関岡英之のレビュー一覧

  • TPP 黒い条約

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    7人の著者によるTPPのデメリット、危険性を説く警告書。舌足らずな部分は見受けられるが、論旨自体はそれぞれ納得がいく。TPPは国家間の交渉ではなく、グローバル企業の利益誘導という漠然とした印象は間違っていなかった。

    ・アメリカの「年次改革要望書」(勧告書)は国家の主権の領域に及んでいた。
    ・非関税障壁=規制や制度
    ・国民皆保険制度の空洞化(公的医療保険の給付範囲の縮小)
    ・長谷川三千子:翻訳作業とは翻訳される言語と翻訳先の言語との間で綿密な概念の検討が行われ、双方ともに厳しい知的吟味にさらされる過程である。外来の語彙や概念が触媒となり、土着の文化が活性化され、発展し、多様化していく。
    ・日本

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    2013年09月11日
  • TPP 黒い条約

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    TPPってよくわからないけど、グローバル化が世の中の流れだし、交渉参加賛成!という方はぜひ。

    コメなどの農業分野のみに矮小化されて報道されることが多いTPPだが、米国の狙う本丸は実は「金融」「投資」「医療」。
    これらの分野が開放された場合に私達の生活はどうなるのか?締結された後、知らなかったで済むことなのか?良くなることって果たして・・・

    日本のマスコミには、今後これらの分野に関する具体的でわかりやすい報道を期待してしまう?(=なんで詳しく報道しないのかといぶかってしまう)そんな内容の本です。

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    2013年08月24日
  • 国家の存亡 「平成の開国」が日本を亡ぼす

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     確かに,巷では「『規制』の裏側で甘い蜜を吸い続ける既得権者が…官僚が…」の類の話が焦点化され過ぎてて,規制を緩和・解除することによって国内にどれだけの影響があり,はたまた某国がどれだけの利益を貪ることができるのかといったような議論はあまり表に出てこないような気がする。これも某国のプロパガンダの一環なのか。
     結局,我が国がどうとか言う前に某国の国際戦略が凄過ぎるのだろう。こんなにしてしまって。。。TPP反対派になってしまった。

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    2011年12月10日
  • 国家の存亡 「平成の開国」が日本を亡ぼす

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    ネタバレ

    「拒否できない日本」「奪われる日本」で米国の年次改革要望書の問題を取り上げた作者がTPPを農業、医療を中心に論じた。
    小泉「改革」にこりない日本人はまたTPPという「平成の改革」に乗ってしまうのか。作者は「炭鉱のカナリヤ」よろしく危機を訴える。
    TPPの問題は米国と中国の思惑の中で日本の制度のみならず国土まで切り売りされる危険性をはらんでいるのだ。
    東日本震災で疲弊した日本に迫りくる危機を「世界の趨勢」だとか「バスに乗り遅れるな」といったワンフレーズで甘受してはいけない。

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    2011年06月26日
  • 国家の存亡 「平成の開国」が日本を亡ぼす

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    著者は銀行員を勤めた後、独立した方。4年前の民主党政権時代に書かれた本だが、タイトルがわかりにくかったのでTPPがテーマとは気がつかなかった。TPPはもう妥結してしまったが、国民の代表である国会の批准はこれからだから、まだ読む価値はあるだろうと思った。

    1989年の宇野・ブッシュ会談で合意されて、日米構造協議が2年間行われた。1993年の宮澤・クリントン会談で日米経済包括協議を合意したのを受けて、年次改革要望書が翌94年から開始された。95年からは保険分野の市場開放を目的とした郵政民営化があげられている。民間保険市場は95年に法律が改正されて開放され、2000年前後には9社の中小生命保険会社

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    2018年10月31日
  • TPP 黒い条約

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    安保関連法制よりはよっぽど大事と思われるTPPに関する各識者の反対論

    特に斬新だったのは施 光恒の指摘、以下のものがTPPにより壊されるという
    ①治安の良さ、連帯意識
    ②「ものづくり」を支える文化的基盤
    ③中産階級とその創造性
    ④多様な選択肢

    これだけの識者が反対しながらTPPはとうとう合意されてしまった。どう考えてもPPは日本人にとりデメリットの方が多い気がする。今後、我々はなにをすべきなのか?

