームもやったことはないが、それでも、メタバースに関する、技術、市場、参加している企業、現在できること、今後できるようなること(著者の希望も含まれる)等について、凡そのことは理解できたし、とても参考になった。
しかし、一つだけわからなかったこと(実は、それが最も重要なことなのだが)があり、それは、「メタバースにおける様々な「体験」は、リアルが「主」でバーチャルが「従」の第1フェーズから、バーチャルが「主」でリアルが「従」の第2フェーズに移行するであろう。」、「産業革命以降の人やモノが移動するモビリティの時代から、人類が物質(アトム)から解き放たれるバーチャリティの時代に移行することが予想される。モビリティの時代の主役はアトムだったが、バーチャリティの時代の主役はデータである。」という将来予想である。モビリティの時代が終われば、エネルギーの消費量も減り、現在の世界の最大の課題の一つである気候・環境問題を解決できる、という点には賛同したいが、そもそもバーチャルがリアルを凌駕する世界というのは、私にはとても想像できないし、仮にそうした時代が訪れたときには、「そもそも人間とは何か?」ということが問い直されていることだろう。(遺伝子工学により、人工的にヒトが生み出されるようになれば、人間の概念も変わってしまうのだろうが。。。)
「メタバース」の基本を知るには十分であり、また、人類の将来(個人的にはネガティブな)を想像させる一冊である。
(2022年6月了) -
Posted by ブクログ
Audible にて。
アトムの時代、のアトムは科学の子のことではなかった。なーんだ。
この本で言うアトムとは、人や物など「物質」を指すこと。
光や情報など、電子で構成されていない概念の対義語として用いているのだそう。
アトムからビット(データ)の時代に変わるよというのがタイトルの意味。なーんだ。
スマートコンタクトレンズについて、もう特許が多数取られているということに驚いた。
人体からエネルギーを供給できるらしい。
今のヘッドセットは重いし酔うと聞くので、やはりコンタクトくらいにならないと実際に使いこなすのは難しいだろうなと思う。
メタバース関連の本を読むといつも感じることだが、未だにゲームやイベントとしての使い方しか触れられていない。あくまで娯楽としてのメタバースなのであれば、一部の人だけで終わってしまうだろうなと思う。
もっと革命的な、これこそメタバースでやるべき!という使い方が現れないだろうか。 -
Posted by ブクログ
メタバース さよならアトムの時代
メタバースとは何か?
今は何ができて、将来は人々の生活はどうなっていくのか?
それらを知りたくて本書を手に取りました。
著者はメタバースのプラットフォームを作っている「cluster」社のCEOの加藤直人さん。メタバースの、歴史や業界プレイヤの紹介、メタバースの定義、今後の方向性が書かれています。
メタバースとは、仮想現実の世界で人々が触れ合う交流ゲームのようなイメージを抱いていたが、その認識は狭い概念でした。ゲーム、SNS、ARやVRなどの産業界での活用、価値の交換等々、意外と知らない間にメタバースの世界が広がってきているんだと思いました。一時的に盛り上がりとクールダウンを何回か繰り返して、浸透していくんでしょうね。
本書を読んで、印象に残ってた部分として、メタバースの世界は、
・物質にとらわれない事で、様々な制約から解き放たれる事
・万人規模の共働作業ができる事
可能性を感じさせる一冊でした。
現実空間、メタバース空間、どちらが主でどちらが従になっていくのでしょうか? -
Posted by ブクログ
メタバース上でのイベント運営などを行うcluster社の創業者の著作。
メタバースの歴史や概念について初心者でも分かりやすくまとめられている。
メタバースのような技術革新はなかなか新規ユーザーの獲得に苦労するものの、ガラケーからスマホへの移行が機種変更というあまりユーザーの心理的障壁がない形で行われたように、どこかのタイミングで普及するのだと思う。
やはりこうした概念は、その先にどこまでの世界があるのかを描くのが大切で、VRをつけたまま起きて寝るような映画のような世界が当たり前になることも示唆されている。
日本はドラえもんやその他のアニメによりこうした異世界ものに馴染み深く、メタバースにとって重要なIPも多いため、どうにか世界に先駆けた企業が出てほしい。 -
Posted by ブクログ
計算機としての歴史やVRデバイスの盛衰など、関連するトピックを取り上げながらメタバースとは何か、メタバースがもたらす未来とは、について述べた本。
メタバース市場のレイヤー区分やメタバースがもたらす将来像などを特に面白かった。これまでSFなどのフィクションだと感じていた世界が実現されようとしていることに大きな期待感を抱いた。従来のSNSとは異なり「身体性」を有したリアルタイム体験であるメタバースでは、情報発信からコミュニケーションまであらゆる常識が覆る。アニメや漫画のカルチャーが根付き、ゲーム産業に強みを持つ日本がメタバース市場をリードすることに期待したい。 -
Posted by ブクログ
メタバース=人類の描いた夢の生活スタイル
①永続的に存在
②リアルタイム性
③同時参加人数制約なし
④経済性
⑤垣根のない体験
⑥相互運用性身
⑦幅広い企業、個人による貢献
⑧身体制
⑨自己組織化 コンテンツが創造されていく
ゲーム、イベント 空間の中での他者の存在
メタバースの7つのレイヤー
①体験:バーチャルが主でリアルが従へ
②発見
③クリエイターエコノミー:自分が思い描く世界
④空間コンピューティング
⑤非中央集権化
⑥インターフェイス:脳とコンピュータをつなげる
⑦インフラ
メタバース 日本の強み
ソーシャルゲーム産業
ゲーム・アニメ。マンガ キャラクター
モノに魂