トレーディングカードゲームの普遍的な考え方指南の本
トレーディングカードゲーム(以下、TCG)はMagic: The Gathering、遊戯王、ポケカ、Shadowverse等、数多くある
各々の攻略情報もあるけれども、新しいカードの導入などで情報が古くなる事もしばしば
具体的な情報はすぐに陳腐化する
この本には抽象的で普遍的なTCGの考え方について書かれている
著者はMagic: The Gatheringのプロリーグにも所属した事のある人のようだ
カードゲームの本質は数理と心理
「アド」というゲーム用語があるけれども、その意味は多様
何を競っているのかを考える
ライフポイントを削るゲームだけど、カードの枚数の差し引きが重要な面もある
場合によっては手数であったりマナであったり
確率の使い方
期待値が高いからいいわけでもない
初手で必要なカード、最後までには引きたいカードによって捉え方は変わる
「お得感」と「得」は別物
最強のデッキは存在しない
じゃんけんのように相性があるし
大会毎にその分布は変わる
後付で「あっちのデッキにすればよかった」という反省は無意味
上達のために必要な事
まずは、プレイに一貫性を持つ
その上で方針との齟齬についての反省と検討
デッキを組む際にも、仮説を立てる
上記同様に、その仮説の検証
カード1枚1枚を入れる、外す意味を考える
何事にもトレードオフを理解する
要点としてはこんな感じでしょうか
私自身ははTCGを嗜まない
一時期、ハースストーンのアプリを無課金でやってたくらい
なので、この情報が直接的に有効活用できるわけでもないけど、もっと俯瞰してみればTCGに限らずこんな構造の事象は多々ある
具体的には、他のボードゲームにも通じるものがある
そのゲームのルール把握
勝利条件の確認
そして、その勝利条件のために、プレイヤーは何を競っているのかという分析
有限な資源は様々な形がある
単なるポイントだけでなく、手の速さがアドバンテージになることもあれば、将来の可能性の場合もある
そのゲームの戦略としてどの方針を選ぶかという判断
そして各手順の意味を考える
プレイ後の振り返りとフィードバック
そのツールとして、確率や心理が必要になる
偶然性の要素のあるゲームでも、強い人にはちゃんと理由があるのはよくわかる
------------------------
★★★発売前から緊急重版決定の話題作!★★★
プロカードゲーマー直伝
勝利をつかみ取る史上初のTCG理論書!!!
MTG ポケカ 遊戯王 デュエマ ワンピカ etc.
あらゆるプレイヤー必須の本質的思考法
ゲームとして、競技として――多くの人が魅了され、勝利を目指して打ち込むトレーディングカードゲーム。
ゲームの本質、確率的センス、認知バイアス、メタ読み、練習方法、言語化、デッキ構築の視点……
どのTCGにも共通するセオリーがここにある。
カードゲームの本質は「数理と心理」である――勝てると思ったのに勝てないのはなぜか。カードゲームはどのようなもので、その実力とは何か? プロプレイヤーとしての経験から得られたどのカードゲームでも充実して強くなれる理論をお伝えします。
章扉マンガ=ワタル(『カードゲームうさぎ』)
===
【目次】
第1章 カードゲームの本質
1 カードゲームの難しさの正体
勝てると思ったのに勝てないのはなぜか/「再現性」という幻想/カードゲームは人生の縮図である
2 ゲームの本質をつかむための理論
「攻撃の無力化」はなぜ弱いのか/理論はツールの1つ
3 上達するとはどういうことか
勝者のゲームと敗者のゲーム/敗者のゲームに勝つことが「上達」なのか/勝者のゲームで勝つために
4 カードゲームの本質は「数理と心理」
なぜ当然のことが難しいのか?/不完全な人間と現実のあいだに生じるズレ/より洗練された「直感」を身に着ける
第2章 カードゲームの数理
1 ツールとしての確率を使いこなす
確率のためのセンス/確率とは何か/確率計算の先に勝利はあるか?/よりよいスタート地点に立つための理論/確率で判断ができる場合
2 起こりうる場合の数と起こらない確率
順列―並べ方のパターン/組合わせ――n枚のカードからm枚を選ぶ/余事象――ある事象が起こらない事象
3 条件の下での確率
本当にそんなに運が悪かった?/直感に反する確率/2つ以上のことが同時に起こる確率/考慮しきれない条件をどう扱うべきか
4 確率の取りうる幅
なぜ期待値だけでは不十分か/点ではなく幅で見る/引きたいカードと期待値の罠/確率が導く“いいセンス”
5 結果を解釈する
対戦結果にはどの程度の意味がある?/メタ読みの幻想―ただ1つの正解は存在するのか
第3章 カードゲームの心理
1 私たちの世界は認知でできている
認知していないものは選べない/行動経済学から学ぶ判断の非合理
2 非合理の中の正解
美人投票から見るメタゲームの本質/先に進むのは一歩だけ/都合のいいデータを集める心理
3 なぜ人はデッキを弱くするのか?
「お得感」と実際の「得」は違う/プロスペクト理論/デッキを弱くする心理
4 最善手の発見を妨げるもの
「当たり前」が答えを遠ざける/手段と目的の逆転/勝ちたい気持ちに遊び心を添える
5 あなたの上達を妨げる心理
わかったつもり/なぜ失敗の重要さに気付けないのか/報われる努力を考える
第4章 真に上達するための練習
1 ミスは永遠になくならない
本当に「もっと練習する」だけでいい?/チーズの穴をミスがすりぬけていく
2 チームを組むということ
ただプレイするだけが練習じゃない/個人競技でもチームに意味はある/反論は「人格否定」でも「論破」でもない
3 「よい言語化」とはなんだろうか
誰のための言語化なのか/複雑な経験や知識を圧縮する道具/間違える勇気、間違いを認める勇気
4 理論を持つことこそが練習効率を高める王道
点と点をつないで理論を作る/ストーリーでゲームを見る準備/結果に広がりを見る
5 ゲームに一貫性を作る
トレードオフとボトルネック/一貫性の上にデッキタイプがある
第5章 デッキビルダーとして考える
1 デッキビルダーの視点を持つ意味
情報時代にデッキ作りは意味がない?/デッキビルダーとしてゲームを見る/強化と適応/作るのが難しいデッキ
2 デッキを作ろう
仮説を持つ/遊び心でチューナーからビルダーになる/カードを見る
3 デッキを作る練習
車輪の再発明は悪くない/練習中に引き出しを作る
4 デッキ制作は総合競技
デッキ構築は“勝者のゲーム”/数字を見る、数字の見方を考える/結果論より選択幅/負けたくない心理に囚われない/仮説となる一貫性を持つ/仲間の力を借りる
5 “完璧主義”にはならず、完璧を目指す
とりあえずやってみれば得をする/それでも前に進むということ
あとがき――可能性への投資
後悔なく楽しむ
------------------------