あやめゆうのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ファンタジー小説としてはすこし逸脱とした作品かもしれません。
魔法とかは一切なく、また登場人物たちのほとんどが重度のリアリストです。ライトノベルという位置づけにありますが、べつに文体は軽くありません。あやめ節と編集者コメントであるのですが、まさにその通りで今までに類をみない文体です。しかし、それでいてわかりやすく出来てます。
舞台は妖精郷と称される小国・スシォルロント。
物語の始まりにおいて、主人公とヒロインの出会いはとても大事ですが、この作品は出会いというよりは触れ合いといった方が正しいのかもしれません。
二人が出会って間もなく離れ離れになるのですが、それでも繋がっている、触れ合っている -
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Posted by ブクログ
お伽話の様相を呈した魔法も魔物も出てこないファンタジー。
どちらかといえば淡々とした無機質な感じで進んで行くが、後半にかけてどんどんお伽話が生きて来る。
妖精姫と灰色狼が出揃うところは見所。
好きな文。
妖精は知らない。
自分が他の誰とも溶けあえないことを。誰もが彼女を高みにおき、知らぬ間に空を泳いでいる事など妖精は知らない。
灰色狼もきっと知らない。
この世の何処にも自分の立つ場所が無いことを。大切に磨き上げた牙と爪が、他の誰をも寄せ付けないことを狼は知らない。
二人は似ていた。
たぶん最初の最初から。
独りっきりの灰色狼と、孤独に泳ぐ妖精姫。 -
Posted by ブクログ
・メィル王国の政変により平穏に暮らしていた少女ミルナはわけもわからず逃走を余儀なくされるが、不思議な戦いかたをする少年クロードが彼女を救う。
・前巻の主人公カミナとノルンも登場。相変わらず難民をあっちにやったりこっちにやったり。その目的は? 第一巻のヒロインのリエルとフランデと前巻のヒロインのイセリナも登場、第一巻の主人公レイジはいつ出る?
・クロードは意味なくなんとなくでミルナを助け、ミルナはクロードを人にしようと思い、カミナは自分の報酬は自分で見つけようとし、ノルンはカミナのために生きて死ぬと決めており、妖精姫は自分の目的のために利用できるものはなんでも利用し、彼女と互いに縛り合っているレ -
Posted by ブクログ
・「私にもう少しだけ期待してなさいよ」すべては妖精姫のその言葉から始まった。期待し続ける灰色狼が駆ける。
・「手の長い敵がいる」いったいそれは誰?
・ストレートなライトファンタジーって感じだがその手の中ではよくできてて楽しめる方だろうと思った。上から目線っぽくて恐縮のもの言いだけど。
▼簡単なメモ
【アムルアント・リム・ジーン】貴族の息子。ミズリウルの腹違いの兄。気ぐらいが高い。黒髪。シグリィエルを「リエル」と愛称で呼べる数少ない一人。リエルの婿候補の一人。父コーザリウスは醜男でそれを嫌う母エスティナの影響から父を軽蔑していたが内面と政治的手腕と勤勉さは優れており今ではアムルアントも尊敬し