岡康道のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ企画者や代理店で働く者は、「臆病であること」が必要だと結論づけてくれている。どんなに成功体験を得ようとも、賞を取ろうとも、企画者はいつだって(まだ何者にもなれていない今の私と同じ)臆病さを抱えていると、怖くもゾクゾクした。
そして、勝率が例え2割でも、自分のスタンスを貫くこと。自分が作りたくないものは、決して提案しないこと。目の前の仕事と目先の成功を掴もうと、スタンスが崩れてしまいそうになる時、本末転倒であることに立ち返って自分のスタンスを取り戻すと決めた。
ー書籍より引用ー
- 何も発信しない人は、何かを発信する人の何倍何十倍もいる
- 本質は加工されて初めて広告になる
- 自分のスタンスは変えない、勝率は2割
- 握る=言語化されなかった本質的なクライアントの悩みがクリアになる
- 売れるようなプレゼンはマイナス。相手にこちらの考えが、深く浸透していかないことが多い。いい企画は、見れば一目瞭然。
- マイナスや欠点は人に好かれ始めれば個性に変わる
- 個性という言葉は、人にちょっと言えないとか、声を大きくして語るのが憚られるけれど、どうしても止められない習慣
- プロに対しては、ド素人として接すればいい
- 商品が自分に浸透してきったかどうかが大切
- まずは自分の人生を絡めていき、その後、自分を離れて少し遠くから商品と人との関係を凝視しながら企画に仕立てる
- 好きなことをやり、愚かで、罪もない人生、十分ではないか
- ブランド=
- 理由を論理的には説明できないが、どうしてもその商品でなければならないような気がする不思議な力
- その商品の世の中での「たたずまい」
- 臆病であること
- 人のお金でものをつくるという行為は恐ろしい。その恐ろしさを噛みしめられるだけが成功するのではないだろうか -
Posted by ブクログ
競合プレゼンの勝率2割だと~。
元電通の敏腕クリエイティブ4人衆が独立して立ち上げた、17年間ずっと飛ぶ鳥を落とし続けてきたクリエイティブエージェンシーTUGBOATの総大将 岡康道がそう語る。
なぜ、負けるのか?
TUGBOATの広告作りポリシーが敗北に次ぐ敗北を呼ぶそうな。商品と人々の関係性を捉え直して、訴求するべき本質的なものを見つける。そして、そこにフォーカスしたクリエイティブを行なう。その手順に従えば、結果的にオリエンと全く異なる内容になることも度々。たいてい「そんなこと、頼んでましたっけ⁈」という反応が…。その一方で、2割くらいの確率で「おもしろい!」と言ってくれるクライアントと出会う。その2割に賭けて仕事をしていると。確かに広告作りには、クライアントの度量にかかる部分が大きい。企画をイエスと言わない限り、アイデアは陽の目を見ない。クライアントと共謀と言えるぐらいの関係の構築が出来れば、企画は俄然面白さを増す。この共謀とは、これから始まる広告が世間に衝撃をもって迎えられることをワクワクしながら一緒に待っている関係と喝破する。膝を叩いて大いに納得。
250頁の中にはこれまで広告マンとしての歩み、広告ビジネスの現場、広告表現術、広告業界へ目指す若い人への檄、アイデアの引き出しの作り方、メガエージェンシーへの挑戦状…といった、いろんな側面が饒舌に真摯に語られている。
仕事を次世代に引き継ぐとかバトンを渡すなんて、そんな使命感は糞食らえ!拡大の一途をたどるシルバーマーケットの広告作りの担い手は若手ではなくベテランであり、企画の跳躍力は年齢とは関係ない!と50代後半のCMプランナー岡康道はますます意気軒高に語り、咆哮する。大いに元気と勇気をもらえた本。 -
Posted by ブクログ
残念ながら先日亡くなられてしまいました
CMプランナーの岡康道氏と、人気エッセ
イストの小田嶋氏は高校の同級生なのです。
その二人の対談集です。
でも同級生同士の対談なので、思い出話か
らスポーツネタまで、あっちこっちと話が
飛びますが、二人とも世界を見る洞察力が
非常に高いです。
しかも高校生の頃から世間をナナメに見て
いて、流行に流されるわけでもなく、一人
の世界に入り込むのでもなく、歩むべき
人生を歩んできたのだなあと感じます。
当時還暦も越えたお二人ですが、特に小田
嶋氏にはもっともっとこれからも世間を
ナナメ切りしてほしいと願います。 -
Posted by ブクログ
共に都立小石川高校から早稲田大に進学。ひとりは、事の本質を寸鉄釘刺す毒っ気溢れるコラムを主戦場に相田みつをを「便所の神様」(まさに言い得て妙)と称し、時に物議を醸す社会風刺の名コラムニスト小田嶋隆、方や電通クリエィティブ部長の席を辞し、部下3名を引き連れ日本初のクリエィティブエージェンシーを立ち上げる。還暦過ぎても、今なお第一線で活躍するクリエィティブディレクター岡康道。
