カルステン・ヘンのレビュー一覧

  • 本と歩く人

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    老舗の小さな書店に勤め、店舗に留まっているのではなく、顧客の注文に応じて、本をリュックに詰め、徒歩で配達して歩く72歳の老人と9歳の女の子の物語です。

    その顧客というのは、夫の暴力、自尊心、文盲の劣等感、修道院の戒律など、みんな何らかの理由から、家の中に閉じ込もっている人たちばかりなので、この顧客たちにとっては、配達される本と、その本を運んで来てくれる老人は、外の世界との接点となっていると同時に、顧客もどんな内容の本を届けてくれるのか楽しみにしています。

    老人はこの仕事に誇りを持ち、街を歩いて顧客の手元に本を届けることを生き甲斐としているのですが、

    ある日、ひょんなことから活発で賢い9歳

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    2025年11月24日
  • 本と歩く人

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    古本屋に勤めるカールは毎日注文された本を配りながら歩く。ある日から9歳の女の子シュシュも一緒に歩くようになる。

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    2025年11月04日
  • 本と歩く人

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    ミニマリストとか、断捨離とか、持ち物を厳選し身軽にするとこは良いことだと思うけど、いつの間にか、関わることさへもそうなってしまったような…

    シャシャという女の子が出てくるのですが、子供だし、みたいな感じで、グイグイ踏み込んでいっても物語に違和感がないんです(^^)
    最後は、私まで抱きしめてもらったような気分になれて。

    日々の生活に疲れている、大切な人さえも断捨離していまいそうな人に読んでもらいたいと思いました。

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    2025年09月12日
  • 本と歩く人

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    原題「Der Buchspaziener」は作中登場人物の造語であり、主人公カールのことでもある。邦題も迷ったそうだ。カールは、基本的には本を配達する人物であり、直訳するなら本の配達人だが、敢えて“本と歩く”と形容したのは、カールの本に対する愛着を込めている。

     老舗の書店市壁門堂に勤めるカール・コルホフは、特定の顧客にそれぞれの嗜好を熟知したうえで、毎晩徒歩で注文の本を届け、感謝されている。カールは顧客たちをひそかに本の世界の住人の名前(ミスター・ダーシー、エフィ・ブリースト、⾧靴下夫人、朗読者、ファウスト博士など→さあ、本のタイトルは何でしょう?)で呼び、自らの暮らす旧市街を本の世界に見

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    2025年08月09日
  • 本と歩く人

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    長年「市壁門書店」で働いていた老書店員カール・コルホフは、顧客に頼まれた本をリュックに入れ、歩いて配達している。
    カールは顧客の本名を覚える代わりに、好きな小説の登場人物の名前を当てはめて記憶していた。
    本の配達に向かっている途中、シャシャと名乗る女の子がカールの前に突然現れ、本の配達に同行したいと伝える。
    カールの顧客の多くは自分の人生に問題を抱え、そこから抜け出す術を見いだせない環境にいた。
    カールが勧める本は顧客を幸せにすることは出来ないと、シャシャは説教じみたことを言う。
    そしてシャシャは自らの小遣いを使って古本屋で安価な本を選び、勝手に顧客にプレゼンをしてしまう。
    シャシャ効果はてき

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    2025年07月30日
  • 本と歩く人

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    読んでてほっとする話というか、すごく優しい内容で、大切に丁寧に読み進めたくなる本でした!

    まだ自分は誰かを想って本を選んだり、プレゼントしたりする経験はした事ないけど、いつか周りの大切な人達に本を選んでプレゼントしてみたいな〜!って凄く思いました

    まだまだ読みたい本は沢山!
    読書欲も刺激されたところで、また次に読む本を探しに行きます。笑

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    2025年07月05日
  • 本と歩く人

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    本を届ける老人が、少女と出会い人生や本との向き合い方を再確認する物語。静かでハートフルな展開で、時折挿入される本の哲学、本の価値といった描写がとても印象に残ります。読書や本が好きな方におすすめしたい素敵な海外文学。

