杉山修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
〈本から〉
植物の体の中で害を与えずに棲息している菌を内生菌(エンドファイト)という。
窒素はタンパク質を構成する必須元素であり、不足するとすぐに成長の低下に現れる。
窒素は土壌鉱物を構成元素ではないため、外部から供給する必要がある。窒素は窒素ガスとして空中に大量に存在するが、窒素ガスを植物は利用することができない。
病原菌も害虫も作物と同じように、成長のために窒素を必要とするので、窒素をたくさん含む作物に好んで集まるようになる。化学肥料の作物は病害虫被害を拡大し、それを抑えるための農薬の使用が不可欠になった。
土壌炭素(有機物)の増加は、両方の窒素供給にプラスに働くので、自然栽培畑作 -
Posted by ブクログ
奇跡のリンゴを生み出した、自然栽培のメカニズムが解説された本。
有機栽培と自然栽培の根本的違いは、プレイヤーとして振る舞うか、監督して振る舞うかの役割の違いにある。
なんか、コレを読んでハッとしました。
農的暮らしを取り入れるべく半農生活を始め、トライ&エラーで有機栽培をやってはいるんですが、やろうとしていることは、自然を抑えようとしているんだなと。
そうじゃなくて、自然に近づけることで生物の力を利用するんだと。うん。コッチのほうが無理がなさそう。
ちょっとうちの畑の一角を使って、自然栽培のアプローチで試してみようと思います。
本書の中盤は専門的な内容で眠かったので、、また改めて読 -
Posted by ブクログ
タイトルにもサブタイトルにもないが、「奇跡のリンゴ」の自然栽培を軸にした話。生産者がプレイヤーをやめるのが自然栽培だけど、放置するのではなくて監督をやるのだ、と。僕は放置派だったのですが、それでは確かにうまくいかんのです。
生物相を多様化し、分子生物学的だった農業に、生態学の視点を。生物のネットワークから見ると、作物自体が一番の攪乱かもしれませんね。そういう結果を監督としてコントロールするのは、門外漢のほうがよかったりするのかもなあ、などと漠然と思ったり。
本としては、やや冗長だったり唐突だったりと感じるところもありますが、あかるい話でよい。