大鐘良一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2011年、日本人宇宙飛行士の若田光一さんが、日本人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)のコマンダー(船長)に抜擢され、搭乗までの訓練の様子や選抜の経緯などが詳細に書かれた本。
船長として必要な能力を身に着ける為、様々な課題にぶつかりながらも懸命に取り組み、乗り越えていく姿に、とても勇気づけられます。
リーダーとして強くチームを引っ張る一方で、調和も大切に、相手の立場も思いやる。若田さんならではの「和のリーダーシップ」。ある意味、日本人らしいリーダーシップの1つの理想形かもしれないと思えました。若田さんの謙虚で誠実な人柄はNASAの職員達からも非常に人気があるというのも何だか嬉しかったです。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ第1章 選び抜かれた10人の“プロフェッショナル”たち
・宇宙飛行士は人類の代表。
・試験では、人間力;どんなに苦しくとも絶対に諦めない精神力と、他人を思いやりその言葉と行動で人を動かす力があるか が試される
・この人間力は、レベルの差こそあれ、就活生や、ビジネスマンが昇進する際に求められる資質と同じだ
・収入、生活、キャリア、命のリスクを背負う
・面接で緊張するようでは、死の危機で使い物にならない。
・宴会の幹事歴が聞かれるのは面白い。率先して計画する力と周りを楽しませ自分も楽しむパーソナリティは、宇宙飛行士にも求められるとのこと。
・安竹さんの経歴がすごい。(学費はバイト、西→東工大?ソニーから転職してベンチャー)
第2章 “極限のストレス”に耐える力
・最終選抜試験その1(前半)
・強いストレス環境下で試される、リーダーシップとフォロワーシップ(←重要な資質)
・リーダーはフォロワーへの配慮が大事、フォロワーは付いていくだけではダメで言うべきことをきちんと言う。
・ユーモア;人を楽しませる能力
◎ストレスに耐える力、リーダーシップとフォロワーシップ、ユーモア
第3章 “危機”を乗り越える力
・最終選抜試験その1(後半)
・アポロ13号の「成功した失敗」危機を乗り越えて地球に帰還
・問題が起きたときに、当然自分も諦めないし、みんなにも諦めるなと言える人
◎危機を乗り越える力
第4章 NASAで試される“覚悟”
・NASAでの実技・面接試験等
・誰にも人生の物語がある。背景と判断を聞くことでその人の本質が分かる。
・安竹くんのNASAビデオ翻訳ノート;どんなに厳しい条件でも、積み重ねた努力を自信をもって伝えれば、相手の心を動かし、自分のペースで回答ができうる
・娘ちゃんのメッセージに涙が出そうになる
-
Posted by ブクログ
「宇宙飛行士とはどういった職業なのか?」
宇宙飛行士に憧れ、実際に選抜試験を受験もしたことのある筆者が、自身の経験談とともにその後10年間の心の葛藤を記したドキュメンタリー書籍。
【こんな人にオススメ】
・宇宙飛行士という職業に関心のある人
・目標を見失っている人
・チームメイキングに関する書籍を探している人
・漫画「宇宙兄弟」を面白いと思える人
【本書のこの3つが面白い】
①選抜試験のリアリティさ
筆者は実際に受験をして最終試験まで残った方であり、その記述がリアリティに溢れています。
どこでどんな試験が行われ、それに対して筆者が何を感じ、どんな不安に駆られ、どう克服していったかが鮮明に描かれており、読み物としてそもそも面白い。
漫画「宇宙兄弟」とはまた違った視点、より当事者目線で肉迫した受験者の気持ちを垣間見ることができます。
②宇宙飛行士になれなかったという事実
本書を読み進めていくと、文脈から筆者の優秀さやバランス感覚の高さがひしひしと伝わります。
読みながらに「なぜこの人が選抜されなかったのか?」「本当にあと一歩のどころだったんだろうなぁ」と思うほどに。
そんな優秀な方が、あと一歩のところで宇宙飛行士になれないという事実を突きつけられ、ゴールを見失い、脱力し、葛藤した末に思考をピボットし、再起する過程が本当に面白く励まされます。
単なる成功者のサクセスストーリーではなく、「夢を再定義する」という思考の変換がとてもユニークで、実務的であり、タメになりました。
③今時のチームメイキングのリアルが描かれている点
