教員だけでなく、親御さんにもちょっと難しいかもしれないけど読んで欲しいですね。
初めの方の「学校で行われていることは暴力的」っていうあたりは、胸が痛いのですが、教員の自分の経験や、学校教育における改善点など、愛にあふれた本でした。
高校は男子校は「○○高校」だが、女子校は「○○女子高校」と男子校には「男子高校」とつかない。とか全く気づいていなかったです。
以下、ネタバレです。
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・高校は男子校は「○○高校」だが、女子校は「○○女子高校」と男子校には「男子高校」とつかない。(p.10)
・教員は、生徒に恐怖を与え、生徒の自由を奪い、生徒をコントロールするための手段として、様々な暴力を用いていないだろうか(p.21)
・教員は、「成長」を願うが、この成長は教員の価値観で測定されがち。(中略)学校外での「成長」は軽視されがち(p.22)
・男性教員が生徒の心や身体、思考などをコントロールしようとしたとき、体罰に限らず暴力的な手段(大声、バカにする、にらむ、無視するなど)を用いてしまいやすい背景に、男性と暴力の近さがあることは間違いない(p.25)
・子供のこえを聴く、子どもに応答することは、弱い教師の甘い実践に貶められる。それが習慣化されれば、子どもたちは、力関係に敏感になる。できない、わからないと言えなくなり、こえを聞き合って分かりあうことや、関係を結んで協力することを経験できなければ、強い教師に従う家父長制的な価値観が強化され、応答関係や女性を軽視する態度形成が進む(p.57)
加害的な男児の心のほぐしかた
・「人ってされていることを誰かに返しちゃうんだよ。意地悪されると誰かに意地悪したくなるし、やさしくされたら、やさしくなれる。だから、誰かを傷つけたってことは、君自身が傷ついているのではないかと思って心配なんだ。だいじょうぶ?」(p.80)
・性別にとらわれない、とあえて性別に目を向けるのあいだを行きつ戻りつしながら、子供達の尊厳と可能性を守っていく。決めつけない柔軟さ。(p.83)
・教師自身が生徒の前で、悩みや困りを吐露し、表現することが貴重な経験だった(p.143)
・「男性の女性化」と「女性の男性化」は非対称(p.147)
・社会があらゆる人に対して、信頼感をもてるような場にならなければならない。こんな社会に生きるのがいやだ、こんな社会なら生きてもしょうがない、という場になってはならない(p.150)