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放射性物質を体内にとりこみ、長時間にわたって身体の内側から放射線を浴びる内部被曝。ヒロシマでの被曝後、六十年にわたり研究を続けてきた医師と気鋭のジャーナリストが、そのメカニズムを解き明かし脅威の実相に迫る。劣化ウラン弾などの大量使用により新たな様相を帯びる「核の脅威」に斬り込んだ、警世の書。
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Posted by ブクログ
書名通り。 また、サブタイトルに「原爆から劣化ウラン弾まで」とあります。 アメリカ軍がイラク戦争で用いた劣化ウラン弾のことについても触れていますが、ここの部分は被曝の被害もさることながら、それ以上に、イラク国内の医療の悲惨な現状が述べられているので、無視できない部分、知っておかなければならない事実が...続きを読むあります。
内部被ばくについて紹介する本。2011年のうちに読めてよかった。 著者は広島原爆を体験した医師とジャーナリスト。外部被ばくよりも低占領の内部被ばくのほうが被害が大きいことや、劣化ウラン弾が中東地域の戦争で使用され子供達に障害をもたらしていることが説明されている。また、アメリカの原子力施設付近でも、周...続きを読む囲に奇妙な障害がでても原子力と因果関係はない、と繰り返され被害が拡大しているケースが存在する。付近で作られた小麦は世界中に輸出されており、知らぬ間に原子力の弊害が世界中に広がっている。そして、世界的な乳がんの増加との相関関係も強いこともわかっている。 100年も経たないうちに甚大な被害を次々に起こしてしまった原子力。若い世代に残さないよう、現役世代以上で収束させなければならない。
今、みんなに読んで欲しい。 無関心にならないで、絶対。 専門的な部分も多く、少し読みづらい本だったので、時間がかかってしまいました。 2005年に既にこの内容が提起されていて、今になっても全く変わっていない現状に嫌悪感。自分の無知に恐怖しました。知らないって本当に怖い。 震災が起きた今が意識を変...続きを読むえるチャンスだと思うんだ。絶対。
広島の原爆の被曝者で医師でもある肥田舜太郎氏と、気鋭の映画監督鎌仲ひとみ氏との共著。 第5章「被ばく体験を受け継ぐ」が両氏の対談となっていて、非常に強いメッセージ力を持っている。 肥田氏が外国人から教えられたことの一つが、人類が戦争で受けた被害のなかで最も人権を破壊したのがアウシュビッツと広島...続きを読むだという。 前者の被害は毒ガスであり餓死。この被害は目に見えて分かりやすい。 後者は原爆によって、一瞬にしてたくさんの人が犠牲なったという事実。こればかりが印象づけられている。実際は爆風や熱風で直接亡くなった人よりも、後の放射線被害で苦しみ亡くなった人もたくさんいるのだ。また、傷つけられた遺伝子が次世代に受け継がれている可能性もある。 これらの被害が目に見えにくく理解しずらいため、核兵器の廃絶を訴えるメッセージが世界へ伝わりにくいのだという。 また第3章「内部被曝のメカニズム」は秀逸。 低量放射線の害について、極めて正確に記述されていて他に例をみない。 日本人必読の書であると断言したい。
内部被曝の恐ろしさがよくわかった。 内部被曝は「ない」のではなく、意図的になかったことにされているのだ、というのがよくわかる。 多くの人に読んで、考えてほしい本。 鎌仲さんの映画「ヒバクシャ」も観なくては!
