風樹茂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ホームレスな人たちとの直接の触れあいの中から生まれた、まさにこれぞルポ。
上野のホームレスな人たちの実際の生活の様子や性格、ホームレスをとりまく周囲の状況や独特の世界。非常に詳細に書かれています。
この本の随所にちりばめられた、怒りともとれる著者の心情。すごくよく分かる気がします。遊牧民の例を引き合いに出したのは、個人的にはとても興味深かったです。「そうか、遊牧民とホームレスの違いはこういうことだったのか」と、分かりそうで分からなかったことの謎が少しでも解けたような気がします。
ホームレスな人たちに嫌悪感がない人も、ホームレスな人が嫌いな人も、ぜひ読んでみて下さい。 -
Posted by ブクログ
あえて自らが置かれている環境から、やや距離のある世界を見ておく必要があると感じている。その一つの手段として、本書のようなルポを読むことがあろう。『あしたのジョー』で山谷の存在を知ったが、現状はよくわからない。新宿で沖縄の基地問題に関するデモ行進をする山谷の組合の人々を見たが、信念を持ってそのデモに参加しているか疑わしい。こうした断片的な印象にとどまっている山谷について、この現代に実際にあった(ある)悲しさと厳しさが描かれている。例えば、精神病、アルコール中毒、ホームレス、自殺、犯罪は、山谷の悲しい「日常」である。また首都圏の鉄道開発、ビル建設といったインフラ事業は、山谷の住民の労働による部分が
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Posted by ブクログ
私もその一員になるかもしれない
妻子を抱えリストラで失業しホームレス一歩手前になった40歳過ぎの著者の上野公園のホームレスたちとの交流記である。出版は十年ほど前。当時全国で3万余のホームレスがいたらしいが、年間の自殺者数に匹敵するこの人数は現在も減っているとは思われない。ホームレスと言うと髪がぼうぼうで服はボロボロ、神経がズレて自暴自棄的なイメージもあるが、意外とまっとうな普通の人たちが大半である。「元社長、元職人、元教師、元出稼ぎ日系人・・・。戦後日本の経済発展を支えながら、今や社会の片隅に追い払われたホームレスたち。押しが弱いか、おべんちゃらを言えないか、身体が弱いか、年をとりすぎたのか、