阪上仁志のレビュー一覧
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死に際の人間が残される人を愛しているが故につく優しい嘘に弱いので、読みながらぼろぼろ泣いた。やさしさを受け取った側がそれを全部解っているのがせめてもの救いだった。
高野さんの作品の良いところは、感情に対する言語化が非常に丁寧になされている事だと思う。高野さんの作品に登場する主人公はいつだって心情をすぐさま言語化し、そこで見えてくる弱さやずるさにとことん向き合ってくれる。私はいつも本の中の一人称になりきって読み進めているため、その人生の一部をなぞることで日頃自分の感情をうまく言語化できず感じるもどかしさを解消してくれるのだと感じた。
良い作品には良い解説、という持論があるがこの作品の解説も例 -
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高野和明さん著『夢のカルテ』の概要と感想になります。
概要です。
睡眠療法専門のカウンセラーである夢衣(ゆい)は、今日も悩める患者と向き合いながら彼らの夢を治癒していく。ある日に訪れた刑事の健介は夢衣との出会いに運命的な何かを感じ取り、次第と二人はいくつかの事件と夢に立ち向かって惹かれ合う。
感想です。
振り返ると高野和明さん作品も既読作は増えました。代表作『ジェノサイド』の緊迫感と『幽霊人命救助隊』の優しさを掛け合わせて(2で割った)本作は書かれた印象ですね♪
ドラマのような展開と高野和明さんらしい読みやすさで、高野和明さん作品を初読みしたい方にオススメです。 -
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久々の高野和明さん!(共作やけど)
夢分析か…
フロイトとかユングとか言われても、精神の分野はさっぱりですわ…(−_−;)
人の夢の中に入れるとかいうと、何かサイコダイバーシリーズを思い浮かべてしまうが、それほどバイオレンスしてないし、ドロドロしてない。
夢衣さん、人の夢の中に入れるという特技で、心理カウンセラーしてる。まずは、刑事さんをカウンセリングして、不眠症を撃破。しかし、自身のハートも撃破。
最後は、ハラハラしてミステリーするけど、途中は、2人の恋愛にイライラ…ええ大人が何してんねん!と思うけど、羨ましくもある。
夢からとはいえ、人の心の中を読めるというのは、いいのか悪いのか悩みま -
Posted by ブクログ
「ジェノサイド」に衝撃を受け「13階段」を読み、ますます高野和明さんファンになって手に取った3冊目。
共著だからなのか、それとも恋愛要素が含まれているからなのか前出2冊とは違う雰囲気を持っていて新鮮だった。
人の夢の中に入ることができるカウンセラーの主人公:夢衣(ゆい)が4人の患者の夢に入り込み、苦しむ心を救おうと奮闘する一方で、患者として出会ったもう1人の主人公:麻生刑事と互いに惹かれあう。
湧き上がる恋愛感情に戸惑いながらも共に事件解決に立ち向かう2人。恋愛軸強めのサスペンス物語。
4章のうち、個人的には特に【第2章:婚約者の夢】が切なくて、でも美しい物語で好き。
4章通して夢衣 -
Posted by ブクログ
ネタバレ特殊な能力を持つ女性と、凶悪犯罪に立ち向かう男性刑事がいくつもの難事件に立ち向かいながら恋愛していくファンタジー?恋愛?ミステリー?な物語でした。なかなかこの組み合わせはないんじゃないでしょうか?
ハラハラドキドキさせられるシーンはいくつもあり怖い!(ホラーではなく、主人公が危なくて読んでられない)と思って本を閉じたのも何度かありました。さすが高野和明さんです。
ただ、最後の話で女性主人公が犯罪の重要な手がかりを探しに行くシーンでどう考えても危険な行動なのに男性刑事を待たずに進んじゃうところが展開上仕方がないんでしょうけど、とても合理的な考えとは思えずモヤモヤしました。