酒井穣のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
組織がブレイクスルーを起こすために
課長=中間管理職の在り方・役割が最も重要になる。
リーダーシップと比較してマネジメント力は後天的に磨きやすい。
◆現場と経営の情報鮮度
情報のフィルタリングにより、課長に最も情報が集まる。
役割分担が明確な組織は、現場情報が経営者まで伝わることはほとんどない。
薄すぎず暑すぎずのフィルタリングが大切。
◆課長の条件
人望があり、知識と経験を有している
①現状だけでなく、どうあるべきかについてビジョンを持っている
②自分の責任範囲を超えて全体のために善いことをする気力に充実している
③他の人があきらめるような状況下でもポジティブに笑顔で前進する
④問題に対して先人の知恵を参照する
⑤少なくとも2つの分野において組織内で専門家と言えるレベルにある
⑥多くの挫折や修羅場を乗り越え、他人に認められる成功体験を経ている
⑦組織の仕組みに精通している
⑧ビジネス一般について十分な教養を持っている
⑨全社レベルで物事のプライオリティーを理解できる
⑩タスクをロジカルに分解できる
相手にとって適切な粒度で指示を出せる -
Posted by ブクログ
とても興味深く読むことができた。
課長とは、管理職の最下層で以下を実施するポジション
1.予算管理の実質責任者
2.経営者と直接話ができる
3.法的に管理職として認知される
4.部下の人事査定を行う
経営者よりも距離が近く、リーダー兼マネージャーとして一人一人の社員を気にかけ利害を調整するとともにモチベーションを高め、成果を上げることが求められる。
経営情報と現場情報の2つを把握しキーパーソン足り得る存在。
課長の立ち振る舞いとして、オペラント条件づけによるルーティンワークの教え込みと例外対応・事業機会を発見する仕組みを作り上げる。
また仕事に限らず趣味でも遊びでも好きになるためには『成長の実感』が不可欠。ゲームもそうであるが、楽しいことの背景には人間の成長があると認識しておく必要がある。
面と向かっての会話、おしゃべりで得られるのは、熱を感じ取れること。
そして眉毛を動かすアイブローフラッシュで感情を伝えうることも留意する。
興味深いのはもう一つ
人には、壁に掛けられた絵が傾いていれば、誰も見ていなくともそれを真っすぐに直すという性質が、ほぼ例外なく備わっているということ。
確かに…と思う。
キーワード
地域包括支援センター
身体介護には出来る限り手を出さない
デカルト『困難は分割せよ』 -
Posted by ブクログ
ネタバレ何冊か課長本を読んだが自分の課長像としっくりく合致する本だった。何度も読んで身につけようと思う。
・モチベーション管理が一番大切な仕事
・新しい人事制度では課長は昔ながらの家族的な方法で部下をまとめると同時に、昔以上の厳しい成果が求められる。
・非合理の塊である人間のニーズは合理的な思考からだけでは決して読みきれない。
・部下の失敗は課長の失敗
・できれば全ての部下に高い評価を与える
・秘密の共有を通してキーマンと繋がる
・男性は職場の女性に「最近元気がなくなったな」と思う人がいたらすぐに教えてもらう様にお願いしておく。
・自分たちの仕事には社会的な意義があることを語りつなげなければならない
-
Posted by ブクログ
新任マネージャーのバイブル。知らないことが多く、よい学びになった。もっと早く読んでおけば良かった。
課長として部下のモチベーション管理が最も大切な仕事であることに納得した。顧客第一主義という価値観を軸に部下とコミュニケーションを取り、新旧世代を問わず顧客を大切にする気持ちが鍵になる。
現代における仕事とは、所属企業の時価総額(企業価値)を上げることが本質だという指摘も印象的だった。一方で、予算が実現できない場合は、早急に上司や関係者へ報告することの重要性が強調されている。
怒りの表現にも要注意で、怒りに任せた発言やSNSでの不適切な発言が険悪なムードを生む危険性についても具体的に触れられていた。文章は誤解を生みやすいコミュニケーションツールであるため、冷静でクールな表現が求められる。
部下を昇進させる際、イエスマンではなく、本物を選ぶことが重要。会社の利害を考え、従業員を幸せにできる人材を見極めるべきだという考えは、意外だった。
