宮野真生子のレビュー一覧

  • 急に具合が悪くなる

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    余命わずかな哲学者と人類学者の手紙のやり取り。哲学の難しい議論もありつつ、なぜ(how でもwhy でもなくなぜこの人、この私が)この状況にいるのかが問われる。また病人という役割になってしまい、その他の自分が失われる危険について語られる。
    この人の場合、哲学者という立場でのアウトプットを続けることに救われているようだ。でも何も語る手段を持たない一般人はこういう時どうしたらいいの、とも思ったが、人それぞれ病人以外の自分を保ち続けることを模索すべきなのかも。
    冷静で論理的なやり取りの影に、友人としてのLINEや妄想に近い思い入れ、切迫した最期の様子が垣間見られ、感傷を許さない中で友情の深さが心を打

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    2026年03月08日
  • 急に具合が悪くなる

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    お二人とも、文化人類学と哲学を専門的に研究されていた方なので、正直「ええと?」となった部分はあれど、最後は泣きそうになりながら読んだ。
    死、という淵に向かっている宮野さんは、その現実から決して目を逸らそうとせず、磯野さんとのやりとりを通じて、「その時の自分の心」と向き合い、言葉を繋ごうとする。そして磯野さんも。死に向かう宮野さんを見守る自分と向き合い言葉を繋げる。宮野さんの余命宣告がなければ、決して紡がれなかった言葉たちに敬意を払い、その残滓だけでも胸に刻みたいと思った。

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    2026年01月04日
  • 急に具合が悪くなる

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    自らがガンを患う哲学者宮野真生子さんとと文化人類学者磯野真穂さんの、病気になった人(当事者)とその周辺についての往復書簡。
    死というものがあまりにもリアルなとき、当事者とその周りにいる人々に何が起こるのか、それはなぜ起こるのか、違う関係性の作り方はあるのか、みたいなことが書かれている。
    対話の内容として気づきみたいなものももちろんあるけれども、後半になるにつれて宮野さんの具合が本当に悪くなっていって、その時に近づいていくリアルさがある中で、ご本人から綴られる言葉、磯野さんから贈られる言葉の凄みのようなものが印象に残った。
    宮野さんが本当に最後の最後まで本書の校正やチェックなどをしていた様子も描

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    2025年12月23日
  • 急に具合が悪くなる

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    ガンで余命いくばくもない哲学者の宮野さんと、人類学者の磯野さんの往復書簡。互いがキャリアを積んできた哲学や人類学の知見を交えながら、病を抱えて生きることにまつわる偶然と必然や運命論などなど、対話を重ねて行く。この対話、もっといつまでも続いていてほしかった。宮野さん、最期までかっこ良すぎる。磯野さん、ボールを受け止め続けたこと、尊敬します。

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    2025年11月07日
  • 急に具合が悪くなる

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    偶然の出会いから始まった二人が、互いの意思で関係を築いていく姿が印象的だった。

    病気になると、自分自身を「患者」というカテゴリに当てはめ、その枠の中で安心しようとしてしまうことも可能だが宮野さんはそうしなかった。自分は病気ではないものの、どこかで「〇〇な人」という立場に自分を収めてしまっている感覚があり、その折り合いをつけることの難しさを改めて考えさせられた。

    二人のやり取りや距離感がとても自然で温かく、互いを尊重しながら関係を深めていく様子が心に残った本だった。

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    2026年05月13日
  • 急に具合が悪くなる

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    映画化すると聞き、積読になっていたものを急いで読んだ。
    プロジェクトヘイルメアリー然り原作知っておきたいタイプ。

    とにかく「すごいものを読んだ」という気持ちになった。
    あれを読んでこんな激浅な一言でしかまとめることができない自分の語彙力、表現力の無さを恨みたくなる。

    哲学に生きる人が、人類を研究する人が、研究人達が、死を身近なものとして捉えたとき
    こんな発想や考え方になるんだなというのを見せて頂いたような感じがした。
    哲学者や人類学者の引用もよく出てくるのだけれど、理解・共感できるものもあれば
    私の知識では全く解釈が難しいものもあった。
    往復書簡の中でこんな重厚感のあるやり取りをしてた

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    2026年04月28日
  • 急に具合が悪くなる

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    ネタバレ

    【目次】
    1便 急に具合が悪くなる
    2便 何がいまを照らすのか
    3便 四連敗と代替療法
    4便 周造さん
    5便 不運と妖術
    6便 転換とか、飛躍とか
    7便 「お大事に」が使えない
    8便 エースの仕事
    9便 世界を抜けてラインを描け!
    10便 ほんとうに、急に具合が悪くなる

    がんの転移により死に直面しながら生きる哲学者と、人類学者の往復書簡。
    ほとんど交流がなくても、なぜか通じる人というのはいる。言葉を大事にする二人が、言葉を紡ぎ続ける。約束は相手への信頼。二人の出会いは僥倖かもしれない。

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    2026年02月12日
  • 急に具合が悪くなる

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    病に面した哲学者、宮野真生子と人類学者、磯野真穂の往復書簡。人は何のために生まれ、どう生きるのか、どう死んでいくのか、人間の根源的な問いと答えが、死を前にした2人によって深く語られて行く。どんどん難しくなって行く2人の問答は、正直ついていけないところもあったが、2人が魂の奥深いところで言葉を紡いでいる迫力に押されながら読み進めた。
    印象に残っている表現は、
    ガンになったのは不運ではあるが不幸ではない。不運は点であり、不幸は線である。不運をどのような線に伸ばして行くかが大事
    というところ。

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    2025年12月22日
  • 急に具合が悪くなる

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    宮野さんは患者という役割になることなく、磯野さんは患者として接することもなく、お互いに真剣に相対する関係がうらやましい(とはいえ、そうなりたいという羨望の意味はなく)と感じた。
    正直、抽象的なところは良く分からなかったけれど、誰かと出会う、つながる、ということを改めて考えてみたり。


    印象に残ったところは以下
    ・選ぶとは
    それはあなたが決めたことだから、ではなく、選び、決めたことの先で「自分」という存在が産まれてくる。
    選択とは偶然を許容する行為で、選択において決断されるのは、当該の事柄でなく、不確定性/偶然性を含んだ事柄に対応する自己の生き方。
    偶然を受け止めるなかでこそ自己と呼ぶに値する

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    2025年11月24日
  • 急に具合が悪くなる

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    往復書簡というかたちで展開される、哲学者の宮野真生子と人類学者の磯野真穂のやりとり。

    毎回のお手紙のタイトルのユーモアがよい。

    主治医に今後の治療方針について「もし先生(の家族)が同じ状態だったらどうするか」
    という質問を投げかける母親に、それはルール違反だと腹を立てる宮野真生子は、医者にとって良い患者。聞きたくなる質問ですよね、これ。医者としての意見じゃなくて、一人の人間として主治医に。

    専門セクター(医者)、民間セクター(家族や友人)、民俗セクター(代替療法)の間で振り回される患者は、身の回りでも見たことがある。これは自分の身に起きた時ぜひとも思い出したい。

    病気になったことは不運

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    2026年02月12日