望月護のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ドラッカーのエッセンスが詰まっています。取っ付きにくいイメージのあるドラッカーの理論が分かりやすくまとめてあります。
著書を読んであらためて、お客本位の大切さを感じました。組織が大きくなると会社の内に目が行きがちです。しかし、会社が存続するためには、会社の外からすなわちお客からお金を運んでくるしか方法はありません。お客を創造するというのは、ビジネスにおいて非常に重要なポイントだと思います。
著書の指摘するように、お客第一で考えている企業は確かに利益を生んで優良企業と考えられています。お客第一で考えるので、お客の特徴を把握して良く知っています。お客としては、気心の知れた商品、サービスを使いたくなります。当たり前のことなのですが、それに気付いていない場合がよくあると思います。
ドラッカーは自分も読もうと思ってまだ読めていない積ん読状態の本があるので、この読みやすい新書をキッカケに、ドラッカーを読破してみようと考えました。ドラッカーの理論は、あらゆるビジネスにおいて基本となっていると思います。ドラッカーとしっかり向き合って、自分自身を磨いていければと考えています。
目次
第1章 間違いだらけのマネジメント
第2章 お客軽視が不況を招いた
第3章 ビジネスの基本
第4章 販売前のマーケティング
第5章 お客は満足していない
第6章 お客本位へ
第7章 お客軽視の犯人
第8章 棄てる決断・やめる勇気
第9章 選手交代の時代の主役はあなただ -
Posted by ブクログ
非常に読みやすく解り易い本である。
ただ、実際のドラッカーの著書を読んだことがないのでどれほど
に忠実に要約されているのかは解らない。
結構当たり前のことが書かれているようにも思うが、それが
できない企業が多いということだろう。
著書の中で頻繁に語られているのは企業はつねに「お客本位」で
なければならない事、そのお客にモノを買って貰うには
イノベーションとマーケティングが大事であるという事である。
以下本文より抜粋。
・金融機関の自己勘定取引、同業者間の談合取引、ねずみ講、マルチ商法は、全体のパイを増やしているわけではなく、誰かが
勝って誰かが負けるゼロサムゲームである。
必ず一人負けの被害者が現れる。
・史上空前の一兆円以上の利益を上げたトヨタがベアゼロを
回答し、ヤマト運輸が年功序列賃金をやめて勤務地別の賃金に
変え、賃下げを実施した先見性を見習うべきである。
高い賃金を温存すれば、企業が破綻して失業者が増えるだけで
ある。雇用不安をなくすために労使が協力しあって賃下げを
実現して、まず企業の利益を確保し、企業は消費者が買いたく
なるような製品やサービスを開発するために投資して、消費意欲
を高めることが景気回復の手順である。
・お客の商店が買っているものはレジスターではなく、お店が
繁盛する事だと考えているからライバルを寄せ付けず、売上を
増やしているのである。
・ベンツやレクサスを買っているお客が「輸送手段」に金を払って
いるのではなく、「高級感」に対して金を払っているならば、
ベンツやレクサスの本当のライバルは他のメーカーの高級車では
なく、豪華な別荘やダイヤモンドの指輪である。
・ほとんどの企業が新規のお客を獲得するためにカネをかけて
いるが、有難さに気が付かずに既存のお客を粗末に扱っている。
あるビジネススクールが行った調査によれば、既存のお客に
5%余分にカネをかけるだけで利益が三割から五割増えるという。 -
Posted by ブクログ
●株式会社のしくみを発明したのはオランダ人。世界初の株式会社は1602年にインドネシアでつくられたオランダの東インド会社
多勢の人間が金(資本)を出し合ってリスクを分担し、船長(経営者・企業家)に航海をゆだねる。一人ではできない大きな仕事を行う仕組み
「リスクは小さく、分け前は大きく」が株式会社の仕組みを作った原点
当初は航海が終わる度に1回ごとに分け前を清算して分配していたが、やがて継続的な取引に変わり、事業を続けていくために出資した人間が自分の権利を売買できる流通の仕組みとして、株式を発行して流通させる株式組織の会社を考え出した。
●資本家のいない社会
資本主義経済が発展した結果、投資に必要なカネ(資金)が膨大な金額になり、一人の資産家や資産家の一族が上場企業を所有することは不可能になり、「個人の資本家」はどこにもいなくなった
●企業は成長するに伴って売上が増えていく。売上が増えれば売掛金や在庫も増えるから、運転資金が必ず足りなくなる。さらに投資に必要なカネ(資金)も膨大な金額になる。企業は成長が続く限り常に資金が不足する
●アメリカでは社員とパート社員に差をつけず、経営陣の成功報酬として考え出されたストックオプション(自社株購入権)を与え、日本(スターバックスジャパン)では社員に自社株を持たせた。社員が株をもつことによって会社を大きくしようという意欲を引き出せる
