黒野耐のレビュー一覧

  • 「たられば」の日本戦争史 もし真珠湾攻撃がなかったら

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     「たられば」で歴史を論じても意味がないと考えるのはおかしなことだ。だって歴史から教訓を得るためには必要条件でしょ? 

     この本は、果たしてどのような選択をしていたら、日本はアメリカと開戦せずに済んだか、ということを研究している。どうやればアメリカに勝てたかということではなく、勝てないとわかっている戦争をどうすれば回避できたか、ということ。
     表紙は変だけど、とても真面目な本だ。


     日清戦争の時代から真珠湾攻撃まで、時系列に沿いながら、その時点での回避できた点を浮き彫りにしていく。
     
     特に重要な転換点だったと思われるのは、第一次世界大戦で欧州が戦場になっているとき、イギリスなどから参

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    2017年08月15日
  • 「戦争学」概論

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    ナポレオン戦争の頃から近代のイラク・テロ戦争までの戦争の移り変わりを解説。

    地政学に基づき大戦略がかわり、同盟国・敵国がかわり
    技術的進歩に伴って戦い方が変わっていく。
    戦争そのものの意味すらも戦争のたびに変わってきていることがわかる。

    時代にそって戦争学的視点を養った後、
    最終章では日本を取り巻く東アジアの現状を紐解く。

    まさに今までにないほどの緊張状態。
    核を持たず、武力を持たず。
    さらには防衛費用を削減する。
    そんな日本でも立ち向かうべきなのにヘコヘコ頭を下げているという状況。

    軍をもたなければ戦争なんて起こらないなんて誰が言った。
    周辺各国はそんなことは言いやしない。
    一度始ま

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    2009年11月30日
  • 参謀本部と陸軍大学校

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    戦争遂行において中心となった陸軍参謀本部と、その人材教育を担った陸軍大学校について書かれている。

    いかに戦前日本の軍事システムは未熟であり、太平洋戦争が無謀な戦争であったのかが分かる。ここで指摘されている組織の欠陥、教育の欠陥は現代日本でも指摘されており、勉強になる一方で、全く変わっていない現状に苦笑せざるを得なかった。

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    2009年10月04日
  • 「戦争学」概論

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    戦争という行為、それに至るまでのプロセス、そしてその後のプロセスを論ずる「戦争学」の入門書と言える一冊。基礎とも言うべき「地政学」の解説から始まり、事例として取り上げた戦争はナポレオン戦争からイラク戦争までと幅広い。
    著者によれば、欧米の大学には戦争学あるいは軍事学の講座があり、これを持たない日本との意識の差は歴然としているとのこと。とは言え、著者は戦争を奨励しているわけではもちろんなく、「戦争を勉強し、戦争を知れば、戦わずして国益を損なわない途は必ず見つけられる」という考えで書いている。今の日本に徹底的に欠けている学問であることは間違いない。
    7年前に出された本書に今 惹句をつけるとすれば「

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    2018年11月18日
  • 「戦争学」概論

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    6年ほど前に読んだ本だが、集団的自衛権の行使容認やイスラム国の台頭など、新しい情勢を踏まえて再読。

    はじめに、「戦争学」の基礎として地政学を位置づけた上で、マッキンダー、マハン、スパイクマン、ハウスホーファーなど歴史を動かしてきた代表的地政学者を取り上げ、「ランドパワーとシーパワー」「ハートランドとリムランド」、ナチスに影響を与えた「パン・リージョン」などの概念を解説する。

    また、プロシアのフリードリヒ大王に代表される常備軍による「制限戦争」と、ナポレオンに代表される国民軍による「絶対戦争」との違いが説明される。
    クラウゼヴィッツは、「戦争の目的は相手に我が方の意志を強要すること」とし、そ

