加藤精一のレビュー一覧
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・本当に単純な童話のような物語なので、私のように、仏教の歴史、特に空海の生涯について疎い人が読むと、後の921年、醍醐天皇によって、弘法大師の諡号を賜るほどの僧が書いた本とは思えないかもしれません。
『般若心経秘鍵』に続いて手に取った『三教指帰』は、空海が24歳の時に作成した『聾瞽指帰(ろうこしいき)』を、空海が入唐の際に中国に持参し、本場の学者たちの教えを参考にして(帰国後と推定されるが)序文を改め、韻のふみかたなどを修正して3巻に分け、改名して世にだしたものとのことです。
『密教の聖地 高野山(サンエイ新書)』などによると、『聾瞽指帰』には、18歳で大学に入るも、1年で退学し修行を始め -
Posted by ブクログ
・空海が恵果から教えを受けたのは、たった半年の期間でしたが、1200年経った今でも、語り継がれていることが驚異です。
弘法大師空海の著作を、多くの人々が理解できるようにしたいと、正確な現代語に訳してこられた、加藤精一さんによる『空海入門』。
最澄と空海というかたちで、並べて語られることの多い弘法大師空海ですが、その生涯を知ると、大日如来のお導き、としか言いようのない強運を、時として強引とも言える説得力で引き寄せた人だったんだなぁ~と思います。
恵果から灌頂を受けた教えを更に推し進め、広めていきたい。目的を達成するための影響力を得るためには、時勢を読み権力を味方につけることも必要なの -
Posted by ブクログ
空海の生涯と思想を簡明に解説するとともに、その思想を現代に生かす道について著者自身の考えをつづったエッセイを収録している本です。
本書の「序」には、「高校生諸君にも読んでもらえるような作品にしたいと努力したつもりである」と書かれており(「むすびにかえて」では、それに成功したかどうか疑問であるとしてはいますが)、十住心論の思想を中心にわかりやすいことばで解説がなされています。
一方、後半のエッセイでは、空海の思想の現代的意義についての著者の考えが展開されています。著者は、日本人の信仰のありかたが排他性をもたないことに触れて、そうした宗教的な寛容の態度を、空海の十住心論の思想に通じるものと見て -
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72点。「文の起り、必ず由あり。〜(中略)〜勒して三巻と成して名づけて『三教指帰』と曰う。唯、憤懣の逸気を写せり。誰れか他家の披覧を望まん。」と24歳の空海がどうにもこうにもやみがたい気持ちで仏道に身を捧げる所信を記した、三幕一場構成の戯曲。
自由気ままな生活をしている青年のところに儒教の先生、道教の先生がやってきてそれぞれの教えを説いてるところに、仏教(モデルは本人)の先生がちょまてよ。いやおまえらさ…と大乗仏教の広さと深さを説き、「はい、おまえら全員論破。」で大団円。みな合唱。で幕。。
儒教や道教は仏教と比べると何と一面的でうわべの教えなんでしょう、ガックシ。と恥じ、哀しみまたは笑い…。そ