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    2025年06月22日
  • 本と歩く人

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    歩いて本を配達する老いた書店員
    そこに現れた少女シュシュ
    彼女は利発で好奇心旺盛で本が好き
    老人は迷惑がるが少女は気にしない
    何回か一緒に配達するうちに
    一筋縄ではない顧客にうちとけていく

    しかしシュシュの父親の暴力で
    老いた書店員は傷ついてしまう
    おまけに書店を解雇されてしまい
    絶望の中シュシュと父親 個性豊かな顧客が駆けつけ
    新しい希望を見つけて再び本を配達するシュシュと一緒に

    ちょっとメルヘンかな
    でも顧客の生活は現代の社会を反映した有様で考えさせられる

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    2025年11月07日
  • 本と歩く人

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    老書店員カールの世界は、6色の色鉛筆で穏やかに描かれていた。
    しかし出会った少女シャシャの豊富なアイデアで、カールの6色の色鉛筆の世界は、12色になり、24色になり、時には色を失ったり、色鉛筆が折れてしまったりするけれど…シャシャとの出会いで数え切れない程の色鉛筆がカールの世界を描くような、そんなお話しでした。素敵なフレーズに何度も心奪われました。その中の1つがコチラです。「どんな本の中にも誰かが読んでくれると脈を打ち始める心臓がある。読む人と心を通わせるからだ。」

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    2025年09月25日
  • 本と歩く人

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    映画化されているようだけど、本を読んでると映画みたいな映像、空気感が伝わってくる本だった。

    正直、シュシュは苦手だけど映像化を見たら好きになれるかもしれない。

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    2025年08月14日
  • 本と歩く人

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    カールとシャシャのほのかであって熱ーい物語。
    最後にカールが彼女の名前を決めたときこちらが熱ーくなった。

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    2025年07月17日
  • 本と歩く人

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    やさしい空気が流れるお話だが、非常に遠慮がちに現代社会の病や闇を幾重にも指摘している。果たして私がどの程度気が付けたか。ドイツっぽい作風で、エンデの『モモ』を思い出した。私はそんなにドイツの作品を読んでいないし、『モモ』にいたっては大昔にネットであらすじを確認したことがあるだけだけど(笑)。
    ラストは子供の絵本のような終わり方で心がほっこりした。

    私の勘どおり、筆者はドイツ人。この作品はドイツでベストセラーとなり映画化されたらしい。和訳は本作品が初めて。

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    2025年06月21日
  • 本と歩く人

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    現代の本だなあという感じと、ドイツ文学の流れというのか匂いを感じる作品だった。なんだろうなー、エンデ作品とか飛ぶ教室とか思い出す。ドイツというのは子供時代にとっての読書に厚い国な気がする。
    どうなるのか気になって一気に読んだ。作者の本好きの気持ちが盛り込まれた所々の一節一節に共感して楽しめた。

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    2025年10月12日
  • 本と歩く人

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    ネタバレ

    歳を重ねてくると、これまで培ってきた生活環境や慣習、信念や考えに対して、変化は受け入れ難いもの
    確固たる自分に、あからさまなNOは完全拒絶できるも、小さなさざ波のように繰り返し訪れたら、人は変わるだろうか
    カールだけではなく父親や他の登場人物に対しても、思うことがあるが、平穏だった生活から一変、大切なものが一切なくってしまったカールの絶望には、本当に苦しくて胸が痛い

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    2025年08月04日
  • 本と歩く人

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    タイトルの意味は、注文のあった本を歩いて配達している老書店員のこと。彼が訪ねる顧客とのやりとりをメインにした本好きにはたまらない物語だ。途中から彼について回る早熟な少女とのやりとりが楽しい。
    古い時代の話かと思いきや、これは現代の話なのだ。ドイツでも本を読む人は減り、書店は苦境に立たされているようだ。だが彼のやり方はなんの解決策にもなっておらず、店主からは白眼視されている。
    主要な登場人物たちがそれぞれ抱える苦難があり、多少の息苦しさは感じるものの、物語全体を通しての印象は良好だった。

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    2025年06月20日