●リーダーとは周囲の人間をやる気にさせて企業を儲けさせ、その結果自分自身も潤う人間のことをいう
★「笑う門には福来る」というが、何よりリーダーは周囲を明るい気持ちにさせることが大切だ。情勢がいかに暗くとも、常に周囲を明るい気持ちにさせることができる人間が本当のリーダーだ
●ヤマト運輸では、上に立つ人間は周囲の人間から評判の良い人を昇進させている
●所詮組織は人間の集団である。集団が納得しない組織が長く栄えることはありえない
●企業の目的はお金をつくることだ
●マイケル・デル
「企業にとってお客は命だが、不思議なことにその大切なお客を尊重している企業はほとんどない。コンピューター業界は昔からのしきたりだといって、お客に業界ルールを押し付けて平然としている。お客が不便を感じていることにまるで関心を払っていない」
「良いものを作れば売れる」という考え方は完全な間違い
●モノが不足していた時代には、生産性を上げることがみんなの役に立った。価格の高い粗悪品を駆逐して、質の良い製品を水道の水と同じように安く作ることが製造業の指名だった。しかし供給力が需要を上回ると、生産性を上げれば上げるほど人間が要らなくなり、価格競争が激しくなった
●お客のわがままをどこまで聞けるか
生産者天国は成り立たなくなり、売り手の都合はまったく通用しなくなった。お客が喜ぶサービスとは、売り手にとって「不便で手間がかかって面倒なこと」である。しかし、利益は手間がかかって面倒なことからしか得られない
●製造部門が強くなりすぎると危険。外部の変化を知らずに「作ったモノが売れるのは当たり前」「売れないのは販売部が弱いからだ」という発想になり、売れない責任を販売部門に押し付ける
売りやすいモノを作ろうとせず、作ったものを売りさばけと言われて、やる気が失せ、販売部門は会社を去っていく
●スリッパ会社と作業着会社
「スリッパの法則」・・・スリッパに履きかえる会社に投資すると儲からない
「作業着の法則」・・・作業着を着ている社長が率いている会社に投資しても儲からない
⇒スリッパに履きかえたり社長が作業着を着て内部に目を光らせている会社は外部志向ではなく内部志向だから。言うまでも無くマネジメント(経営管理)は、外部に対応することが目的であって内部に対応することが目的ではない
●儲からないと言って嘆いている企業に共通していることは、幹部が社内を歩き回っていてお客(得意先)を回っていないことである
●お供を連れてお客を回っても、お客は馴染みの担当者の顔を立てるから、お客からホンネの話を聞きだすことはできない。幹部が連隊を組んでお客を回っている企業の業績は悪い。本当に強い幹部は裏口から一人で入ってくる
●業績が悪化すると部下の怠慢だといって、部下を叱り飛ばす以外に何も手を打てないというのでは幹部は要らない
●業績の不振とは、売上の不振のことであり、販売活動の不振のことである。お客から信頼されていないことなのだ。売れ行き不振の原因は、社内に座って部下の報告を聞いているだけでは分からない
●「マネジメント(経営管理)の根幹は会社をつぶさないことであり、そのために自らお客をつくる活動を行うこと」である。社員の行動を管理することではない。お客をつくる活動を行うために社内を管理しているのである
●社員の行動を管理していれば、お客が増えて儲かるはずだと考えているとしたら大きな間違いである
●お客があるから仕事があり、仕事があるから売上があがり、売上があるから利益があがる。利益を生んでくれるものはお客以外にはない。したがって幹部は絶えず外部の動きに目を光らせていなければならない
●「売上が落ちた時は街に出て、そこに行き交う人を見る。その人たちがどんなものに興味を示すか、どんなものを手にとって見るか観察する。街は情報源であり、羅針盤だ」イトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊
●販売活動を軽視していると、販売部員は自分が行きやすい小さな得意先ばかり回り、大きな得意先、つまり文句を言われる厳しい得意先へはあまり行かない。自分に都合の悪い話は報告せずに握りつぶしてしまうから、販売部員の話を鵜呑みにすることはできない
●なぜ失敗するかと言えば、お客に買ってもらうために必要な二つの基本機能、すなわちイノベーションとマーケティングを無視してモノを作っているからである
●「良いものを安く作る」のではなく、お客が求めているかをつかんで、お客が価値を認めて払う価格をつけ、売ってくれる販売店や販売員にとって売りやすくて儲かる仕組みを作らなければモノは売れない=「売りやすいものを作る」
●儲かっている企業はすべてお客本位、販売重視の企業である。「良いものを作れば売れるはずだ」と言っている製品本位の企業や技術本位の企業は、新技術や新製品を開発しても、商売(事業)を成功させることができない