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    2015年01月29日
  • 「戦争学」概論

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    平易かつコンパクトであるが、いい意味で期待以上の作品。
    ありきたりなクラウゼヴィツの古典理論を説明し賛美するだけの偏りはなく、多く専門家のエッセンスだけでなく、国際関係論•現代のテロリズム•イラク戦争の解説までムラなく著述されている。
    論理明快な外交の提言があり、お買い得であった。

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    2014年10月31日
  • 「戦争学」概論

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    地政学とはなんであるかということから始まり、近現代における各国の紛争がどのような意図に基づいて行なわれていたかを検証する。その上で出版当時の状況を踏まえ、今後の世界予測まで見据えた内容。紙幅の関係上、もう少し突っ込んで知りたい部分も出てくるが、初学者が、一通り「軍事」畑出身の著者のような視点で、世界を見てみるには、丁度良い分量ではないかと思う。気になった内容は、巻末の参考書リストを手掛かりとし、より知見を深めていけばよいと思う。

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    2013年11月13日
  • 「戦争学」概論

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    地政学という学問自体の存在が日本ではなかなか知られておらず、その点で地政学の啓蒙的な書籍は歓迎されるものと思われる。

    伝統的な地政学の理屈を紹介し、それをもとに世界大戦、冷戦、テロリズムなど現代の戦争について理論の通用する部分および状況が著しく変わった点(世界大戦では戦車と航空機の登場、冷戦では核兵器の存在や、21世紀ではテロリズムという新たな敵)を詳説している。

    これらをもとに、今後の日本のとるべき方策を考えてみるとよいかもしれない。

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    2013年10月18日
  • 「戦争学」概論

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    マッキンダーのハートランド理論、マハンのシーパワー理論、スパイクマンのリムランド理論、ラッツェルの生存権論、チェレンの経済自足論、ハウスホーファーのパンリージョン理論、冷戦中、冷戦後の地政学とまず地政学の話から。そしてフリードリヒ大王の制限戦争からナポレオンの絶対戦争にいたって生まれたクラウゼヴィッツの戦争論、第一次大戦で生まれたリデルハートやフラーの機甲戦論、冷戦期に生まれたマクナマラの相互確証破壊戦略やゲリラ戦や制限戦争、テロとの戦い、といった感じで、特に近代以降の地政学や戦略論に重点を置いて紹介。

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    2013年07月21日
  • 「戦争学」概論

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    クラウゼヴィッツ以来の戦争論、マッキンゼー、マハン等の地政学の歴史的展開についてまとめられた本で、概要を知るには役立つ。

    筆者の言う、戦争を避けるために戦争を知るべきだ、という考えは賛同できる。
    ただし、筆者は自衛隊OBということもあってか、日米同盟一択、集団的自衛権賛成、国防費削減反対等と、自衛隊よりの論調である点は、留意が必要。

    最後の部分で、「政治」の決断を求めているが、上記の論調に沿った結論ありきの感がある。できれば、財政悪化、高齢化という日本固有の制約も踏まえた検討が欲しかったと思う。

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    2013年06月30日
  • 「戦争学」概論

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    前半で地政学の解説を行い、後半で世界の戦争と政治がどのように絡んでくるのかに迫っていくという内容。戦争を通して国家戦略のあり方を考えてみたいという方や、地政学に初めて触れる人向けです。

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    2012年12月02日
  • 「戦争学」概論

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    ネタバレ

    読みやすく分かりやすい本。

    日本って大丈夫なのかなぁと思ってしまう。
    結局のところ、戦略が見えない国なのだなぁ。悲しい。

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    2012年10月26日
  • 「戦争学」概論

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    ネタバレ

    地政学の視点から、軍事戦略を論じた書。

    地政学から現在の戦争までつながる視点をもてたのがよかった。

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    2011年06月28日
  • 参謀本部と陸軍大学校

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    [ 内容 ]
    日露戦争に勝利した新興国家はなぜ破綻したのか。
    組織の欠陥と無定見な教育に敗戦の真因を見出す新史観。