高齢化時代において、定年後も通用するスキルを磨く必要性について書かれており、将来を考えさせられる一冊だった。
-
Posted by ブクログ
**勉強になった箇所**
1. 日本においては2025年が介護問題の爆発の年となります。2025年問題、大介護時代の到来です。
2. ビジネスケアラーとは、働きながら介護をする人、仕事と介護を両立している人という意味です。
3. 東京商工リサーチが民間企業7391社に対して実施した調査では、これから介護離職が増えると回答した企業は5272社、71.3%にもなりました。企業はそれだけ危機感を持っており、介護離職を防止するための施策を考えて実装し始めています。
4. 介護と育児は似ているようで全く違います。介護の方は先が見えません。職場でも相談ができません。
5. 本書は、将来ビジネスケアラーとなる予備軍の方が仕事と介護をうまく両立させ、パフォーマンス低下及び介護離職のリスクを下げるためのノウハウ指針を提示することを目的として執筆されています。
6. 例えば介護のために仕事を辞めてしまった場合、再就職までにかかる期間はどのくらいだと思いますか?この期間として統計的に最多となっているのは1年以上です。男性の38.5%、女性の52.2%。
7. 2018年6月2日に放送されたNHKスペシャル「ミッシングワーカー、働くことを諦めた」では、介護離職などを理由として労働市場への再起ができなくなった人、「ミッシングワーカー」が当時の時点で100万人以上いるという衝撃の事実が明らかにされています。介護離職だけが理由ではない点には注意も必要です。
8. リンゲルマン効果とは、特定の目標を共有する集団のサイズが大きくなるにつれて、集団の構成員1人当たりの能力発揮が劇的に低下するということです。介護の現場においてもこのリンゲルマン効果を観察することが可能です。介護は多くの人が本音では関わりたくないと考えているため、介護の現場におけるリンゲルマン効果は当たり前に見られる現象です。兄弟姉妹や親族の多い家族において、誰が親の介護をするのかという話はトラブルになりやすいテーマです。このテーマではだいたいにおいて特定の1人が主たる介護者として多くの介護負担を引き受けてしまいます。他の兄弟姉妹や親族は自分も介護に貢献すると口は主張したとしてもそこにリンゲルマン効果が起こりやすいことは明らかです。
9. しかし、特に介護が必要になった親を自宅に迎え入れて同居した場合、介護離婚のリスクはかなり高くなります。特に同居している健康な家族がいる場合、生活援助サービス(掃除、洗濯、買い物、調理、病院への付き添いなど)が介護保険では原則として使えなくなることに注意しなければなりません。
10. どうしても一人で同居しての介護をしなければならない場合は、息抜き(レスパイト)を心がける必要があります。上手にストレスを逃がすことができないとかなり危険だからです。ケアマネージャーにレスパイトとなる介護サービスを紹介してもらえば、アレンジしてもらえます。レスパイトは介護に苦しむ人のために、要介護者を一時的に預かってくれる介護サービスの総称です。
11. すぐにわかると思いますが、仕事と介護を両立できているビジネスケアラーは、身体介護や家事を自分でやっていません。実際に訪問サービスとしての入浴解除は(必要な介護の度合いにもよりますが)男性も入れて3人係だったりします。しかもその3人はしっかりとトレーニングを受けたプロです。
12. 例えば、介護における寝具(布団、毛布、枕、マットレス)のクリーニングは、多くの自治体が無料から1000円程度の低価格で提供しているサービスです。また入院時には、パジャマや歯ブラシ、下着といった入院に必要となるものには入院する人の名前をペンで書いて病院に持っていく必要があります。遠方の病院だったりするとこれは大変な負担です。ですから、最近はこうした入院に必要になるものの手配を代行してもらえるサービスが広がってきています(1日あたり700から1000円程度で利用できます)。
13. もう一つは、介護サービスに詳しい人(介護のプロ)に助けてもらうことです。そうした人に介護離職を避けるためにはどのような介護サービスを利用すれば良いのかを相談すれば、かなりの確率で介護離職を避けることに成功できます。具体的には、優秀なケアマネージャーや地域包括支援センターに相談することが必須となります。介護がいかに大変なものであるか、それについては多くの人が直感でも理解していることでしょう。しかし、客観的に見た要介護者の状態が似たようなものであっても、あなた主観的な負担感はあなたの知識の量、武器によって大きく異なるのです。
