肥田舜太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者は広島原爆の被爆者で医師の肥田舜太郎氏と映像ジャーナリスト、映画監督の鎌仲ひとみ氏。
鎌仲氏が劣化ウラン弾の話、肥田氏がヒロシマでの体験、内部被曝のメカニズムを解説。最後は鎌仲氏が肥田氏にインタビューする、という構成。
内部被曝とは、放射性物質を体内にとりこみ、長時間にわたって身体の内側から放射線を浴びることで、内部被曝者は世界で1000万人にも及ぶとも言われる。
内部被曝者は放射線被害問題で常に蚊帳の外におかれてきた。
その理由は(1)医学的に不明な点が多いこと、(2)軍事秘密であったこと、(3)ICRP(国際放射線防護委員会)が「しきい値」以下の放射線の内部被曝は人体に無害と主張してきたこと、だった。
昨今、イラク戦争における「劣化ウラン弾」による健康被害が指摘され、内部被曝の恐ろしさが広く知られるようになった。
劣化ウラン弾は本来、放射性廃棄物であり、1950年代にミサイルとしての有用性が認められ、米軍ミサイルの20%に配備されている。3000-4000度の高熱を出し、分厚い鉄板を貫通する。
米国は、劣化ウラン弾による放射性物質は短期間で体外に排出されると否定しているが、アントワネット・M・ガッティ博士によれば、2.5ミクロン以下の粒子を吸い込むと、血液に循環する、と指摘している。
また、放射時間を延ばせば延ばすほど、低線量放射線を照射する方が、高線量放射線を瞬時放射するよりも細胞膜は破壊されるという。(ペトカワ効果)
この内部被曝の危機は福島第一原発の事故により、より現実の問題になってきた。ある環境団体が六カ所村再処理工場の排水口に一万枚の葉書を投入したら、東京湾の入り口まで漂着したという。微量放射線は食物連鎖による生体濃縮され、数百倍にも高まる、という。
しかし、この生体濃縮についても、はっきりした裏付けはない。
肥田氏は指摘する。
”功利主義的な考え方に基づき、放射能汚染に目をつぶってきた。しかし、放射能の影響は誰も逃れられない。人間は科学的な裏付けがなされない限り、安全を信じたがる。特に権力はそういう考えに立つので、反対運動は自然と少数になる。医者でさえ、脅威を具体的には実感していない”
放射能問題を考える上で、大きなきっかけになる一冊。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
内部被曝とは、放射性物質を体内にとりこみ、長時間にわたって身体の内側から放射線を浴びることである。
恒常的に被ばくすることで遺伝子が傷つけられ、癌などを誘発するといわれている。
だが、このリスクを見極める研究は少なく、人体への影響をめぐっては議論百出だ。
本書では、ヒロシマでの被ばく後、六十年にわたり内部被曝の研究を続けてきた医師・肥田舜太郎と、気鋭の社会派ジャーナリスト・鎌仲ひとみが、内部被曝のメカニズムを解き明かし、その脅威の実相に迫る。
「劣化ウラン弾」などの大量使用により新たな様相を帯びる「核の脅威」に斬り込んだ、警世の書。
[ 目次 ]
第1章 世界に拡がる被ばくの脅威(被ばくの論点;イラクの被ばく者たち)
第2章 爆心地からもういちど考える(爆心地の風景;内部被曝で死んでゆく人々;被ばく者特有の症状とは何か)
第3章 内部被曝のメカニズム(放射線の基礎知識;内部被曝の危険について;内部被爆の症状)
第4章 被ばくは私たちに何をもたらすか(アメリカの被ばく者たち;劣化ウラン弾は何をもたらすか)
第5章 被ばく体験を受け継ぐ
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