国論を二分するほどのTPP(環太平洋経済連携協定)参加問題。「日本はバスに乗り遅れるな」とマスコミは喧伝し、経済界もメリットは大きいと旗を振る。しかし、日本の市場は、本当に閉ざされているのだろうか。こうした議論もないまま進められるTPP推進論。農業問題だけがクローズアップされているが、医療、投資、労働、金融など、国のかたちを変えるほどの大問題なのだ。果たして、国民は24の幅広い分野で検討されていることを知っているだろうか。事実上、TPPは日米間取引であり、推進の裏には、米国の国家戦略が垣間見える。さらに、その先には中国の陰も見え隠れする。たとえば、日本の民有林(7割、国有林3割)を外国人バイヤーが買うことを手放しで受け入れていいのか。水の確保や安全保障上、重大な問題を孕んでいることが指摘されている。国の存亡にかかわることだけに、国民はそのことを十分知る必要がある。
Posted by ブクログ 2011年12月10日
確かに,巷では「『規制』の裏側で甘い蜜を吸い続ける既得権者が…官僚が…」の類の話が焦点化され過ぎてて,規制を緩和・解除することによって国内にどれだけの影響があり,はたまた某国がどれだけの利益を貪ることができるのかといったような議論はあまり表に出てこないような気がする。これも某国のプロパガンダの一環...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月31日
著者は銀行員を勤めた後、独立した方。4年前の民主党政権時代に書かれた本だが、タイトルがわかりにくかったのでTPPがテーマとは気がつかなかった。TPPはもう妥結してしまったが、国民の代表である国会の批准はこれからだから、まだ読む価値はあるだろうと思った。
1989年の宇野・ブッシュ会談で合意されて、...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年02月11日
最近もニュースで話題になっているTPP問題に鋭く斬り込んだ、関岡英之の著書。
中野剛志の「TPP亡国論」もそうだが、本書を読むとTPP賛成派の意見が怒りを通り越して滑稽にすら思える。
日本の新自由主義者たちの売国ぶりを確認させてもらえるとともに、アメリカという国の国家戦略のすごさにあらためて関心し...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年04月25日
『TPPが日本を壊す』(廣宮孝信)『TPP亡国論』(中野剛志)に続いて読んだ3冊目のTPP関連本です。とは言え、「TPP」とタイトルについてないことからも分かる通り、TPPの本と言うよりも安全保障についての本と言った方が適切かもしれません。特に農業と医療については力を入れて解説されていて、非常に参考...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年06月26日
「拒否できない日本」「奪われる日本」で米国の年次改革要望書の問題を取り上げた作者がTPPを農業、医療を中心に論じた。
小泉「改革」にこりない日本人はまたTPPという「平成の改革」に乗ってしまうのか。作者は「炭鉱のカナリヤ」よろしく危機を訴える。
TPPの問題は米国と中国の思惑の中で日本の制度のみなら...続きを読む