14. 仕事と介護の両立についてどういう条件があれば従業員が両立しやすいと感じるかを調査(サンプル数594人)した論文があります。この調査では仕事と介護を両立させるために職場に求められるのは3つの要素であることがわかりました。1つ目の要素は意思決定権が分散されている職場であることです。2つ目の要素は自分の仕事をほとんど自分1人で関わることができて、同僚の仕事とは独立しているような職場です。3つ目の要素は目標を与えられていたとしても、それを達成するための中身については自由にして良いような職場であることです。
15. さらに決定的なデータがあります。平日平均2時間以上、休日平均5時間以上を介護のために使ってしまう人は介護離職をするというものです。これは介護離職のボーダーラインであり、本人はもちろん、費用もまたしっかりと認識する必要があります。
16. 最終章となる第3章では、介護そのものからは逃れられないことを覚悟しつつ、それと肯定的に向き合うための指針について考えていきたいと思います。
17. 介護は自立支援である。しかし、自立とは依存先を増やしていくことであると理解すれば、この介護とは自立支援であるという定義もずっと頭に入ってくるはずです。省略。還元すれば、それは大人として自立してきた親をあなたの子供にしてしまうということです。こうして親子関係が逆転した先にあるのは広い意味での虐待です。これが親の幸福追求の邪魔になります。省略。繰り返しになりますが、自立の定義を間違えたまま介護に関わると必ず大きな不幸を生み出してしまいます。
18. 私はこのAさんの実話に触れて、介護とは相手が生きていて良かったと感じられる瞬間の想像だと考えるようになりました。それに成功した時、介護をする側もまたとても幸せな気持ちになれることにも気づきました。
19. 75歳以上の後期高齢者になると、急に介護を必要とする人が増えます。
20. 優れた介護を実施するには、親の人生についてこの細かさ、解像度での情報が必要になります。可能であれば認知症になる前に、そうしたことを親から直接聞けていると理想的です。
21. 残存能力活用の原則は、できないことをケアするのではなく、まだできることを認め評価するという考え方です。デンマークでは手を差し伸べるのではなく、背中に手を回すことが大切とされています。
22. 現実的には介護が始まれば、介護職への道は一旦忘れ、仕事と介護が両立できる環境の整備に集中することも検討して見る必要があります。とにかく仕事だけは、何としても続けないと介護も続けられなくなります。オーディオ落とした退職は良い結果にはなりません。ビジネスケアラーの道を選ぶべきです。であれば介護の必要があるのなら、管理職としてのキャリアではなくむしろスペシャリストとしてのキャリアを考えていく必要もあるでしょう。
23. 親の介護は、そんなまったりとした充実した日常をある日突然破壊してしまいます。漫然といつかは介護することになるのかな、などと納期に考えてきたことが一気にシビアな現実となります。
-
Posted by ブクログ
生物進化論・人類史と共にリーダーシップの変遷について解説した一冊。トピックは哲学や認知心理学にまで及び、著者の知識の広さがうかがえるジャンルレスな本で個人的に好みだった。
技術的・概念的シンギュラリティが蓄積されていくにつれて、生物の組織(特に人間の)は新たな属性を備えるようになる。その組織に求められるリーダーシップの属性も変化していく。つまり多様化する組織に合わせてリーダーシップも多様化していくべきで、そこで起こるのは置き換えではなく使い分けである、というのが正しい理解かと感じた。
リーダーシップの進化に迫る、というよりは人類が現代に至るまでに経験してきた特異点をコンパクトにまとめることをテーマにした本かと思う。最終章の人工知能の暴走への警鐘も一読に値する内容。自分の知識がまだまだ足りないことを久々に痛感させられた良い一冊だった。 -
Posted by ブクログ
マネージャーだったころを思い出し、自らに何が足りなかったのか洗い出したくて手に取った。
今は育休中で、仕事から離れて随分と経つ。
まず本書は、ウィットに富んだ言葉選びの素晴らしい本だった。
