大須賀覚のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
標準治療、という保険対象の治療が今のところ最善のガン治療。
標準治療と認められるためには様々なテストを乗り越えてようやく認可されるもので、効果として統計的に信頼性が高い。
逆にネットにある標準治療以外の、保険適用外の治療は、一部患者がたまたま治るなどの場合があるかもしれないが、効果があると言えるほど統計的なデータはない。
標準治療はしっかり受けて、その上で追加の治療をどうしていくか。費用を何に使うかは考える必要あり。
何にでもすがりたくなる中で、しっかりと正しい判断することは難しいかもしれないが、そんな時こそ思考停止せずによく考えて、その人の幸福があがる選択をするべきように思う。 -
Posted by ブクログ
本当に丁寧に、分かりやすくがん治療について解説しているなと思った。
炎上しないように、誤解を与えないように、吟味に吟味を重ねて練り上げられた本なのではないか。
そもそも、この本に辿り着きしっかりと内容を把握できる人は怪しげな自費診療や民間療法に騙されないのでは?とも思ったが、その慢心が悪徳医師や業者に付け入られるスキを産むのだなと反省した。
もし自分ががんを発症し心が揺らいだ際、今一度読みたくなる本である。
悪徳業者がビジネスとして民間療法を行うのはまだ分かるが、患者に誤った情報を平気で与える医師はどういう気持ちなのだろう。職業的な倫理観をそこまで欠落できる思考がよく分からない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ医療のことは医療のプロに任せておけば安心、な理由が腑に落ちた。日本の保健医療のシステムすごいな、とあらためて思う。患者さんがエセ情報に騙されないよう、真摯に懇切丁寧に説明してくれているのがひしひし伝わってくる。
保険のきかない高額医療って「効き目があるけどコストがかかりすぎるからまだ承認されない治療」のことだと誤解してました。
「教育レベルと収入が高い地域に住む人ほど、標準治療ではなく代替療法を受けている人の割合が高い」というアメリカの研究報告は興味深い。生兵法は怪我の元ってやつですね。代替療法で近親者をなくされた方には読ませられない…。 -
Posted by ブクログ
本書は、科学的根拠に基づいた「標準治療」の本質を明快に解き明かし、手術・放射線治療・抗がん剤治療がどのように生存率へ寄与するのか、そのエビデンスを示しながら解説します。同時に、科学的根拠の乏しい「怪しいがん治療」がもたらす危険性についても、鋭い視点で警鐘を鳴らします。
さらに、食事やサプリメントといった日常の習慣ががんとどのように関わるのかについても、冷静かつ客観的なデータをもとに考察。健康を意識するあまり過度な制約に縛られるのではなく、無理のない範囲で人生を楽しむことの大切さを、静かに伝えてくれる一冊です。がんと向き合うすべての人に、確かな指針を示してくれるでしょう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・結論、保険適用の標準治療が最高のがん治療
・標準というと平凡な印象だが、最善治療という言い方が正しい
・抗がん剤の副作用の中で吐き気は薬で80%軽減できる。脱毛も頭に冷却器を置くことで医療機器として承認済み。
・抗がん剤の副作用で白血球減少による免疫力低下で感染症が最も重篤。白血球減少に対応する抗生物質、白血球を増やす薬が開発されている。
・抗がん剤治療で重要なことは、副作用を恐れてむやみに抗がん剤を減量しないこと。
・緩和ケアは第四の標準治療であり、がん診断と合わせて早期から取り組むことで、科学的に立証された効果がある。
・先進医療とは、ある程度効果は認められているものの、国が承認して保険