Adoのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
Adoの幼少期から直近のワールドツアーまでの半生を描いたノンフィクション小説。なぜこの若さで半生記なのだろうと思ったが、幼少期から思春期にかけての挫折、(本人の真面目な性格が理由だと思うが)そこからくる徹底的な自己否定、自己嫌悪の段階を経て、アーティストに成るという憧れの夢をかなえ、順風満帆と思える充実した活動を行っている現在、過去の「自分」とこれからの「Adoと自分」の在り方をどうしても見つめ直してみたかったのだと思う。
2026年8月現在23歳の若い女性が10代の頃の失意の日々について語るというのは、記憶というにはほんの最近の生々しい現実のことであり、とりわけ両親との関係について書くということの、生傷に触れるような痛みや辛さは想像にあまりあるが、それでもここで区切りをつけようとしたのは、Adoという人が「これこれこうだったから、こうでなければいけない」という「筋を通す」人だったからのように思う。夢を現実にかなえ成功までおさめながら、いまだにライブのMCなどで「自信がない」「自分を好きになれない」とネガティブな発言が多いのだが、自分の周囲のあらゆる悪いことを自分が原因であるかのように自分を責め続けて生きてしまうと、自分の今後の人生の目標にわざわざ「自愛」を掲げてまで取り組まないといけないのだという、その困難さを思い知る。彼女が両親(特に父親)との確執や、周囲からの疎外はありながらも、酷いネグレクトやいじめにはどうやら合わずに済んだこと、何よりボカロという居場所を見つけられたこと、そしてまさに盟友としてAdoを生み出した事務所社長千木良卓也氏との出会いという幸運に恵まれたことは心から良かったと思う。これらに恵まれず自分ではどうすることもできないまま人生を潰されていく若い人たちも数多くいることを考えると胸が苦しくなる。
とまれ、何一つうまくできない、自信がないとはいえ、自分や状況を冷静に批判的に見る目を持ち、自信はなくても認めてもらいたい欲求は人並み以上に強く、分不相応なくらいの野望をいだき、歌うことや創造することが好きで好きなことのためなら必要な努力をやり貫き、筋を通すことを信条とした一人の若い女の子が、その彼女という人間に惹かれ彼女に協力した人々とともに、彼女を生き延びたという、これは「自助」の物語の一つなのだと思った。 -
Posted by ブクログ
歌手・Adoの反省を小説調にしたノンフィクション作品。
物語は沢木アオが千木良卓也と出会い、Adoとしてデビューするところから始まる。そこから生まれたときから、小学校・中学校の苦悩や引きこもりの時期、そこでボカロというものに出会い、クローゼットで録音し歌を出したり、スクールに通い音楽の基礎を学んだりと好きなものに出会い邁進していったりと怒涛で濃い人生が描かれていく。各章でのAdoの苦しみやネガティブな感情がダイレクトに生々しく伝わってきて、引き込まれながらも息が詰まるような感覚になりました。毒親な父親との関係性は特に苦しくなりました。父親が自分のことをどう思っているのかが分かった瞬間の場面がつらくなってしまいました。そんなことがあったにもかかわらず、最後の手紙で感謝と自分の想いを伝えていてとても優しい方なんだと思います。
つらい過去があっても前へ進み、歌手として表現を続けていくAdoの強さがとてもかっこよかったです。 -
Posted by ブクログ
Adoさんのことをあんまり詳しくは知らないまま買って読んでみたら、特殊な環境ではあったけれども苦労をたくさんしながらそれでもボカロの素晴らしさに取り憑かれその素晴らしさを広めたいという一心で走ってきた人なんだと初めて知った!!
そしてAdoの夢を本気で受け止めて協力してくれた千木良さんの存在が大きいのだと一冊読んでよくわかった!!まさかのGReeeeNの元マネージャーだったとは!!GReeeeN大好きなのに知らなかった!
凄い才能の持ち主だけれど、その裏では喜怒哀楽を爆発させながら悩み葛藤し苦しんできた過去をたくさん抱えてきていたのだとよくわかった!! -
匿名
購入済み等身大の「Ado」
Ado自身が作詞作曲を手掛けた2度目の曲「ビバリウム」、ファンとしてこの曲をもっと理解できればと思いこの本を購入しました。
両親から溺愛され「プリンセス」だった幼少期、自分と周囲のギャップを強く感じるようになった小学生時代、ボカロとの出会い、両親の不仲、通信制高校とアクターズスクールを両立させる中途で至った歌い手Adoの鮮烈なデビュー…。
ファンと言っても自分は曲やCDを時折買ったりする程度だったのですが、小松さんの筆致でつまびらかに、そして赤裸々に描き出された彼女の人生は、読んでいて思わずポロポロと涙が溢れました。
この本の発売2日後に公開された「ビバリウム」の実写MVでは、今まで明かされなかった彼女の姿が断片的ながらも映し出されています。「自愛」を目標に掲げるAdoが今、繰り返し嫌いと言ってきた自分を少し好きになれた証でもあるかなと、嬉しくなりました。
Adoを知りたい、興味があるという人に、是非ともオススメしたい一冊です。 -
Posted by ブクログ
クローゼットから 世界へ。歌い手・Adoの軌跡と、 心の奥にいる“私”の真実を描く、初めてのノンフィクション小説。
本作は、Ado自らが語った半生をもとに、ベストセラー作家・小松成美が3年に及ぶ取材を重ね書き下ろした小説です。