    [ 目次 ]
    第1章 山県有朋の参謀本部
    第2章 幻となった統合参謀本部
    第3章 陸軍大学校とメッケル
    第4章 参謀本部の初陣―日清戦争
    第5章 問われた陸大の真価―日露戦争
    第6章 衝撃と迷走―第一次世界大戦
    第7章 石原莞爾の挫折―日中戦争
    第8章 組織が生んだ狂気―大東亜戦争

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    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
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    2010年12月14日
  • 「戦争学」概論

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    [ 内容 ]
    「愚かな戦争」は「愚かな政治家」が起こす!
    日本軍の敗因を前著『参謀本部と陸軍大学校』で喝破した著者が、戦史から導いた「戦争回避」の原理。

    [ 目次 ]
    第1講 地政学と大戦略
    第2講 二一世紀への地政学
    第3講 ナポレオン戦争とクラウゼヴィッツ
    第4講 第一次世界大戦とリデルハート
    第5講 第二次世界大戦と絶対戦争
    第6講 核の恐怖下の戦争―冷戦
    第7講 冷戦下の制限戦争とゲリラ戦
    第8講 二つの新しい戦争―イラク戦争
    第9講 アジア太平洋の戦争学

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

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    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆

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    2010年11月21日
  • 参謀本部と陸軍大学校

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    日本はなぜ太平洋戦争へと突き進んでいったのか?陸軍、関東軍の暴走というのはよく言われている。ではなぜ陸軍がそうなってしまったのかを、陸軍の士官を養成する陸大の教育の分野から問い直している。その対象は広く、陸大・参謀本部の成り立ち、関係性や海軍、政府との関係について詳細に説明されている。また私が今まで勉強して来なかっただけだが、太平洋戦争に至るまでの動きが細かく書かれていたので、勉強になった。
    人材教育の重要性と難しさは企業や現在の義務教育の場面にも当てはまると思った。また何を教えるかとはどんな人材を作るかであり、それは数十年後の日本や世界のビジョンをきちんと描かれていなければならず、今の日本に

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    2010年11月14日
  • 参謀本部と陸軍大学校

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    なぜ日本は無謀だとわかっていた太平洋戦争を開始してしまったのか?
    内閣と陸軍の分裂、陸軍と海軍の分裂、参謀本部と陸軍省の並列関係、陸大の「総力戦」学軽視、という組織や教育の側面から説明した力作。
    戦前の軍の状況はあまり知られていないが、首相は大本営メンバーではなかった、陸軍大臣は参謀本部長よりも格下だったなど、意外な事実を学ぶことができた。戦前の軍組織の関係を知らなければ、当時の意思決定を正しく知ることはできないはず。

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    2010年06月02日
  • 参謀本部と陸軍大学校

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    旧日本陸軍の参謀組織とその人材育成の視点からの簡単な通史。いたずらに悪者探しではなく読みやすい。政軍に通じた人材を育てられなかったのが致命だったと言うことか。

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    2010年04月16日
  • 参謀本部と陸軍大学校

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     陸軍大学校の話を十分にからめきれていないと思いましたが、
     参謀本部の成り立ちの裏に夥しいほどの欲望が渦巻いていたことが感じ取れました。
     どんな組織・機構も政治力学から逃れることは出来ない。

     政治に長ける人が得をする。
     どこもかしこも、
     ずっとそういうものなのだということを、
     悲しいかな確信しました。

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    2009年10月04日
  • 「戦争学」概論

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    --07/1/28 (Sunday) 107/100 日曜


    修論研究がひと段落見え始めたためか(まあ、まだだが)、
    少したがが緩んで、活字中毒になりつつある。

    というわけで、今まで黒野耐「『戦争学』入門」を読んでいた。
    地政学的視点、あるいは必要悪としての「軍事」を学ぶこともないので、なかなか読みごたえがあった。

    さて、書類作成と解析を始めるか。。

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    2009年10月04日