菅野朋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
合計特殊出生率0.75というショッキングな数字。
他山の石ではない日本の現状も念頭に、K-POP,韓流ドラマというエンタメで世間を席巻している華やかなイメージの裏側を垣間見る。
熾烈な競争文化。韓国独特の表現である「相対的剥奪感」には、常に比較に晒され生きねばならない実情が詰まっている。ソウルへの一極集中は日本の東京集中の比ではなく、ソウル周辺しか職がない、さらには評価されないという現象が現代にも残っているというのが驚き。
家父長制もそうだけど、まだ日本と同様に燻っているのか。こんな状況に若者たちは諦観し、将来の不安を肌で感じることでこんな厳しい世界に子どもを引き入れるなんてかわいそう、となる。個人的に非常に共感。子どもを持つことへの躊躇はまずは生活への不安、合わせて子ども将来への不安。国家成長を維持するためという大局観と、子どもを持つという全き個人的な問題の齟齬が甚だしい。
実態として自分が生活していくだけで精一杯という心理を払しょくして、子どもと安心して暮らせる社会を築くことが政府の喫緊課題であることは、韓国も日本も変わらない。
外国人労働者への依拠や政府の子育て政策の的外れは既視感がある。日本の近い未来を投影しているよう。手をこまねいている場合ではないが、個人的な問題では解決は難しい。悩ましい問題ではある。しかし当事者として少子化・高齢化というグローバルなトレンドは関心を持つ続けよう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ韓流を世界に広めようとした人たちの情熱と愛国心に感心してしまった。クールジャパンのようなゴリ押しではなく、「韓国の文化を世界に広めたい」という情熱の下、政府ではなく有志が韓国エンタメにじゃんじゃん投資してるのがいい。
韓国エンタメ業界にまつわる事件の章は、のんきにK-POPを聞いている自分がなんだか推しを搾取しているようで、申し訳なくなってしまった…。
BoAちゃんが日本デビューした頃、韓国にとって日本はたしかに追いつけ追いこせの憧れの国だったと思う。インタビューでも「行きたいところは?」て聞かれると、リップサービスもちょっとはあったにせよみんな日本と答えていた。
あれから20年。久々に韓流界隈に戻ってきたら、すっかり様子が変わってた。日本が、嫌韓だー反日許すまじーとやってるあいだに、すっかり見向きもされなくなってた過程が、これを読んでいたらよく分かる。
一方の韓国では、文化解放前には溢れていた反日の本が今はすっかり消えているという。日本で嫌韓本が増えているのはむしろ、もはや韓国に追いつかれているという危機感の表れなのかもねぇ。 -
Posted by ブクログ
いろいろな分野で「ファンを作る」というのは大事なことだけれど、韓国はエンタメを通じて、世界中に韓国という国のファンを作ることに成功したなと思う。エンタメから興味を持って韓国語や韓国の歴史、文化を学ぼうとする人はきっと多い(私も)。かつて日本がそういう対象であったように。
成功要因だけでなく、影の部分もきちんと書かれていて、凝縮された韓国エンタメの歴史を辿ることができて、面白かった。翻って、日本のエンタメについても考えてみたり。
日本の音楽事務所にも、YouTubeやSNSでの動向を分析する専門部署って、あるんだろうか?こういう分析について、もう少し知りたいなあ。 -
Posted by ブクログ
時折、各地の寺社から仏像や経典などの骨董品が盗まれたと云うニュースを見ることがあるが其れら盗品は何処へ行くのだろうか?とかねがね疑問に思っていた。ほとぼりが冷めてから密かに収集家に売られるのかな、とか勝手に想像をしていた。それに対する一つの回答例が韓国への持ち出しというのだ。
韓国で日本から盗まれた高麗時代の仏教美術品が水面から顔を出し、韓国国宝に指定されるという騒ぎが起きたことから韓国美術界に取材を行い、終にはその窃盗の実行犯であろうと強く推測される人物にまで迫るというノンフィクションが本書である。
そもそも高麗時代の仏教美術は日本に数多く所蔵されており、日本渡来の経緯は別としてそれを窃盗という手段を通じてでさえ韓国に取り戻すことを肯定的に捉える国民感情があり、更にはそれを高額で買い取る収集家が存在することがこうした窃盗を後押ししているようだ。否、それ以上に高額で買い取ることを前提に日本への窃盗旅行費用を工面したりすることすらされていることが取材の過程で明らかになっている。
著者は日本女性でありながら韓国の怪しい骨董品屋、収集家そして別件で逮捕された窃盗容疑者自宅への取材はもとより警察、留置場、そして刑務所まで日本から盗まれたであろう犯人・美術品の消息を求めて取材する執念には感服する。
骨董美術界でニセモノ・贋作の存在は日常茶飯事、騙されるのは鑑定眼がないからという「常識」が通用する魑魅魍魎の世界というのは恐らく日本も他の国も一緒なのだろうが、良くぞこうやって追いかけたという感じだ。ちょっとばかり本書のタイトルが最近の日韓関係を反映してのことかセンセーショナルな感じもするのだが、飽くまでも地道かつ長期に亘る取材は敬服に値するジャーナリスト魂でもある。 -
Posted by ブクログ
急速に少子化と人口減少が続く隣国。
まあ色々な原因があるのだが、「外国人労働者」受け入れについては、この本ではいいことしか書いてないような気がした。日本では「選択的夫婦別姓」すら答えが出せたないとも書いてたので、結局そっちの人か。
それ、答え出てますやん。
不要。
まあ結局、命というのは次世代に繋いでいくために存在して来たのが、なぜに、個人の権利とか自己実現とか言い出して、謎にそれが優先されてくるのが「文明化」なんだから、滅びますよ。
だって言うては悪いが、受け入れる方って、実際侵略に近い。
築き上げたもの食いつぶされて、低きに落ちるんですよ。
日本に引き換えて読んでしまったが、要するにそういうことかなと。
読みやすい本だったが、それだけの話。