大井玄のレビュー一覧

  • 「痴呆老人」は何を見ているか

    Posted by ブクログ

     認知症の患者が文化や環境でその症状が変わるという導入部分はわかりやすかった。日本人もこれからは、認知症になれば、人に迷惑をかけるから、自立性が損なわれると考える人が増えるだろう。
     哲学書だったのですね。難しいはずだ...。

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    2009年10月04日
  • 「痴呆老人」は何を見ているか

    Posted by ブクログ

    著者は臨床医として1979年から「ぼけ老人・寝たきり老人」と呼ばれる人たちを診ることになり、その人々の中では何が起こっているのかを考えるようになる。

    本書はある機関紙の連載として「痴呆症」が「認知症」に変えられる前から始まっていたということと、「「認知症」が用語としてきわめて不完全であることから、必要な場合には「痴呆」を残しました。その最大の理由は、われわれは皆、程度の異なる「痴呆」であるからです」ということからこの題名となった。カバーの折り返しに「終末期を迎え、痴呆状態にある老人たちを通して見えてくる、正常と異常のあいだ、そこに介在する文化と倫理の根源的差異をとらえ、人間がどのように現実を

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    2009年10月04日
  • 「痴呆老人」は何を見ているか

    Posted by ブクログ

    福祉の本だと期待して購入したが、哲学の本だった。本書に収められている、痴呆老人を眺め続けた筆者ならではの視座は、高齢化社会を迎えるにあたって確かに見直すべきものの一つであると思う。ただ、いかんせん文章が冗長で読みにくい上、科学の徒が書いたにしては論理の展開が軽率に過ぎる。面白い論考が載っているだけに、その辺が実に惜しい本だと思う。

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    2009年10月04日