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    2015年10月25日
  • TPP 黒い条約

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    それぞれの専門領域の視点からTPPの問題点について触れている。しかしながら,重複部分もあり,いささか読みにくかったのも事実。中野さんの単著のほうが明快でわかりやすい。

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    2013年07月10日
  • TPP 黒い条約

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    1章 中野剛志
    日米同盟と自由貿易について。冷戦終結前後での意味合いの変化。米中関係の変化。

    2章 関岡英之
    日米構造協議、改革要望書に始まるアメリカによる日本の構造改革。

    6章 施光恒
    日本語による近代化の意義、明治日本の近代化における英語による近代化か日本語による近代化かの議論。
    TPPによって壊される日本の良さとは

    7章 柴山桂太
    グローバル化の波。20世紀転換期、第一世界大戦、第二次世界大戦等。
    グローバル化と国家主権の制限

    などが各章のキーワードかな。3、4、5章は知識不足から少し難しかった。他の4人は他の書籍や講演などで背景知識もあり、とても読みやすかった。

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    2013年06月17日
  • 国家の存亡 「平成の開国」が日本を亡ぼす

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    最近もニュースで話題になっているTPP問題に鋭く斬り込んだ、関岡英之の著書。

    中野剛志の「TPP亡国論」もそうだが、本書を読むとTPP賛成派の意見が怒りを通り越して滑稽にすら思える。
    日本の新自由主義者たちの売国ぶりを確認させてもらえるとともに、アメリカという国の国家戦略のすごさにあらためて関心してしまった。

    TPP問題で最大の争点になっている農業だが、アメリカは1960年代から自国の余剰穀物・畜産物を日本に消費させるための、エビデンス作り・農水省への圧力・パン食のPR・外圧などを巧みに合わせながら日本の農業を弱めていったことが分かる。

    TPP締結後、一説によると日本の自給率は40%(現

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    2012年02月11日
  • 国家の存亡 「平成の開国」が日本を亡ぼす

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    『TPPが日本を壊す』(廣宮孝信)『TPP亡国論』(中野剛志)に続いて読んだ3冊目のTPP関連本です。とは言え、「TPP」とタイトルについてないことからも分かる通り、TPPの本と言うよりも安全保障についての本と言った方が適切かもしれません。特に農業と医療については力を入れて解説されていて、非常に参考になりました。
    戦後、「規制緩和」「構造改革」という美名のもとにアメリカにとって都合のいい制度を導入し続け国益を損ね続けてきた日本の歴史を読んでいると暗澹たる気持ちになります。

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    2011年04月25日
  • TPP 黒い条約

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    7名の方々がTPPについて反対の方向で書いているので、合意に至ってしまった現在、どうなっていくのか非常に気になる。
    また、新聞・マスコミが取り上げる内容がいかに偏っているかを改めて認識。一般市民が得られる情報って限られるので、「興味を引くための内容」を掲載するのではなく、「国民が知っておくべき内容」を載せて欲しいものです。

    個人的には、
    ・施 光恒さんの「棲み分け型の多文化共生」という考えが好き。
    各国、各地域毎にそれぞれ自前のやり方があり、それらを尊重しながら、各国と交流する。良いところは積極的に学んで自国に合うように翻訳して還元する。
    ・やはり「日本良さって何だろう?」ともう一度考え直し

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    2015年12月31日
  • TPP 黒い条約

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    衰退するアメリカ。そのアメリカ依存から抜けられない日本。この構図のなかで、いま、アメリカが日本を徹底的に搾取しようとしている。それがTPPの正体だ。TPPが日本の成長を助ける自由貿易協定だというのは真っ赤な嘘。99%のわれわれ国民に対して、1%のグローバル企業・超富裕層が仕掛けた罠なのだ。その内実を国民に知らせぬまま条約批准に向かって突き進む政府。黒い条約・TPP締結後の日本はどうなるのか?

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    2013年10月24日