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青森県の農家・木村秋則さんの『奇跡のリンゴ』(2008年)によって一気に知られるようになった自然栽培。肥料と農薬は使わないが、耕起や除草は必要に応じて行なう。著者によれば、放任ではとれない。自然栽培の本質は、「自律的栄養塩供給システムをつくる」こと。すなわち、肥料を与えなくても養分が供給されるようになる管理が必要。カギは土壌微生物。本書では、水田と畑に分けて無施肥でとれるしくみづくり、無農薬でとれるしくみづくりを解説。
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Posted by ブクログ
〈本から〉 植物の体の中で害を与えずに棲息している菌を内生菌(エンドファイト)という。 窒素はタンパク質を構成する必須元素であり、不足するとすぐに成長の低下に現れる。 窒素は土壌鉱物を構成元素ではないため、外部から供給する必要がある。窒素は窒素ガスとして空中に大量に存在するが、窒素ガスを植物は利...続きを読む用することができない。 病原菌も害虫も作物と同じように、成長のために窒素を必要とするので、窒素をたくさん含む作物に好んで集まるようになる。化学肥料の作物は病害虫被害を拡大し、それを抑えるための農薬の使用が不可欠になった。 土壌炭素(有機物)の増加は、両方の窒素供給にプラスに働くので、自然栽培畑作の栽培管理では、第一に、土壌有機物を増やすことに焦点が当てられるべきである。 土壌有機物を増やすための2つの方法 ①良質の有機物の投入 ②土壌を耕起しない不耕起栽培の導入 地下部の栄養塩競争と地上部の光競争 不耕起とワラマルチ 福岡正信の農法 畝間の雑草、根から排除せず、地上部を草刈り機で 畝間の植物多様性を高める 重要な天敵である寄生峰の成虫は花蜜をエサとしているので、農地の中で周年花を咲かせている多様なインセクタリー植物があることは農地での寄生峰の温存に重要 バンカー植物 トマト、キュウリ、メロンなどでの野菜栽培では、アブラ虫防除のために、ソルガム、オオムギなどのイネ科植物が使われている。 植物は自ら病気から守る免疫システムを持っている そのしくみは、主に 微生物を殺す抗菌物質(ファイトアレキシン)を体内に作り、また、病原菌を体の一部に閉じ込めて植物の組織ごと病原菌を殺すことによる。 キク科のマリーゴールドの根にセンチュウが侵入すると、根からセンチュウに有毒な化学物質を作り、侵入したセンチュウを死亡させる 自然栽培の農産物は雑味がない 化学肥料を与えて育てる慣行栽培、自然の状態にはない、富栄養な状態を土壌に作り出す。その結果、作物は土壌から必要以上に窒素を吸収し、苦味成分となる硝酸態を葉に蓄積する。略 自然栽培の農産物は雑味が少なく、食後にいやな後味が残らないのが特徴である。
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