是非、多くの人に読んで頂きたい本。今こそ、全国民が読むべき。 原発うんぬんの話ではなくて、イランで使われた大量の劣化ウラン弾を初めとした、核兵器による放射線、放射性物質のお話。 元をたどれば劣化ウラン弾はプルトニウムを再生する過程で生まれる原子力発電のゴミなので、まぁ同じことですけどね。 福島原...続きを読む発の事故以来、チェルノブイリとスリーマイル島、この二つの原発の名前は嫌というほど聞いた。 でもハンフォードという、シアトルから約350キロに位置する地名は一度も聞いたことが無かった。 ハンフォードでは冷戦時代、九つの原子炉から大量のプルトニウムを核兵器のために生産していた。そしてその過程で生まれる劣化ウランから、後に劣化ウラン弾が作られることになる。 驚くことに、ハンフォードの原子炉から放出された放射性物質はスリーマイル島の原発事故で放出された量の約一万倍。 何故こんな大事故が話題にならないのか、それはやはり原発という商業施設で起こったことではなく、軍事利用を目的とした国家事業であったからだと思う。 そう考えると、軍事利用を目的とした原子力は原発の何倍もタチが悪い。 人類が放射能により滅亡させられてしまう前に、原子力の兵器としての利用を根絶させなければならない。 ちなみに、ハンフォード地区で行っていた、核兵器のためのプルトニウム抽出と全く同じことが行われようとしているのが青森県六ヶ所村の再処理工場。 福島原発とは桁違いの放射性物質が放出されようとしています。 何億ベクレルなんて話じゃない。兆も超えて、“京”という単位が使われるほどの、天文学的な数字の放射性物質が一年間に放出される工場です。 今はまだ試運転中だけれど、本格的に運転に入れば、原発の一年分の放射能が一日で出るという計算もあります。 確かに放射線は見えないけれど、確実に人類の身体を蝕んでいます。 正当な統計で、原発から半径百マイルに住む女性の乳がん発生率がその他の場所と比べて十倍以上だとか、チェルノブイリの事故後、白血病患者が百倍以上増えたとか、データはあります。 でも、今の医療技術では、放射線がどのようにして身体を蝕むのか、そのプロセスが明らかになっていないので、放射性物質と健康被害との関連が立証されていないだけです。 何故かは分からない、でも放射性物質による内部被曝は存在します。 これ以上原子力による被害を拡大させないためにも、少しでも出来ることからやっていきましょう。
とてもわかりやすい本だった。そして現実は怖い。 広島の原爆で被爆し、その後60年間内部被曝について研究を 続けてきた医師と、社会派ジャーナリストとの共著。 ひろしまのピカという絵本で小学生の頃原爆の怖さを知った。 原爆は怖い、戦争は怖いって印象が残った。でもそれは爆発で けがをした人々の...続きを読む絵、外傷などの怖さ、残酷さだった。 内部被曝、その怖さ、原爆死ではなく原爆生の残酷さ 体内で放射性物質から放射線を浴び続けることの怖さが よくわかった。今まで他人ごとととらえていたことが 福島原発の事故によって身近な出来事になってしまった。 知ることは怖いことだけれども、知っておくことは大切だ。 原爆が作られる過程でもプルトニウム製造のために作られた ハンフォードエリアの原子炉で働き居住するたくさんの人々が 無自覚に被曝し、死んでしまっているということにも驚愕した。 そこに居住し、働く人々が戦後1980年代まで放射能は怖くないと 豪語し、ずさんな管理をしていることにも驚いた。 アメリカは被曝大国であるという事実も知らなかった。 本当に驚く事実ばかりが記載されていた。 天然ウランから濃縮ウランを作る過程で出てくる劣化ウラン それを劣化ウラン弾という兵器として再利用しようという発想、 放射性物質に国境はないのに、どうしてそういうことが 出来るのだろう。局地的に落とした爆弾だとしても、放射性物質は 空気中に含まれ全世界的に汚染されつづけていくのだろう。 そして結局どこの地域でも一番被害にあうのが子供なのだ。 このまま人間が好き勝手していれば、必ず人類は 滅びてしまうと確信する。 色々な事実から焦燥感をあおられ、いてもたってもいられない 気持ちになってしまうが、原子力エネルギーや放射線物質などが 身近な問題になった今こそ、これからの地球を考えていくうえで さまざまな行動をしていかなくてはならないと思う。 今回のことがなければ手にはとらなかった本だけれども、 読んでみて本当に良かったと思う。
