佐藤香苗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
夜間保育園に内定した保育士が、そこに通う子供と親と関わりながら成長していく話。
夜間保育園には縁がない状況ではあったが、存在自体は知っていたのでどんな人が使っているのか気になっていた。
まず思い浮かぶのは夜の接客業だが、それ以外にも深夜遅くまで仕事をしている夫婦やシフト制で働いてる夫婦なども使っているんだなと知った。
夜間であれ昼間であれ、働く親を支えるという目的は同じであり、保育士の立場からの子供への思いと、親の立場からの子供への思いでそれぞれ見えないことがあることを描いていて、色んな形での愛があるなと感じた。
親ではなく子供が親を無償で愛す、と最近聞いたが、まさにその通りで、逆に親は愛したいという気持ちと、愛するために超えるハードルやプレッシャー(養っていけるか、体力があるか、)があるなと感じた。子育ては可愛いだけではない。でも親も親なりにベストを探そうと頑張っている。
そんなことを考えさせられた本だった。 -
Posted by ブクログ
菰野江名さん、3作目。
今作の舞台は「つづきの保育園」私立の認可保育園です。夜間のお泊り保育もしている24時間体制の所です。
主人公は、この保育園に勤務する保育士・内海文乃・29歳の女性です。
彼女が子どもたちと関わり保育をしていくなかで保護者の事情、子供たちの頑張り、保育事情・子育て事情、保育士の頑張り、温かさと様々な事が描かれていました。
24時間体制で子どもを預かる「つづきの保育園」
子どものためではなくて保護者のための保育園
なるほどな〜、そうなんだな〜、と再認識しました。
保育現場で働いていらっしゃる保育士さん、様々なハプニングもあってご苦労されていると思います。でも、きっと、そんな時でも子どもたちを温かい目でみて、保護者のために頑張っていらっしゃるのだろうと、この作品を読んで知ることが出来ました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夜間でもやっている保育園があることを知らなかった。夜勤の仕事があるってことは、夜に子供を預けなきゃいけない親もいるという当たり前の事に気づけていなかった。
私も子供を保育園に預けているので、先生目線で、保護者ってこんな感じなんだ〜と思った。
認可外の保育園は、親にとっては準備するものとかの負担が少ないけど、場所によっては子供にとって良い環境ではなかったりするのか…。そして、保育料が高いのか!とか、考えてみればそうだよなと思うけど、改めてそんな場所があることを考えさせられた。
「保育園は子どものためではなく、働く親のための施設」みたいなところも、はっとさせられた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夜にうまく眠れない内海文乃は、24時間やってる保育園に保育士として転職し、
そこで出会う子どもたちと保護者と先生方、そしてシングルで育ててくれていた父が亡くなってから後見人としてかかわってきた、父の恋人の杏子さんとの話。
舞台が新宿のど真ん中の保育園(認可)で、
預けに来る親は、夜職の人も多く、泊まりの子どももいる。泊まりは「ほしのこ組」で、朝の7時が限度。
でも迎えにこない親もいたりする。
アシュリーちゃんは夜に何度も目が覚めて夜泣きを繰り返すが、コンビニ深夜バイトを減らしてくれない。
どうにか、アシュリーちゃんを寝かせてあげたい。
橋場祥くんの母が医者で,父が看護師。両方いそがしすぎて、息子の幼稚園のケアがたいへん。今後ますます仕事が忙しくなりそうなので、父親がぱっと預けて、パッと帰れる、荷物もほとんどいらない無認可保育園に転園を考えてるという。ただ、場所によるが無認可保育園の現状は惨憺たる現状がある。本当にそこに入れるのが祥君のためなのか?
真栄城成也の母も朝なかなか迎えにこない。7時を過ぎて、園長が一旦自宅に連れて朝ごはんをたべさせてまた園に戻していたりした。
ある時,本当に迎えにこない。まさか,置き去り・・・?
どうやら、祥くんには兄がいた。祥くんが生まれてすぐに父親の怠慢で幼児の兄はベランダから落ちて死んでしまった。夫婦はその後離婚し、母が祥を育ていた。母は、長男が亡くなった悲しみからまだ抜け出せないでした。次男の成長よりも、長男への想いが強くて・・・・
最後は内海文乃自身のはなし
後見人として育ててくれた杏子さんの元を離れて社会人として暮らしているが月に一度、杏子さんとあったりしていた。そして、杏子さんは文乃と一緒に暮らそうという。
恋人だった父の娘にずっと縛られている杏子さんを解放してあげた方がいいのでは?彼女は自分といると、「恋人の忘形見を育てる私」を演じなくてはいけないのでは?
そんな時、杏子さんから自分の母子手帳を渡された。1歳半の時に亡くなった母の文字。細かく書かれた記録。これをなぜ杏子さんが?
って話です。
新宿の夜間保育園、めちゃ需要がありそう。
と思ったら、無認可の託児所的なものは多々あるらしい。が、中には劣悪でただ預かってるだけ、夜中に泣いたらベッドごと(寝返りもできない保育器みたいなやつ)外の廊下に放り出す、的なところもあったり。
そして法外なお値段。
それでも,預けなくては生きていけない親たちがいて。
認可保育園のルールを守れない親もいて。
親は大変だと思うのと同時に、
親ガチャってあるよなーとも思ってしまった。
-
Posted by ブクログ
新宿で泊まりで子供達を預かるつづきの保育園。
主人公の保育士は昼間に別の保育園で働いていたが、夜うまく眠れなくなり退職し、つづきの保育園に転職する。
夜間働く保護者達の事情はそれぞれに違うが、変わった人たちではなく、普通に現代社会にいる人達。
保育士の立場から子供のことを考えると親に要求したいことが出てくる。しかし、園は親の気持ちに静かに寄り添っている。
保育だけでなく、支援をする上での、限界や正論と支えたい気持ち、その両者で揺れ動く支援者が抱える葛藤が上手く描かれていた。
でてくる登場人物がみなチャーミングで、圧倒的な現実、子育てをする大変さを風穴を開けてくれる。読めて良かった。
私も時に眠れないことがあるので本に寄り添ってもらいました。作者の他の作品も読みたい! -
Posted by ブクログ
新宿の24時間営業の認可保育園『つづきの保育園』に勤め始めた文乃の視点から描き出される人間模様の物語。
わたし自身、子供を24時間ではないが保育園に預けて働いた経験がある。「保育園」は親が働いている間、子供を世話してもらえる、『子供のための』施設だと思っていた。
が、それは偏った見方だった。利用していた側なのに。
つづきの保育園の園長は言う。「別に子育てしている人みんながみんな、子ども第一の生活をしているわけじゃないと思うよ」「子どもファーストって押し付けられがちだけれど、全然そんな必要ないんだよ。そもそも保育園は、子どもを育てるための場所じゃなくて、大人が働くために利用するところなんだから。僕は大人ファースト推奨だよ」
目から鱗だった。