服部正也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なろう系小説と聞いたので読んでみたら、ちゃんとなろう系だった(笑)。小説のような展開で、知識と経験を持った作者が、アフリカで冷静で公平な思考で経済を立て直してルワンダという小国が経済発展していくお話。作者も外国人という立場でありながら、「外国人」や「ルワンダ人」の固定観念にとらわれず、冷静に状況を分析してルワンダ人との対話から、ルワンダの人を理解しようと努め、何がルワンダ人のためになるのかを考えて本質を見失わずに役目を果たしていた。1960年代の日本人に、こんなにも素晴らしい人がいたのかと誇りに思ったし、日本人として、この精神は受け継がなければと思った。2026年の今読んでも、作者の考え方や言葉、人の動かし方、仕事の仕方はとても勉強になり、自分の仕事にもぜひ活かしていきたいと思った。予想以上におもしろくてためになる本で、仕事のバイブルにしようと思う。
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃよかった〜。リアルなろうとか言われてるのを見かけたので、どんなもんやね?と軽い気持ちで手に取ったけど、知性と自負を感じる文章にクラクラした!(そういう点では全然"なろう"らしくはない)
文体は読みやすく、時にユーモアがあり、正しく自信がある人にしかできない「他者に悪い評価下すこと」を惧れずやってのけ、一方で驕りを排除しようと己を律する態度に好感。
寡聞にして知らなかったのだが、当時の日本では「さん」より「君」をよりオフィシャルな敬称として使用するものらしく、本文でもほぼ全ての男の敬称が「君」でなんか良かった。
人間愛や自分がなんとかせねばという使命感・自負のために奮闘する男が、君付けで呼び合う相手と言葉で刺しあうの、インテリ臭が凄い。
色んな困難・苦難に淡々と耐え、先を見据えて手を打ち、常に目的を忘れず……そうして仕込んだ狙い通りに国が動いてゆくのは非常に爽快だが、その爽快パートすらもあっさりとした語り口で進んでいく。実りの部分をこうもサクサクと終わらせてゆくのも仕事人感。
大正生まれの方とのことで、読む前は時代による価値観の遅れなどが滲むこともあろうと想像していたが、本質的に誠実でかつ知能が高ければそうしたことは殆ど問題にならないと知れたのも収穫だった。
仕事に飽き、人生に倦んだ際に触れると、元気や勇気をもらえるかもしれない。
近頃は「仕事にやりがいなんていらない、金をくれ」的な言論が流行っていると感じるが、やはり人生の充実・手応えという意味ではやりがいも大切なんだろうと本作から間接的に感じた。素敵な人生だ。 -
Posted by ブクログ
ぃやー!
事実は小説よりも奇なり とは、よく言ったものですね!
って感じ!!
ぃやー、ノンフィクションなのに。血肉湧き踊りました。
1国を一人で(もちろん、協力者はいろいろいるので、ほんとうに一人、と言うのは語弊があるけれども)がっつり再建する、そんなドラマにあふれた1冊。
すげーっす。
この時代、手紙ですべてやり取りする時代ですよ?
そこでいきなり、ルワンダに単身渡り、一国の再建のために自身の人生をささげた彼の意気がすごい。
この時代の、ルワンダの何もなさも、すごい。
専門家の真髄を見た、って感じ。
彼ほど、良く知っていれば、本当に役にも立つよね。尊敬もされるよね。
当時の人は、政府のオーナーシップとか特段気にすることなく、もはやこの服部氏自体が中央銀行総裁だったことは、さすがに時代背景なんだろうけど、でも、すごいなぁ。。
すごい、小説読んでる気分になりました。
城戸さんとか思い出しつつ。笑 男子の本懐?笑
ちなみに、精神論は、今も全く変わっていないと思うし、今も昔も当てはまること、いっぱいあったと思う。 -
Posted by ブクログ
先日初めて喜多川泰さんの講演会に行きました。
講演の中で必読の一冊と紹介があったので読みました。
日本は今、太平洋戦争以来の国家危機を迎えているのだと思います。
2度も国の存続が不可能と思われたところから立ち直り、発展を遂げてきた私たちの国の未来はどうなるのでしょうか。
喜多川さんはとても良い国の良い時代に生まれてきたと思うこと、伝えることの大切さを語っていました。
私には何ができるのだろう。
Although the barrier to preventing from country’s development is people, the main reason for development is people too. -
Posted by ブクログ
1965年、日本銀行員の服部(著者)は、46歳でルワンダの中央銀行総裁に突然任命される。ルワンダは遅れているアフリカ諸国のなかでも特に遅れていて、3年前にベルギーからの独立が正式に認められたばかりだ。主要産品はコーヒー(先日この本を片手に飲んでみたがとても美味しかった)だが、海から離れているため輸出入に1,800kmの陸上輸送が必要であり、この点も発展の足かせになっていた。
ルワンダの首都キガリに飛行機で降り立つとそこに空港ビルはなく、代わりに電話ボックスのような小屋が2つあった。それが検疫と入国管理の事務所だった。キガリの街は驚くほど静かでどこの家も小さく、ホテルは1軒しかない。中央銀行もめちゃくちゃで、財政赤字が続いて外貨も底をつき、これからコーヒーの収穫期で現金が要るというのに、中央銀行の金庫に自国通貨はほとんどなかった。前総裁は銀行家ではなく、スタッフが進言しても不要と判断されてそのままになっていたらしい。
前年の理事会の議事録読むと、金融政策の議論はされておらず、理事会と総裁はどちらが上かというくだらない議論ばかりされて、蔵相からいい加減に仕事しろと怒られる有様。副総裁は銀行のことを知らないし、職場を見てもおしゃべりしている人に居眠りしている人、どこかへ行ってしまった人と散々な状態で、帳簿もミスだらけ。いったい、どこから手をつけたものか。
通貨制度の問題として、二重為替相場制度があった。政府の取引、輸出、必需物資、外国人俸給送金など承認された取引には1ドル=50ルワンダフランの政府相場、その他の取引には1ドル=約100ルワンダフランの自由相場が適用される。これを使って外国人労働者や輸入業者が儲けることができた。給料のうち100ルワンダフランを政府相場で送金すれば2ドルになるが、それを自由相場で戻せば200ルワンダフランになる。輸入業者も本来1ドルの商品価格を2ドルと偽って輸入すれば、100ルワンダフランで政府相場で支払って、余った1ドルを自由相場で戻せばタダで輸入できる。そんなの、めちゃくちゃだよ。
大統領に通貨制度の改革を進言するのだが、通貨制度の改革は、財政改革とセットでなければ結局うまくいかない。それならば、ということで、服部は経済再建計画の答申作成も任されることとなった。しかも外国や他の大臣などに邪魔されないように、これは1人で極秘でやるようにとのことだった。こうして、中央銀行総裁の仕事にとどまらず、人口300万人の一国の再建を任されてしまう。
さまざまな困難に直面するが、相互理解を深めながら少しずつ仲間を増やし、国を再生していく。本書は初版が1972年であるにも関わらず、近年「異世界転生モノの現実版」としてSNSでも話題になったそうだが、それも頷ける内容だ。