戸井十月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1967年10月9日、ボリビアのとある村でひとりの男が死んだ。
その死から30年後の1997年、遺骨は掘り返されでキューバ・
ハバナへ移送され、遺族やかつての盟友たちに迎えられた。
男の名前はエルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ。
チェ・ゲバラと呼んだ方が通りがいいのだろう。アルゼンチンが
生んだ20世紀の伝説のゲリラだ。
若き日のチェ・ゲバラは中古のバイクで南米を旅した。そこで
目にしたのは軍事独裁政権や、アメリカの大資本の下で抑圧
された人々の姿だ。
本書は若き日のゲバラのようにバイクで世界を旅し、ゲバラに
惚れ込んだ著者によるノンフィクション・ノベルズである。
幼少期か -
Posted by ブクログ
フィデル・カストロとともに1959年のキューバ革命を成功させた、伝説の革命家チェ・ゲバラの伝記。
アルゼンチンに生まれ、ブェノスアイレス大学で医学を学びながら、圧政に苦しむ国々の革命に参加して、理想を追い続けたゲバラの39年間の人生は、劇的なものである。
ゲバラは、キューバ革命成功後も、理想主義を貫き、キューバ人として国家の指導者の責務を果たすために時に妥協もせざるを得ないカストロと袂を分かち、他の国の革命に身を投じていくが、このような革命家が他にいただろうか。
ゲバラのそのような信念を記したカストロへの別れの手紙は、心を打つ。「・・・今、世界の他の国が、僕のささやかな力を求めている。君はキュ -
Posted by ブクログ
たくさんの手紙や証言の資料を元に本作は作られたのだと思うが、それを感じさせない当時のチェゲバラのいた世界にそのまま入ってしまいそうな自然な書き方がすごく読みやすかった。
チェゲバラの本であるけど、もうひとりの英雄であるフィデル・カストロの魅力も十分に感じ取ることができた。情熱的で、理知的で、賢明で、人間的で、生まれてから死ぬまで自分を一度も偽ることのなかったチェゲバラという人間の凄さを知ることができた。
そして、チェゲバラとフィデル以外で最も印象に残ったのはボリビア人のフレディ・マエムラ・ウルタード。
拷問を受けても口を割らず、ボリビア人万歳といい正義の為に敵に唾を吐いて銃殺された若干25 -
Posted by ブクログ
アルゼンチンで生を受けボリビアの地に散るまでの39年を追った傑作評伝。
喘息の発作に生涯苦しみながら、劣悪な条件下でのゲリラ闘争を続け、人民の平和を夢見た青年の純粋な行動が、どこまでも爽やかだ。
革命に身を投じる前の学生時代、無鉄砲なバイク旅行で放浪し、悩みながら夢を探し求めるゲバラの姿は青春そのものだ。
ゲリラ闘争に身を投じてからの苛酷の状況下でも、人懐っこい笑顔で同士や人民を魅了したゲバラ。彼の生涯を追ったジャーナリストが、かつての同士や家族に「チェ・ゲバラの最も優れた資質は何だと思いますか」と質問した時、皆、口をそろえて「人を愛する才能です」と答えたという。
彼の残した笑顔が -
Posted by ブクログ
自分の人生に衝撃を与えた一冊。
たまたま本屋で目があって、買ってみたが、読んでみたら、おもしろいのなんの。
チェ・ゲバラの生きざまが簡潔に書かれているが、読み終わった日にはフィデルに傾倒してる自分がいた。いや、むしろ読み終わるとフィデルの魅力を感じざるを得ない。題名はゲバラだが、フィデル・カストロの偉大さが、鳥肌が立つぐらい身にしみる。
まず社会に対するものの見方が変わった。社会的弱者の存在にも関心を向けることができたし、社会の中の矛盾を常に意識できるようになった。
とにかく、この本は私のバイブルである。これを機に、キューバ革命、フィデル、ゲバラ関連の本を読み漁った。今では本気でキュ -
Posted by ブクログ
去る1月10日から公開された映画・・・『チェ 28歳の革命』と『チェ 39歳の手紙』のおかげで、便乗商戦ちゃっかりと、書店の中を、ゲバラやカストロや革命の文字が飛び交っていましたね。
映画の予告編が放映されたり、凝った本屋では、ゲバラやカストロの演説が流されたりで、ゲバラ・ファンの私にとっては、それはそれは思いのほか痛快、あるいは思いっきり気分爽快でした。
ところで、戸井十月が面目一新・面目躍如したのがこの本だった、と私はひとり信じて疑わないのですが、ご本人が聞いたら、お怒りになるかもしれません。
それは違うぜ、それよりもっと前、98年の、宇宙神を信奉するカルト教団を描く『デウス』がある -
Posted by ブクログ
「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」を読んでキューバとゲバラに興味を持って手に取った1冊。一気読みしてしまった。
チェ・ゲバラの一生を本当に細かく(こんな心情までは分からんでしょってとこも多かったけど笑)書いた本。
チェゲバラは如何にしてチェゲバラとなったのか。って煽りがつきそうな本。
・ゲバラってアルゼンチン人なんだ
・喘息持ちはビックリ
・才能はあったが悩み苦労する等身大の人間だったんだ
・カストロの方が凄い人
・髭は蚊や虻に刺されないため、葉巻は虫を寄せ付けないため。あの風貌にもきちんと意味があったんだ
・グランマ号、ヘミングウェイはキューバ人、ロシナンテはドンキホーテの馬 -
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
フィデル・カストロとともに1959年のキューバ革命を成就させ、20世紀最大のゲリラとして、今なお人々の心に残るチェ・ゲバラ。医学を志した学生時代から、圧政に苦しむ人々のためにゲリラ戦士となり、革命成就後、与えられた地位を拒み、新たな解放を目論み南米・ボリビアで67年に殺害されるまでのノンフィクション・ノベル。殺害された地に立った著者の思いを描く。
かっこいいデザインとして認識されているよう事が多いような気がするチェ・ゲバラ。チェってあだ名だって知っていました?口癖で「おい」「やあ」みたいな言葉をつぶやいていてそれが「Che」だったそうで、みずから面白がっ