広野彩子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昨年、話題になっていて気になっていたのだが、経営学の話しは、もうだいたいわかったという気分なので、読むのは先送りしていた。
が、一応、知識の簡単なアップデートという感じで、遅ればせながら読んでみた。
最初のほうは、ポーター、ティース、オライリー、チェスブロウ、コトラーと大御所が続く。たしかにアップデートしつづける人々ではあるが、比較的短いインタビューだし、基本は、彼らのすでにでた本や論文と大きく違う見解がでてくるわけでもなく、まあ、こんな感じかな?という印象。
で、気分を変えて、最終章の大好きなミンツバーグを先に読むと、新しいものがあるわけではないかもだけど、なるほどの超マクロな視点、骨太の歴史感にもとづいた分析、資本主義論にうなる。
と、これで気分をなおして、入山氏がいうところの「実務」より、「気鋭の実力者」よりの章を読むと、これがなかなかに刺激的。
全く新しい知見があるというわけでもないのだが、なんとなくそうだろうな〜と思っていたことが、明確に言語化、論理化されて示されていくのが、とても気持ちよい。すっきりとする。
とくに、メイヤーの「パーパス経営」、パントの「リーダーシップ論」、テュルパンの「デジタル・マーケティング」における「リーダーシップ」論などがよかったな。
一つ一つの講は、だろうな〜という感じなんだけど、全部、読むと、世界が、ビジネスが、そして、経営学が大きく変わってきていることが実感できる。 -
Posted by ブクログ
著者である広野さんからいただいた「100歳、ずっと必要とされる人」を読み終えました。
「ずっといてほしい。福井さんが会社に来てくれるだけでいい」
そんなことを言われる人がこの世の中に何人いるんだろう。これを読んだ時、感動して涙が出ました。
「一粒の麦もし死なずば」
これは、私が小学校の時から好きな言葉です。まさか、この本に出てくるなんて思いもしませんでした。
「一粒の麦もし地に落ちて死なずば、ただ一つにてあらん、死なば多くの実を結ぶべし」
私が大学の先生を辞めて社会起業をした時、死ぬ時に幸せな人生だったと思いたいというのが一番大きな理由でした。それは自己犠牲という意味ではなくて、他人を幸せにすることの喜びで自分も幸せに生きられる・死ねるという信念みたいなものなのです。
だから、この本を読んで、福井さんの生き方に大きく共感しました。偉くなることなんて、どうでもいいんです。周りの人と幸せにさえ生きられれば。 -
Posted by ブクログ
今度、これからの働き方論のような発表を二回ほどする機会ができたので、ちきりんさんの本とか色々読んでいる内に、この本に行き当たったのですが、何と私の心に一番響いたのは、この中に書かれている資本主義に関する記述の部分でした。
この本の主人公の福井福太郎さんは、大学時代にフランスのシスモンディ(*)という学者の研究をしていて、それが福井さんの生き方のバックボーンになっているのだそうです。シスモンディは、資本主義を生み出しナポレオン戦争に勝利したイギリスが、何故、経済恐慌に陥ったのかという疑問から資本主義批判に転じ、雇用者と労働者が連帯することの重要性と、経済活動における倫理的な要素の必要性を説い学者だそうです。但し、彼は資本家の役割や企業の成長自体を批判した訳ではなく、その後の社会主義や共産主義とも一線を画しているそうです。
そして、福井さんがシスモンディの研究から導き出したのが「利他主義」の考え方なのですが、但し、福井さんの「利他主義」は「自己犠牲」という意味ではなく、相手と自分を対等に捉える「お互いさま」というニュアンスに近く、「全ての人の幸福を考える」「お互いに幸せになる」という互恵的な発想なのだそうです。ということで、49歳でサラリーマンになり、100歳になっても毎日電車で一時間通勤しながらサラリーマンを続ける「ずっと必要とされる人」の人生論、大変参考になりました。
(*)ジャン=シャルル=レオナール・シモンド・ド・シスモンディ(1773-1842年)はフランスの経済学者。フランス最後の古典派経済学者。元々は自由主義の立場であり、1803年の『商業の富について』でアダム・スミスの『国富論』を紹介するなど自由主義を擁護していたが、イギリスで恐慌を目の当たりにして自由主義に懐疑的になり、1819年の『経済学新原理』の出版を機に古典派経済学批判の立場に回り、イギリスのデヴィッド・リカードやフランス古典派のジャン=バティスト・セイらと対立するようになった。価値論や恐慌論の研究でカール・マルクスの先駆者であり、マクロ均衡論の研究でジョン・メイナード・ケインズの先駆者であったという評価も最近ではなされている。(Wikipediaより抜粋) -
Posted by ブクログ