宇宙飛行士選抜試験という特殊な試験だからというのもあるかもしれませんが、選抜試験といういわゆる蹴落としあいの試験であるにも関わらず、それぞれがきちんとサーバントリーダーシップやアサーティブコミュニケーションを発揮し、チームメイキングに寄与しているシーンは、とても面白かったです。
令和のご時世でも十分通用するチームメイキング手法を、10年以上も前に実践しているところに、宇宙飛行士を目指す方々の能力の高さを見て取れました。
【最後に】
決して重たい内容ではなく、かと言って薄いペラペラな内容でもない、適量で楽しめる書籍でした。
通勤通学の電車内で読んだり、隙間時間にパラパラと読みたい、そんな一冊をお探しの方はぜひ読んでみては。 -
Posted by ブクログ
ファイナリスト内山崇さんの『宇宙飛行士選抜試験』を読んだあとにこちらを手に取る。
結果は分かっているけど、宇宙飛行士への夢を叶えようとする10人と一緒にドキドキワクワク。
内山さんの本の夢への熱量とはまた違った、審査する側の評価や解説が冷静でありながらやはり宇宙への夢を持つ人がもつ熱さが感じられ、興味深く読めた。
とんでもない技術と能力、努力に裏打ちされた経験を持つ、強くて魅力たっぷりの誇らしいファイナリストなのに、自分と同じ人間なんだ!と感じられるのが不思議。
リーダーシップ、フォロワーシップなど仕事に活かせそうだなと恐れ多くも参考になった。
どんな時も諦めず、自分と仲間を信じる人間力、私も欲しい。
夢や宇宙っていいなぁ。
今日も夜空を眺めよう! -
Posted by ブクログ
日本人として初めてISS(国際宇宙ステーション)の船長となった若田光一さん。船長として指名されてから実際にISSの任務に就くまでを追ったNHKスペシャルの取材班が、番組で紹介しきれなかった事実などをまとめた本。
アメリカ、ロシアが長らく主導してきた宇宙開発で日本が存在価値を印象付けた日本人ISS船長の若田光一さん。その訓練の日々や、船長に求められる資質、ISSでの日常とは、など様々な側面から現代の宇宙開発の様子を紹介しています。
日本人だからこそ発揮できるリーダーシップとは、「和」を重んじ、相手の立場を慮ってメンバーの能力を最大限に発揮させる環境作りだとおっしゃります。「船長」という響きから一国一城の主という印象を受けますが、実際は地上管制クルーとメンバーの宇宙飛行士との間を取り持つ中間管理職だという例えは民間企業出身の若田さんならではの分析でしょう。
危機管理の手法、組織としてのパフォーマンスを最大化する配慮など、確かにISS船長の役目って中間管理職が担う役目と重なり、日々の仕事にも大変参考になる内容でした。 -
Posted by ブクログ
2013年に放映された「NHKスペシャル 日本人船長(コマンダー)宇宙へ」をベースに、若田光一さんの国際宇宙ステーション(ISS)第39次長期滞在(2014年)で船長を務めるまでの訓練、ISS滞在時の様子等を記録したものである。
NHKでは、2008年に行われた宇宙飛行士選抜試験の様子を、2009年に「NHKスペシャル 宇宙飛行士はこうして生まれた」で放映し、2010年に書籍化しているが、本書はその続編とのことである。私は前著もとても興味深く読んだのであるが、2008年の選抜試験が「世界各国の宇宙飛行士のリーダー(=船長)になれる人材」を求めたもので、昨年ISSでの長期滞在を果たした油井亀美也さん(元航空自衛隊の戦闘機パイロットの隊長)ら3名がそうした観点で選ばれたことは本書で初めて知った。そうした意味では、若田さんがISS船長となるまでの軌跡を記録した本書は、日本人宇宙飛行士全体の歴史の中での続編と言い得るのかも知れない。
そして本書では、若田さん以前にISS船長となった宇宙飛行士38人のうちの大半が、緊急事態対処能力を日頃から鍛えられている(米ロの)軍人パイロットである中で、若田さんが如何にして船長に不可欠と言われるその能力を身に付けたのか、また、若田さん本人が強いこだわりを持っていた「日本人らしい“和”のリーダーシップ」とはどのようなもので、若田さんはそれを如何に発揮したのか等が描かれ、著者の狙った上達論として十分な魅力がある。
加えて、NASAとの交渉を経て初めて可能となったISSや宇宙飛行士たちの世界に関しても多くが記されており、そうした観点からも貴重な記録となっている。
(2016年1月了)