魚柄仁之助のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
戦中のすいとんとか、大根飯のようなものを集めた本かと思ったら、そうではなかった。明治に洋食が入ってきて、魚柄さんによれば、洋食を取り込んでから生まれた日本の和食文化は1950年代ごろに完成していたという。
すき焼き、サンドイッチ、ねぎま鍋など、そのひとつひとつの料理について、家庭料理の変遷を辿ったもの。魚柄さんが収集した膨大な当時の婦人雑誌から、当時のままのレシピなども載せられている。(文庫本なのでとても小さくなってしまって残念、こういう時は電子書籍がいいのかもしれない)さらにはカルピス、のようなものや、玉子チーズ、バナナの皮?おかしなスイーツまで。
ここにある料理は、すべて魚柄さんが実際に調 -
Posted by ブクログ
カレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃが
どれも日本人にとって欠かせない食材や料理で
す。
これらが海外から日本に入ってきたのちに、ど
のような形で日本人に紹介され、どのような歴
史を辿って現在の形になったのか。
当時の料理本のレシピ集などから解き明かしま
す。
餃子は戦後の戦地引揚者が中国で食べたものを
全国に広めたというのが定説ですが、古い料理
本では戦前からその作り方が紹介されているの
が分かります。
肉じゃがも然りです。
東郷平八郎が最初に作ったと言われていますが、
どうやら違うらしいです。
食のルーツを証拠と共に解き明かす一冊です。 -
Posted by ブクログ
タイトルだけ見ると、太平洋戦前から戦後にわたる食糧事情の悪い(困窮していた)時期でも、大衆は食べることに関する工夫を欠かさなかったことを記しているようにも思える。
確かにそのような内容も多く、驚くものもあるが、それ以上に生鮮物の流通手段の変化につれて、それまでは一般には食べられなかったもの、好まれなかったものが大衆化すると同時に、人々の嗜好の移り変わりが描かれている部分が印象に残った。
特にマグロの食べ方の変化が興味深く、今では当たり前だと思われていることが、かつては非常識であったということが、案外身近にもあるということに気付かされる。 -
-
Posted by ブクログ
明治維新以降に入ってきた、中華麺やパスタ。
その調理法を取り入れてみた、うどん料理。
大正期以降の和風な中華麺やパスタの料理。
食への関心と試行錯誤が窺える婦人・主婦向けの雑誌に
掲載された料理100点以上を、レシピどおりに再現し、検証。
・まえがき――麺類の進化と淘汰
第1章 うどんの麺と西洋料理法の合体
第2章 カレーうどんの謎
第3章 和風スパゲティの爆発的進化
第4章 マカロニ類の興亡
第5章 ラーメンのルーツから列島制覇まで
第6章 ソース焼きそばの生存戦略
・あとがき
各章にコラム有り。
それは憧れかもしれない。それは挑戦かもしれない。
明治維新以降、中華料理や西洋料理は高値の花