取り急ぎ、レビュー・感想ではなく、本文から抜粋します。ごめんなさい。 国連放射線防護委員会(ICRP)は、放射線に関する世界的権威である。 ICRPは長い間、微量の放射性物質による内部被ばくを過小評価してきた。 この考え方の根本にあるのは「放射性防護の主たる目的は、 放射線被ばくを生じる有益な行為を...続きを読む不当に制限することなく、 人に対する適切な防護基準を作成することである」。 すべての被ばくは可能な限り低く保つべきであるという助言が 注目されてはいたが、意識的に適用されることがまれであった。 その後、全ての被ばくは“経済的、社会的要因を考慮に入れて合理的に 達成できる限り低く”保つという欲求がいっそう強く強調されるようになった。 このことの意味は「放射線は人体に危険を与える潜在的な可能性のあるものであるが、一方で 人類にとって必要不可欠な存在であるから社会が容認できるような被害にとどめるための 安全な基準を設定しよう」というものだ。 人や社会が容認できる「被ばく」の限度、すなわち「現在の知識に照らして身体的または 遺伝的障害の起こる確率が無視できる」線量を超えないような線量限度を勧告している。 日本では、ICRPの勧告を受けて、市民が1年間に浴びても問題ないとされる放射線の 被ばく量を、年間1ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト、日本では5ミリシーベルトで 屋内退避が勧告される)と設定している。 (P10-P11)
今ならすんなり理解できる、放射能の本。 1カ月前までは「内部被曝」と「外部被曝」をここまで明確に区分けする必要性を理解していなかったし、「シーベルト」と「ベクレル」っていう単語も耳に馴染みがなかったわけで。 わかりやすく書かれているせいもあって……結果的にかなり読みやすかったです。読みやすくな...続きを読むんてなりたくなかったけどっ(泣 ずっと、漠然と抱いていた疑問が、この本ではっきり見えてきました。 どうして基準値は変わるのか。どうして放射線技師になると基準値が特別枠になるのか。「自然界から受けている放射能より低いから安全」という言葉にもやもやとした不安を感じるのはなぜか。ラドン温泉みたいな、放射能で健康になるっていうのは何なのか。 うん、結構色々なことに対して、答えと示唆をもらえたような気がします。そしてとっても……何というか、このままだとダメだけど、このダメさを抱えて私たちは滅んでいくしかないんだなぁと……思ったり……orz 本に書かれていることを鵜呑みにするつもりはないのですが、それでも十分説得力はありますし、私には無視できません。内部被曝怖い。一生の永久の被曝怖い。「低線量内部被曝」怖い。ちょっとの被曝の方が、おっきな被曝より、細胞壁を壊す力は強いのだそうです。 同時に、怖い怖いといっても、今すぐにどうにかなるものではないと知って、ちょっと安心もしました。20年後30年後にガンになるか、10年後20年後に疲れやすくやる気がなく毎日がきつくばかりになるか、多分私はその程度で済むだろうと。 でも、内部被曝と身体症状の相関関係を証明することは非常に難しい。さまざまな理由で、難しい。 閾値は存在しない、安全な基準なんてない、人工の放射性物質は1粒でも良くない、でも「1粒でもダメ」っていったら社会が回らないから「安全基準」と称するものをつける。「称するもの」だから、基準値の上げ下げもかなり任意にできる。 ……そんな感想を持ちました。 ただ、ちょっとこれではミもフタもなさすぎるので、他の本も当たっていろいろ調べてみたいと思います。 本の中には、アメリカの原子力発電所の風下で生まれた兄弟の話がありました。 弟は自身の体調不良を原子力のせいとして国と対立し村から追放され、兄は「ここは安全」という国の宣言を信じてそこでジャガイモを育て、マクドナルドに出荷する。「安全基準を下回った」ジャガイモは、今日も誰かの口に入っているのでしょう。 将来の日本の姿に……なりませんように。本当に本当に、祈っています。
被ばくとは、一体どういう事なのかが分かり易く書かれています。 62年前の原爆投下とイラク戦争での劣化ウラン弾の使用。その2つを繋ぐ放射線の脅威がどのようなものなのかが分かります。
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内部被曝の脅威 ――原爆から劣化ウラン弾まで
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