矢吹晋のレビュー一覧

  • トウ小平

    Posted by ブクログ

    【小さき巨人】幾度の失脚を経験しながらも、その度に不死鳥のごとく復活し、中国の経済成長の実現に多大な功績を残した鄧小平。「綿中に針あり」と毛沢東に評された男の真髄に迫る作品です。著者は、『文化大革命』や『毛沢東と周恩来』といった著作を世に送り出している矢吹晋。

    鄧小平に関する研究書としてももちろんですが、鄧小平を軸として眺めた中国共産党に関する研究書としても実に魅力的な作品。権謀術数の渦中において、力のバランスを保ちながら自身の方針を通すことに苦心する、鄧小平の卓越した政治家ぶりが窺えるかと。初版から若干時間が経過した一冊ですが、古さを感じさせない作品でもありました。

    〜彼のせりふはこうで

    0
    2018年02月26日
  • 文化大革命

    Posted by ブクログ

    この本の時代(1990年前後)の延長が、今の中国というのが信じられない。
    歴史を否定しないと大国には成り得ないのか。

    0
    2016年04月29日
  • 文化大革命

    Posted by ブクログ

    古本で購入。

    「文化大革命」とは何であったか。
    この一種途方もない問いから、中国の「失われた10年」を総括しようというのが本書。

    一般的に(僕もだけど)、文革というのは
    「大躍進・人民公社政策の失敗によって低下した権威を回復しようと毛沢東が引き起こした権力闘争」
    というイメージが持たれている。著者はそれも事実であるとしながら、
    「共産党の官僚主義化に対する危機感」
    という分析をしている。

    大衆路線を忘れ官僚主義化した特権を握る高級幹部(いわゆる「実権派」)こそ、文革における打倒対象であった。
    しかし結局、毛沢東の「空想的社会主義」によって中国の経済は破綻し、農村は荒廃した。
    文革の尖兵

    1
    2013年08月16日
  • トウ小平

    Posted by ブクログ

    鄧小平は 面白かった。
    『実事求是』をかたくなに守ったのが 鄧小平であることを理解した。鄧小平は 徹底したリアリスト だった。
    3度の失脚と復活は 徹底したリアリストだからできたのだろう。

    毛沢東の思想家、哲学者、理想主義者ということが、
    実務の中では 大きな失敗を経験した。
    理想と現実の乖離のなかで 
    大躍進運動における 飢餓者をたくさん作り出した。
    文化大革命における 伝統的文化の破壊と文化知識人などの抑圧。
    毛沢東は 単純化の天才だった。

    鄧小平は 政治体制は 共産党の指導という基本をはずさず
    経済的には 改革を進めていくということを推進した。
    ゴルバチョフは 政治の改革を進めて 

    0
    2013年02月22日
  • 文化大革命

    Posted by ブクログ

    中国人の名前の区別がつかないこちらにも問題はあるが、しかしまあわかりにくかった。時代も行ったり来たり。

    0
    2015年05月09日
  • 文化大革命

    Posted by ブクログ

    現代中国史において文革は避けて通れない事件ではある
    多くは語れないが、本当にあの時代はトチ狂っていたんだなあと思える
    あまりいいたくないが、中国流の狂気は、そこいらの都市伝説よりコワイ

    0
    2009年10月04日
  • 文化大革命

    Posted by ブクログ

    中国史上もっとも暗い事件、文化大革命についての本。
    人を中心に書かれているので、時系列でない分頭の中が整理しきれないが、
    筆者の視点を通して人となりを浮き上がらせる。

    四人組の江青など、名前のみしか知らないキャラクターについて、
    理解が深まった。
    毛沢東の強烈な情報統制の中で、何も発言できない、かつ何もしていなくても有罪になるかもしれない恐怖。
    毛沢東独裁のとてつもない力が働いているのが感じられる。

    なかなか勉強する機会のないテーマだけに、勉強になった。

    0
    2009年10月07日