このふたりが五十路から還暦越え街道へと向かう途上に忍び寄る病・仕事・家族…の「諸問題」に対し、どう立ち向かい、どう対処するかを存分に語り合うふたり。そこに進行役の清野女史が、慈愛にあふれた絶妙なツッコミを入れ、独特のグルーブ感を醸し出す。
さて、その対談内容たるや脱線と蛇行の繰り返し。諸問題解決の一助となるノウハウや指南なんてものは皆無。高校の同級生ふたりの噛み合うような噛み合わないような話に、五十路おっさんの哀しきサガを垣間見、そして提示されたのは諦念と覚悟。
「50代の半分ぐらいは鬱状態」。
「一言多い奴は出世できない」。
「男は、皆んな『猿山』に生きている。定年後でさえ、
心中で『俺は猿山の何番目だ』と値踏みしている」。
「劣等感は勝とうと思うから、「自分は劣っている
のではないか?」と疑念が湧く。それが胸の内に定着
してしまう。『負けたっていいじゃないか…』自分を
許す意識設定が必要」。
そう、五十路の諸問題の処方箋なんてものはないのである。プレゼン上達のようなスキルをもって解決しようと思うのがそもそも間違っている。「それって猿山の中の話ですよ」と諭してもらうのが一番いい。
先日五十路を折り返したばかり。80年代なら定年である。
その頃なら「ハッピーリタイアメント」になれる率高かったんだろうなと思ったりしてると、ついついこれまでの来し方を振り返ってしまった。かつて描いた「“なりたかった自分の将来”」と「実際“なれた自分の現在”」について、しばし沈思黙考。そんな時に出会った本書。
私見だけど、五十路にはびこる諸問題の解決には、とりわけ男はとにかく喋ること、できることなら語り合うことが、最も効果の高い解決策だと信じ込んでる。あの知の哲人 ヘーゲルやキュルケゴールでさえ「弁証法」という対話を重視した。眼前の出世には役には立たないが、人生という時間軸で見れば折々に直面する困難な挫折を乗り超えるチカラになるように思う。『男よ、喋れ!さらば、開かれん!』である。
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Posted by ブクログ
大手広告代理店の電通をやめ、日本初のクリエイティブ・エージェンシーであるタグボートを立ち上げ、数々のヒット広告を手がけてきた岡康道氏による、自身の経験に基づく仕事論。
本書の内容は、広告業界に限らず、クライアントからの依頼を受けて仕事をする場合に参考になることが多いと感じた。特に、本書の冒頭で触れられているオリエンテーション(企業が広告の意図を制作側に説明すること。略してオリエン)の話が興味深かった。広告制作にとって、オリエンが最も重要なプロセスであること、クライアントの本音は(クライアントが言語化できてないがゆえに)しばしば隠されていること、制作側とクライアントとのコミュニケーションの中でクライアントの本音を見出し、広告で解決するための「設問」を発見することが必要であることといったことだ。
一方、全体を通して、自己顕示的な部分や、昔はよかった的な論調が感じられたのが、ちょっと鼻についた。 -
Posted by ブクログ
クリエイティブエージェンシー・タグボート。岡康道氏の考える仕事論。端的に言い表すとつまらないおじさんの話も面白そうに聞く技術者である営業からクリエイティブに移行した氏の話は面白い。その先の日本へ、から大きく変わった、心をざわつかせる仕事論。
(1)クライアントがどんな悩みを抱えているのかを発見する力こそが広告制作者に求められる最も必須な能力。
(2)企画は発想の結果。結果からプロセスは見えない。
本質は加工されて初めて広告になる。
(3)トップと制作者が直接話が出来れば企業の意思がクリアに見えて広告の方向性が定めやすい。
(4)50の法則。年に映画を50本、本も50冊、大好きな横浜BSの試合も50試合。遅れて来た者はこれ位やらないと先に行っている人間に追い付けない。
(5)広告制作に使う想像力はクライアントの為に消費されるべきものだが、広告を離れても他者へ想像を巡らす事こそがぼくたち全員の生きる技術。
(6)今一つ面白くないのかを考え続けていれば、いつか新しい答えに辿り着ける。
強い広告を作るには意表を衝かなくてはならない。それが本質を衝いていなければならない。
(7)青春とは光の速さを超える様な特別な時間軸を、生きる経験である。
(8)世界の報道自由度ランキング(国境なき記者団。2016)では72位の日本。意外と低位。