鈴木清剛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1998年に出版されてた作品を今年全面改稿したらしいです。私が読んだのは2009バージョン。
就職して3年目にして脱サラした主人公が、服飾やってる友達に巻き込まれて…って話。
自分とは違う人たちに刺激を受けつつ、近くに感じたり、遠くに感じたり。
間に合わなさそうで、ギリギリ間に合ってしまうような小さな可能性、
わたしらの年代の夢とかって段々、
いきなりバカみたいに大きいものではなくて、
小さいリアルな可能性の続きにあるようなものになってくるのかなと思いました。
「また時計を見るとさっきと1分と変わっていない。賢司は時計を何度も見て考え、それから部屋をとびだした。」 -
Posted by ブクログ
わりといい学校を出て、スーツを着ながらコンピューターを華麗に操るプログラマー近田があるとき退社。
むかし親友だった、金髪ピアスにタトゥーも入っている遼一が、3人の仲間と立ち上げたインディーズのファッションブランドに巻き込まれていく。
近田の彼女ユミコや遼一の仲間の椿とカツオ。なんだかどこにも帰れない近田のさまざまな心理描写が、ミシンの刻む8ビートとともに入ってくる。
世界って何だろう。ひとつの世界で生きているけど、自分とは別の世界なんてあるのかないのかよくわからん。
世界の隙間で揺れ動いているような感じって誰にでもあるんだと思う。おれにはない。 けいた