アントニイ・バークリーのレビュー一覧

  • 毒入りチョコレート事件

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    クリスティのミス・マープル・シリーズを読み返している関係で、同時代のクラシックをもう一冊と思って読み返す。1964年「カリブ海の殺人」がキャラクター造詣も鮮やかで一編の小説としても十分に読めるのに対し、1930年「牧師館の殺人」はそれほどでもなかった。ほぼ同時代に発表された1929年「毒入りチョコレート事件」も同様で、キャラクター造詣よりも推理の構成に重きを置いた実験小説といった趣きが強い。しかし、この「探偵推理カタログ」とでも言うべき「毒入りチョコレート事件」が純粋な犯罪パズル時代の頂点(というか限界)を示したお陰で、ミステリー小説と言えども徐々に人間描写に重きを置く時代へと移っていくのであ

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    2023年10月22日
  • 毒入りチョコレート事件

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    内容は面白いしキャラクターもはっきりしていて完成度が高く、名作と言われるだけあると思う。多重推理という構成も好み。
    ただし昔のイギリスミステリー翻訳によくある、言い回しの冗長さだけはどうしても読みにくく、好きになれない。

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    2023年08月19日
  • 毒入りチョコレート事件

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    一つの事件の謎に複数の探偵が推理を披露する「多重解決」型のミステリー。なかなか興味深いつくりだったが、作中の探偵たちの「男/女はAだからBである/ではない」といった発想には辟易した。

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    2023年04月22日
  • 毒入りチョコレート事件

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     毒の仕込まれたチョコレート製品を食べてしまった夫妻。夫は一命を取り止めるも夫人は死亡、しかもそのチョコレートは夫妻とは違う人物に贈られた代物だった。迷宮入り寸前警察が助けを求めたのは「犯罪研究会」の面々、斯くして風変わりな面々の推理合戦が始まった。


     推理合戦ものの祖という古典中の古典。推理合戦といえば「ミステリーアリーナ」や「聯愁殺」など素人探偵たちが独自勝手に推理を披露しながら真相に進んでいく形式。本作は素人探偵ながら警察以上の捜査能力や人脈を見せつけ、迷宮入り寸前の事件のはずなのに新事実が出てくる出てくる。登場人物は被害者も含め貴人が多く、端々にお硬い感じが見られる。

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    2023年03月01日
  • 毒入りチョコレート事件

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    1つの事件を複数の登場人物が推理するっていう、古典部シリーズや漫画のQEDでも似たような話があったけどその辺の元ネタ。

    翻訳がイマイチで読みにくいしトリックが凄い作品でもないけれど、オチが上手い。面白かった。

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    2022年12月28日
  • 毒入りチョコレート事件

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    毒入りのチョコレートを食べて死亡するという一見シンプルな事件について、「犯罪研究会」の6人が調査、推理をして順番に発表していく。発表されるたびに新たな事実が発覚し、事件の様相が変わっていく。

    最後には犯人(と思しく人物)は判明するが、明記はされていないので、まだ他の解釈をする余地も残されている。実際、『ジェゼベルの死』の著者、クリスチアナ・ブランドは「『毒入りチョコレート事件』第七の解答」を書いている。

    イギリスの作家らしく、皮肉っぽい文章が随所にみられる。(作者は女性蔑視の傾向があったらしい)

    「こうして誰を憚ることもなく正々堂々と愛し合って、ベンディックス夫妻は現代の第八の奇跡、幸福

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    2022年09月03日
  • 毒入りチョコレート事件

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    6人の人物が各々の推理を発表していく。そしてその推理は各々の特徴を持ち、犯人も違っている。この手法を発明したのはミステリ界においても衝撃だったのではないか。

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    2022年04月09日
  • 毒入りチョコレート事件

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    ネタバレ

    クラブの顔見知り、ユーステス・ペンファーザー卿に届いた箱入りチョコを偶然譲り受けたベンディックス氏。 ところが、大量に食べた彼の妻は死亡し、数粒食べたベンディックス氏はなんとか一命をとりとめる重体に。
    チョコレートにはニトロベンゼンが混入されていた。
    ベストセラー作家のロジャーは名探偵的人物だけで組織された「犯罪研究会」の六人を集め、迷宮入りしそうなこの事件の謎を解くことを提案。
    六人それぞれが推理を披露するが。

    かなり昔、児童向けの本(何かの付録?)で読んだことがあったはずなんだけど、かなりはしょられてたなー。
    1929年作なので、言い回しや当てこすり表現が難解で、ここのところライトな本ば

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    2021年05月11日
  • 毒入りチョコレート事件

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    犯罪研究会の6人が順番に毒入チョコレート殺人事件の犯人を推理していく。訳が私にはまわりくどく感じて、なかなか話に入り込めず、読み終えるのに1週間くらいかかってしまった。一晩に1人ずつ推理を披露していくうちに、だんだんと真相に近づいていき、ドキドキ感はあったものの、面白かった!まではいかず。もし今後別の翻訳が出たらもう一度読んでみたい本ではあるかな。

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    2021年02月27日
  • 毒入りチョコレート事件

    Posted by 読むコレ

    僕も大したミステリ読みではありませんが、確かにこれは斬新。初めて経験する感覚でした。
    名探偵全盛時代の作品でありながら、明確な主役が不在のまま進む展開には驚きを禁じ得ませんでしたが、読み終えてみると、仮説と反証の丁寧な繰り返しは謎解きにかかる模範的思考実験の流れのよう。
    あたかもこの一冊が名探偵の脳内を覗いたものかと錯覚するような作品でした。
    分かり辛い内容で一見さんお断りな雰囲気が難かな。
    読解力が足りない僕は「このネタの伏線ってあったっけ?」と逆転ネタが悉く後出しで加えたものに見えてしまって残念。
    再読必須か。

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    2014年03月14日
  • 毒入りチョコレート事件

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    古典ミステリも読まないとなあと思って手を伸ばした一冊。
    個性的な登場人物が一晩ずつ推理を披露していく形式は結構好み。

    シェリンガムやチタウィックが主人公の別シリーズもあるのですね。
    別名義の「レディに捧げる殺人物語」も読んでみたいかも。
    こちらは日本では漫画化もされているようです。

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    2025年05月28日