示唆に富んで唸り読み返す部分もあれば、頷きながらするすると理解できる部分もある。
うまく表現できないが、人を安心させ導く上司の言葉遣いとして、参考になる本だと感じた。
課長と部下の間に予想以上にウェットな人間関係を求めることに驚いた。
「課長は、マネージャーとリーダーの両方の素質が求められる管理職の中で、どちらかと言えばマネージャー寄り」とのことで、本書の前半はマネージャーに必要な素質の解説に終始した印象だ。
マネージャーは部下を出発点とする。
部下が成功できるよう目標を立てる。
リーダーの出発点は自分が立てる未来のイメージ。未来に向けて周りを巻き込む。
課長に必要な8つのスキルが挙げられていて、そのうち、以下2つは特に私に足りていなかったと思う。
•チームのストレスを適度な状態に管理すること
•楽しく没頭できるように仕事をアレンジすること
暇な時期に未来への投資をすることを習慣づけさせたかったけど、結局部下を遊ばせてしまった。
暇な時期は暇だったし、忙しい時期は忙しかった。
メリハリつきすぎていたし、それがアウトオブコントロールだった。
今後の課題だ。
○印象に残った言葉
生き残るのは変化できる物(ダーウィン)
困難は分割せよ(デカルト)
適切な粒度の指示を出す
測定できないことは管理できない
少なくとも2つの分野について、組織内で専門家と言えるレベルにある -
Posted by ブクログ
ネタバレこりゃすごい。こんな中間管理職の本が欲しかった、という一冊。教科書の名に相応しい。
そろそろ、中間管理職かな…というビジネスマンはもちろん、うちのボスってどうなんだろう?という若手のビジネスパーソンにも。
"ただ一度の人生を生きた証は、自分が「存在する世界」と「存在しない世界」の「差分」でしか表現できない"という表現はよかった。誰の仕事も、他の誰でも代替可能(そしてそうあるべき)という考え方は確かにある意味では正論なのだが、そこにはどうしても一抹の寂しさが付きまとう。
部下を動かすには外発的動機付けではなく内発的動機付け(モチベーション)が大切だという話はよくわかる。この時代、部下だけでなく代理店などのビジネスパートナーもそうだ。金銭的インセンティブや叱責だけではそもそももう人は動かせない。モチベーションを上げるだけでなく、「維持する」ことの大事さは、DJがフロアの雰囲気を生み出す感覚と似ているのだろう。
仕事においては各々の役割は「機能」として捉えられがちだが、こと管理職においては部下を「機能」ではなく「一個人」として捉えなければならないことが言及されている。これは経験論でも、やはり一個人として認証されている組織というものは温かみがあるように感じられる。
部下と上司の異なるサウンドを調整する機能としての中間管理職。これは本社と支店をつなぐ窓口担当者の視点にも通じるだろう。
「共通する価値観」で組織がまとまるためには、やはり「顧客第一主義」が最も最大公約数的な価値観。個々人の属性や情報にフォーカスするよりも、組織の使命をもとに進めていくのが良いのだろう。
叱る場合は、人影でこっそり。この辺りのアンガーマネジメント技術が求められるのだろう。ミスは繰り返さなければ(規模にもよるが)大した問題ではない。「同じミスを繰り返さない工夫」を部下に考えてもらうことが有効。敵は至る所で褒めるというのも政治的テクニック。
数値目標は、嘘にならないレベルで悲観的な視点で立てること。また、全ての数値目標について説得力のあるストーリーを用意すること。予算立てをこれまで実務レベルで行ってこなかったことを考えると、非常に参考になる。
エース級の人材はある程度自由にやらせてみる。
自分の負けパターンを知り、負けパターンに陥らないよう細心の注意を払うという考え方は非常にためになる。マイクタイソン(か誰か)も「勝つことよりも負けないことが大切だ」と言っていたような。世の中に多い負けパターンは「怒りの表現」「無知の無知」。自分がこの2点の負けパターンに陥っていないか、ウィークリーでチェックしてもいいかも。
読書価値を言い得て妙に表現しているところもすごい。読書は、圧縮された文字情報を解答して脳内で広く展開していく営み。干し椎茸を水やお湯で戻すようなもの。活字は動画や音声ファイルと比べて、情報が圧倒的に凝縮されているので、情報習得効率が非常に良い。逆に、展開が得意になると圧縮も得意になるのかもしれない。