矢吹晋のレビュー一覧
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【小さき巨人】幾度の失脚を経験しながらも、その度に不死鳥のごとく復活し、中国の経済成長の実現に多大な功績を残した鄧小平。「綿中に針あり」と毛沢東に評された男の真髄に迫る作品です。著者は、『文化大革命』や『毛沢東と周恩来』といった著作を世に送り出している矢吹晋。
鄧小平に関する研究書としてももちろんですが、鄧小平を軸として眺めた中国共産党に関する研究書としても実に魅力的な作品。権謀術数の渦中において、力のバランスを保ちながら自身の方針を通すことに苦心する、鄧小平の卓越した政治家ぶりが窺えるかと。初版から若干時間が経過した一冊ですが、古さを感じさせない作品でもありました。
〜彼のせりふはこうで -
Posted by ブクログ
古本で購入。
「文化大革命」とは何であったか。
この一種途方もない問いから、中国の「失われた10年」を総括しようというのが本書。
一般的に(僕もだけど)、文革というのは
「大躍進・人民公社政策の失敗によって低下した権威を回復しようと毛沢東が引き起こした権力闘争」
というイメージが持たれている。著者はそれも事実であるとしながら、
「共産党の官僚主義化に対する危機感」
という分析をしている。
大衆路線を忘れ官僚主義化した特権を握る高級幹部(いわゆる「実権派」)こそ、文革における打倒対象であった。
しかし結局、毛沢東の「空想的社会主義」によって中国の経済は破綻し、農村は荒廃した。
文革の尖兵 -
Posted by ブクログ
鄧小平は 面白かった。
『実事求是』をかたくなに守ったのが 鄧小平であることを理解した。鄧小平は 徹底したリアリスト だった。
3度の失脚と復活は 徹底したリアリストだからできたのだろう。
毛沢東の思想家、哲学者、理想主義者ということが、
実務の中では 大きな失敗を経験した。
理想と現実の乖離のなかで
大躍進運動における 飢餓者をたくさん作り出した。
文化大革命における 伝統的文化の破壊と文化知識人などの抑圧。
毛沢東は 単純化の天才だった。
鄧小平は 政治体制は 共産党の指導という基本をはずさず
経済的には 改革を進めていくということを推進した。
ゴルバチョフは 政治の改革を進めて