これまであまり語られてこなかった幼少期から、不登校となった学生時代、救いとなった「歌い手」への挑戦、所属事務所のクラウドナイン代表取締役社長・千木良卓也氏との出会い、そして「Ado」誕生からワールドツアーへの躍進までが余すことなく描かれています。
ビバリウムとは、生き物が住む自然環境を再現した、小さな箱庭のこと。
デビュー前は自宅のクローゼットで録音をしていたことで知られるアーティストが、その箱庭にどのような想いで何を作り出していたのか、本書でしか知りえない「Ado」という一人の少女の物語にぜひご注目ください。
【Adoコメント】
この度、私の人生を描いた小説が発売されます。
自分としては、やっとこの話ができて嬉しい気持ちです。
『うっせぇわ』でメジャーデビューする前の話や、どこでボカロと出会ったのか、どうして歌い手になろうと思ったのか、どうして私は私のことが嫌いなのか……。
これまでAdoとして明かしてこなかったことが、この『ビバリウム』に詰まっています。
クローゼットという箱庭で私が見てきたものを、皆さんにも覗いてもらいたいです。
お姫様のように溺愛されながら成長が遅い自分に悩んだ幼少期、自分の支えだったボカロや絵などを否定されて同級生や先生からいじめられながら自宅のクローゼットの自作スタジオで「歌ってみました動画」を作り「歌い手」を目指していた原点である思春期、「歌い手」という夢を実現するきっかけとなった所属事務所のクラウドナイン代表取締役社長・千木良卓也氏との出会い、そして「Ado」誕生からワールドツアーへの躍進を、「歌い手」デビューやファーストアルバムのリリースなど様々な夢をたゆまぬ努力と周りのスタッフの支えで自信をつけていく中で広がる「歌い手」としての夢、Adoの人生に影を落とした両親との関係、まふまふさんやビリー・アイリッシュなどAdoに影響を与えたアーティストへのリスペクト、ファンへの想い、Adoの楽曲のように生々しくヒリヒリするようなAdoの肉声が文章から伝わるノンフィクション小説。 -
Posted by ブクログ
ネタバレありのままのadoの言葉や思いが書いてあったように思う。「うっせぇわ」をはじめとした楽曲の数々や、ライブやパフォーマンス、SNSでの活動などの裏側をしれた気がする。ニコニコ動画や歌ってみたが好きだった自分からすれば、共感するところも多く、当時の熱を思い出しながら読ませてもらった。
物語として優れた構成や展開とかは用意する必要もなく、ただただadoの思いや歌ってみたへの愛情と敬意、そしてそれを支える人の敏腕さと配慮で話が進んでいく。日常のところどころでadoに触れてきた身としては、あの時、こんな気持ちだったんだな、こんな状況だったんだな、と表と裏が繋がることがやけに感慨深くも感じる。
現実と向き合うのが怖い一人の少女が逃げ込んだ先で自己を形成していく。歌ってみたの化身とも言える彼女の再生のような物語だった。 -
Posted by ブクログ
歌い手Adoの自伝的小説。本名が出てきたけど、どうやらそこは架空の名前だったみたいです。オールナイトニッポン後半放送はしっかり聞いていた私としては(前半は聞いてなくてYouTubeで追えるものは聴きました)、知っていることも多かったけど、家族とのことなどはもっと踏み込んで語られていました。できないことが多く、自己肯定感の低さを常に持っていたこと(今はAdoを自分が認めなきゃ、と頑張っているところが伝わってきます)やどんな学生だったのか、不登校になった中学3年のこと、通信制の高校にして、スクールに通っていた時のこと、クラウドナインの社長、千木良さんとの出会いなど、興味深く読めました。両親との関係は読んでいて辛くなるくらいでしたが、経済的な面含め、周りのサポートでうまくいってくれていたらいいな、と思います。
小5で伝記を読む単元があるのですが、現役スポーツ選手のものなども、勧めることが多く、その中にこれを入れてもいいな、と思いました。ルビなど少ないし長いのですが、子どもは自分が興味あることは頑張って挑戦するので、多分この本に惹かれる、普段あまり本を読まない児童は多いと思います。もちろん、単元にかかわらず、読書のきっかけになれる本だと思いました。自分を肯定できない子にもおすすめです。
小さい時のできないAdoを読んでいると、もしかしてかなり未熟児で生まれたのかなぁと感じました。後、社長の千木良さんは計り知れない大きさを感じました。これからも日本の音楽を独自に発信し続けてほしいです。
私はsyudouファンなのですが、デビュー曲で「うっせえわ」とすりぃの「レディメイド」が残った話を初めて知り、友人でもある二人の曲で競ったのかと印象に残るエピソードを知れて嬉しかったです。 -
Posted by ブクログ
国立競技場のライブに行った。
歌はめちゃくちゃよかったのに、MCが暗い。
とことん暗いし、意味がわからない。
「ボカロってなに?」
その暗さの理由や専門用語の数々が、この本ですべてわかった。
もしかしたら、Adoという人間をかなり理解できる本かもしれない。
というか、「わかってほしい!」と思って書いた本だと思う。
私なりの解釈では、彼女の暗さは根深い。
BIGになった現在でも、中学生のときにクローゼットに籠っていた頃と色合いはほとんど変わっていない。
でも、そのことを理解し、変わろうと凄まじい努力をしている。
自分では変わっていないというが、めちゃくちゃ成長していると思う。
自分のことを未だに嫌いというが、本当は好きになってきていると思う。
それが伝わるから、世の中のネクラな女の子の希望の星になっていると思う。
最後の両親をはじめ、周りの人間への気配りに頭が下がった。あんな父親でもまだ好きなんだ――。
読後、今後のますますのご活躍を願わずにいられなくなった。