【書名】
世界最高峰の経済学教室
広野彩子
【目的】
最前線の学者がどんな理論を展開しているのか知るべく、総覧系の本が読みたくなった。
読みたくなったきっかけはファスト&スローを読んだことから、なんとなく経済学に興味をもったため。
(行動経済学だけど)
結論、興味ありそうな学者はみつかったのでOK。だが、構造的に理論が説明される本ではなく、個人的にはなじみのない学者の紹介とインタビュー本だったことから、苦行だった。。
どの学者がどんなことを言ってるか理解している人が読むと、楽しく読めるかもしれない。
【印象に残ったポイント】
・人的資本、理論は60年代にできたが日本で一般的な概念になったのはここ数年と感じる。
→事業におけるタイムマシン経営と同様に、海外のものをうまく輸入するというのは大変。だが、うまくやれると事業機会になりそう。
・必ずしも、最前線の学者たちのキャリアは研究一本ではない。
→将来的に、いまのジョブの経験値やモノの見方が役立つときがくるのかもしれない。
【具体的に生活や仕事にどう活かすか】
・役に立たないけど、どの学者の本を読んでみたいか決まった。→リチャードセイラー。
【要点】
ノーベル経済学賞受賞者を含む世界的な経済学者12名へのインタビューを通じて、現代経済学の最前線を紹介する一冊です。各章では、各経済学者の研究内容やその背景、現代社会が直面する課題とその解決策についての洞察がまとめられている。
高齢化社会の「人的資本理論」 - ゲイリー・ベッカー 教育や訓練を通じて人材の価値を高める「人的資本」の概念を提唱し、高齢化社会における教育投資の重要性を強調している。
「にんげんだもの」の行動経済学 - リチャード・H・セイラー 人間の非合理的な行動を経済学に取り入れ、政策やビジネスにおける「ナッジ」の概念を紹介している。
「利他的な行動」の経済学 - ダン・アリエリー 人々がどのように意思決定を行うか、特に利他的行動や道徳的判断に焦点を当てている。
ビジネスに役立つ経済学 - ポール・ミルグロム オークション理論や市場デザインの研究を通じて、ビジネス戦略や政策形成への応用可能性を探求している。
「適材適所」を可能にするマーケットデザイン - アルビン・E・ロス 市場設計の理論と実践により、ドナー移植や学校選択などの社会的課題の解決に貢献している。
アイデアを「スケール」する経済学 - ジョン・A・リスト フィールド実験を通じて、アイデアや政策の大規模展開に関する知見を提供している。
5歳までのしつけや環境が、「生き抜く力」をつくる - ジェームズ・J・ヘックマン 幼児期の教育や環境が将来の経済的成果に与える影響を研究し、早期教育の重要性を示している。
成長戦略にはエビデンスがない - アビジット・バナジー 開発経済学の視点から、貧困削減のための政策や介入の効果を実証的に分析している。
政治経済学をデータでアップデート - ダロン・アセモグル 政治制度と経済成長の関係をデータ分析により解明し、制度の重要性を強調している。
高齢化から付加価値生み出せ - ジョセフ・E・スティグリッツ 高齢化社会における経済政策や所得分配の課題について論じている。
新しいグローバル化、新しい産業政策 - ダニ・ロドリック グローバリゼーションの新たな形態と、それに対応する産業政策の必要性を提言している。
グローバリゼーションは死なない - ラグラム・ラジャン グローバリゼーションの持続性と、それがもたらす経済的影響について分析している。
本書を通じて、現代社会が直面する多様な経済的課題—高齢化、教育、貧困、グローバリゼーションなど—に対し、経済学がどのようにアプローチし、解決策を提供できるかが探求されている。各経済学者の研究は、個人の行動や社会制度が経済全体に与える影響を明らかにし、より良い社会の構築に向けた示唆を与えている。
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Posted by ブクログ
100歳にして電車通勤をしている現役サラリーマンを知った日経BPの記者が、その人の経歴なり考えや生活などを当人と共著で著した書である。
特に恵まれていたわけでもなく平坦でもなかった人生だが、普通の生活を過ごして生きてきたという。今なお働かせてもらっている会社は、かつての友人のつてによるものだが、この人との関係を大切にしているのが特長だ。
いまなお衰えない好奇心、たとえば宇宙のダークマターも知っているし、新聞の分からないカタカナも外来語を推測し辞書を引くそうだし、通勤という運動、などなど心身ともに無理せず、健康なのがいいのだろう。物事にこだわらない性格も大いに寄与していそうだ。
題名は、100歳でもサラリーマンしている人、とでもした方が内容を示すとしたら良かったかもしれない。