イイ奴ほど早死にする
その法則は、ある意味、漫画にも当てはまるんじゃないだろうか
この『アンペア』が終わってしまったショックはそれこそ、石沢庸介先生の『忍のＢＡＮ』に匹敵する。もっとも、先に完結したのは、コチラなので、正しくは逆なのだけど
いわゆる、打ち切りの憂き目に遭ってしまった、と考えて良いんだ
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あまりにも、最終回への展開が急すぎて、却って、こちらの腹が据わってしまったくらいだ
それでも最終回を読み終わった後の倦怠感が何気に強くて、これから、週刊少年サンデーを買うのを止めようか、と悩んだくらいだ。まぁ、何だかんだで、未だに定期購読は続けているんだが
まだ、「終わってしまったものは仕方ない」と、自分の中で折り合いを付けられていないのだが、いつまでもウジウジと悩んで、感想を書かないのもファンとして礼を失するな、と思い直し、どうにか、現実と向き合っている
先にも書いたが、最終回までは怒涛の展開。だが、基軸の男女の友情、基盤の“人造人間”ってくらいの個性じゃ、ニンゲンとの絆を結ぶのに支障が出る隔たりには成り得ないって点はブレておらず、最後まで楽しませてもらえた
美月の戦闘力がズバ抜けているからこそ、ほぼ最弱である優太の尽きぬ根性や体を張る覚悟、友達を守ろうとする決意をひっくるめた、人間らしい心の強さが際立たされていた
善と悪の境界線が、思っていた以上にしっかり引かれていないってトコも、じっくり考えさせられた。とどのつまり、正義と相対するのは、異なった正義感の持ち主なんだろう。どちらも言い分が正しい時、結局、人は自分の意地を貫くしかないのだ
どの回もお勧めだが、やはり、私は優太の体の張り方が、今までで最も凄かった第２６話「この手の」を推したい。友情だろうと、恋愛感情だろうと、大事な女を守るために、相手の前に立ちはだかるのであれば、男として、これくらいの無茶はしたいもんだ、と思わされた。もしかすると、この二人は、恋人って関係には変化せず、対等な立場での友情を維持し続けるかもしれない
この台詞を引用に選んだのは、多くある熱い名言の中でも、特に胸を打たれたから。身も蓋もない言い方になるが、一人の人間が成し遂げられる事なんて、たかが知れている。けど、その気になれば、何でも出来るのも事実。自分が守りたいモノは、その手でしっかり守る。その強い心は、一人が道半ばで倒れても、多くの者に受け継がれていく。そうやって、人は長い歴史を紡いできたんだろう 