●日本では労務や総務部門の地位が今でも高いが、欧米ではこういった事務部門は主流ではなくバックオフィス(内部管理業務)と呼ばれている
●粗利益(付加価値)は売上高から外部に払う費用(流通業の場合は仕入高、製造業の場合は製造原価)を差し引いたもののことをいい、会計用語では「売上総利益」と呼んでいる。売上高から外部に払う費用を払って粗利益を出し、さらに粗利益(付加価値)の中から内部費用(人件費や家賃や光熱費などの販売管理費)を支払うと本業の儲けが出る。本業の儲けのことを「営業利益」と呼んでいる
●「営業利益」に本業以外の収入と支出を加除して株主に配当を支払うモトデとなるのが「経常利益」である
●「営業利益」も「経常利益」もそのほとんどを左右するのは粗利益だから、企業は何と言っても「粗利益」を増やさなければならない
●「作ったモノを売る」のではなく、売れる物を開発して、買ってもらうしくみを作ってから、販売活動を行うのが順序である
●イノベーションとは、「儲かっていない活動を、儲かる活動につくりかえること」で、「ものの考え方や仕事の方法を変えることによってお客(得意先)の価値観を変えさせて、お客を満足させて自分も儲けること」をいい、「時代遅れになったり、生産性が低いために儲からなくなった活動を、儲かる活動につくり変えることが根本原理」なのだ。イノベーションとは発明発見のことでもなく、技術を革新することでもなく、技術部門だけが行う活動でもない。新しい付加価値(粗利益)を生み出すために、すべての部門が取り組むべき根本的な活動のことをイノベーションというのである
●ヘンリー・フォードが事業にした自動車という商品は、すでにそれまでつくられていたものだ。しかしフォードは流れ作業によってコストを下げ、大量生産を実現し、大量販売のしくみをつくった。大幅な値下げを行ってお客を満足させて大衆市場を産み出し、安い価格でも儲かる画期的な経営手法を作り上げて、新たに膨大な付加価値をつくりだしたのである
●われわれは現在うまくいっている仕事であっても現状に甘んじることなく、仕事の手順を変えたり、工程を変えたり、人間の組み合わせを変えたり、絶えず組み合わせを変えて、変化をつくり出し、新しい価値をつくり出すことに挑戦していかなければならない
●成果を生み出すために「既存」の知識をいかに有効に適用するかを知るための知識こそが、「マネジメント」である
●マーケティングは「お客の立場に立って買ってもらうことを考える」活動である。販売は「売り手の立場に立って売る」活動である。両者の考え方はまったく正反対だから、マーケティング部門と販売部門を兼任することはできない。マーケティングの最終目標は「販売しなくても売れるようにする」ことである
●販売活動を一括して商社に任せたり、総代理店をつくって丸ごと販売を任せている企業があるが、これほど危険なことはない。商社や総代理店はあくまでも自社の都合に合わせて売っているのであって、メーカーの都合を考えて売ってくれるわけではないからだ。その上販売を他人任せにすれば、最も大事なお客の苦情やお客の欲求(ニーズ)が耳に入らなくなり、お客の動きがまったくわからなくなってしまう
●マネジメントの世界は組織の内部にあるなどということが前提とされてきたために、経営陣は、組織の内部における努力に焦点を合わせるようになってしまった。だが、組織の内部に存在するものは努力だけである。組織の内部で発生するものはコストだけである。成果は、組織の外部にしかありえない
●原価管理や人事管理の理論は山ほどあるが、販売活動と物流活動についての理論的な文献はほとんどない。販売活動と物流活動について理論的な文献が少ないのは、社外を相手にするため活動が複雑で、研究者が合理的に説明することができないからである
●ライバルだと思っている製品やサービスが、本当のライバルであることはめったにない。お客が買っているものは効用だということを考えてみれば当たり前のことだが、なかなか気がつかない
●「新しいものを得るために古いものを捨てる」ことがイノベーションの原理である。いわゆる創造的破壊である
●ジャック・ウェルチは世界の市場で三位以下の事業から撤退して、一位と二位の事業にヒト、モノ、カネを集中した。これが有名な「選択と集中」である。
●「利益は内部にない。利益をもたられてくれるものは外部にある」
ウェルチは組織の中の壁を取り払ってお客志向に文化を変えた。これが「ワークアウト」である
●「問題を解決しても成果は得られない。成果はチャンスを開拓することによって得ることができる」
お客からの苦情や問い合わせの窓口を外部の委託先に任せている企業が多いが、ウェルチは窓口はお客のホンネを聞き出す情報源だと考えた。そこで選り抜きの社員を担当させてサービスセンターを編成し、利益を産む部門と位置付けてプロフィットセンターに変えたのである
●「革新(イノベーション)の戦略の基礎は、死につつあるもの、陳腐化したものを、計画的かつ体系的に捨てることである」