富田正文のレビュー一覧

  • 新訂 福翁自伝

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    ネタバレ

    本書で興味をもった点は3点。

    ①目的なしの勉強
    ここでは目的を持たずして勉強したことこそ仕合せであったと述べている。何々を成し遂げたいが故に勉強に励んでしまうと却って身構えてしまい修学することができないとのことで、身軽な状態で学ぶからこそ結果が出たとこの時は述べているようだ。

    ②一国の独立は国民の独立心から
    別の本で「国を支えて、国に頼らず」という言葉を福沢伝に付け加えていたが、まさにそのことを福沢自信が述べている。こういった心持を持っていたからこそ、教育者という身分であり続け、政治社会に足を突っ込まなかったようである。

    ③海臨丸での米国航海から
    米国渡航、欧州渡航についての感想を述べて

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    2013年05月05日
  • 新訂 福翁自伝

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    憧れるというか、惚れる。できればもう少し若い時に読んでおけば良かった(現在43)。福沢の独立不羈、血に交じりて赤くならずの姿勢が「至極変化の多い賑やかな」人生に繋がった。あわせて、詳細な後述で維新前後の日本の状況を知ることもできる。「幼少以来の飲酒の歴史」などおもわず微笑んでしまうようなエピソードもあり、ユーモアもあった方なんだなぁと思った。

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    2013年04月04日
  • 新訂 福翁自伝

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    福澤諭吉の自伝。口述したものを速記させ、
    速記の清書に対して、自ら訂正加筆して作られたということです。

    読み物として大変よみやすく、しかも面白い自伝でした。
    特に、前半の学問修行のころの細々とした話は、その時代の雰囲気や、
    福澤諭吉の行動がありのまま描かれているように思いました。

    例えば渡米中、日本人が洋食に慣れないので自分まかないにしたところ、
    アメリカの人はかねて日本人の魚類を好むことをよく知っているので、
    毎日毎日魚を持ってきてくれたという話、(P111)
    ワシントンの子孫はどうしているかと尋ねると、
    冷淡な様子でなんとも思っていないことに驚いた、というのは日本では、
    源頼朝、徳川家

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    2013年03月09日
  • 新訂 福翁自伝

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    授業で読み進めたが、ところどころでしかも授業は半期のため途中まで。
    諭吉が口述筆記させた文だから硬くなくて読みやすい。

    読んだのは始めから留学するあたり。
    お札の顔とはまた違う若い諭吉の顔。
    写真も扉絵に載ってて、授業中は他の写真もスライドで見たけどなかなか濃い顔。
    背が高くてかなり破天荒で、色々塾の仲間と悪さをする。
    金があれば酒を飲む。
    でもすごい勉強してる。
    そりゃ大学も作っちゃうわけですよ。

    全部読破したいと思いながら、いまだ栞は半ば。

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    2019年01月16日
  • 新訂 福翁自伝

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    福沢諭吉の塾生だった頃のワルノリぶりには現代の学生も敵わないでしょう。

    自分の子供には好き放題させ、子供が遊びまわって家の障子を破っても、怒りもしない。
    子供は元気が一番。
    礼儀は大人になってから身に着ければいい。
    勉強なんて、自分からしたくなるまでは、元気に外で遊びまわっていた方がいい。
    特に勉学で子供に厳しくすると、人間が小さく育つ。
    それゆえに明治の学校教育は間違っているという、福沢諭吉の子供の育て方と、学校教育のありかたに賛同します。

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    2016年04月12日
  • 新訂 福翁自伝

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    幕末の時代背景にあまり詳しくないが、説明が多いので読みやふい。偉人である福沢諭吉の禁酒に失敗しタバコに手を出してしまったり、若気の至りの様々な悪戯、意外な特技など人間らしいところにクスッと笑える。福沢諭吉の人生をなぞりながら考え方や信念を知ることができる本。短い項に分かれているので隙間時間にもおすすめ。

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    2023年02月02日
  • 新訂 福翁自伝

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    スイスイ読めて面白いし納得できる。

    とにかく酒を飲みに飲んで、いろいろ言い訳かましながら煙草も吸い始め、
    神社にいたずらしても特に不幸がないやら、偽りの遊女の手紙を仲間に送りつけたり、何せ派手にやってますわ。
    現代の慶應生に通じるものが大いにある。

    その上で勉強熱心なのが凄い。
    それだけ酒を飲んでるけど、塾ではめちゃくちゃ勉強してる。蘭訳が通じないとなるとすぐ英語勉強して、翻訳を生業にしている。必要と思ったらすぐに本気で勉強してる、そこのメリハリの凄まじさが読み取れる。そして必要な勉強(所謂実学)を選んでしている。だからといい、金儲けのためや出世のためではなく、実直に勉強できる環境だったの

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    2020年05月09日
  • 新訂 福翁自伝

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    目下再読中の大作『大菩薩峠』の中で維新時の最大の巨人的評価を受けているのを読んで本作をほんと久方ぶりに手に取る。
    正直まぁそんなに面白い本ではありませんな、解題にも書かれてますがちょっと清廉過ぎるし。まぁ相当な酒好きとかおっと思わせる箇所は多々あるものの、この手の本に期待する無茶苦茶感がほとんどないからねぇ。
    唯この本の重要性は、これまた後記にも書かれてますが、これほどの人物であっても世に蔓延る偏見・時代の制約からは逃れられないという深い現実。こういうのを読むとアリの凄さが際立つんだよなぁ、、、

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    2016年06月23日
  • 新訂 福翁自伝

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    ネタバレ

    福沢諭吉も、若い書生時代には中々DQNなことをやっていたようで。
    反封建主義の姿勢には共感を覚える。

    「私は毎度このことを思い出し、封建の門閥制度を憤ると共に、亡父の心事を察して独り泣くことがあります。私のために門閥制度は親の敵で御座る。」(14頁)

    「日本の不文不明の奴らが殻威張りして攘夷論が盛んになればなるほど、日本の国力は段々弱くなるだけの話で、しまいには如何いうようになり果てるだろうかと思って、実に情けなくなりました。」(134頁)

    慶応は寄付金が多いらしいが、これは当初からの塾の校風を受け継ぐものなんだろうな。214頁参照。

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    2015年07月05日
  • 新訂 福翁自伝

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    福沢諭吉の生涯が記載されている本で、レビューでは絶賛されているものの、個人的にはそこまで深い感銘は得られなかった。しかし、ある一つの時代を生きた者、学問・貿易の基礎を築いたものの一生としては興味深いものがあった。

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    2014年02月15日