加藤喜之のレビュー一覧

  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    トランプ大統領が再選されたころから、福音派に対する関心が高まったように思う。時期を得た出版だが、決してジャーナリスティックでなく、学術的な著作だ。1920年代頃からの歴史と政治との交点が体系的に記されている。福音派とよばれているものには幾つもの会派があるので、内容はなかなか複雑で、完全には理解しきれなかった。
    神の奇跡や聖書の無謬性を信じ、終末論を持ちだして自己主張をする人たち。それが『古きよきアメリカ』の美化につながるとき、人種や男女差別や中絶・同性婚問題と結びつき、政治を動かそうとする力がはたらく。それが既に1970年代には見られたというのは、ちょっとした驚きだったし、一神教の強さと柔軟性

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    2026年02月22日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    福音派キリスト教信者であれば、ある程度馴染みがあるエバンゲリスト達ですが、そうでない読者にとってはそれぞれの違いや政治と宗教の繋がり、イスラエルに対する考え方など分かりにくいかもしれない。

    著者が福音派キリスト教との繋がりがイマイチ見えないので、どういう立ち位置で書かれているのかを知りたいところである。

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    2026年01月19日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    アメリカの政治とキリスト教との関係を読み解いていくと、アメリカの近現代史を知る事が出来ると、まさに感じる一冊。
    その中で福音派については、存在は知っていたレベルだったが、色々な意味で怖さを感じた。

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    2026年01月19日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    アメリカの宗教の一派として存在している福音派だが、どのように政治と関わってきたかを知ることができ、別視点からアメリカを見ることができる。
    時々、中絶反対や同性婚反対、黒人の人権に対する抗議でもを見かける。その発生の根底が福音派が絡んでおり、「だからこんな事態が起きたんだ」と福音派の思想を通して理解できる。

    現在のトランプも福音派に傾倒しているのもあり、政治動向や行動原理が少し見えてくる。

    また、1950-現在まで10年を区切りに福音派と政治を展開しているので、アメリカの近代史も把握できて概要書として手に取りやすい一冊だ。

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    2026年01月12日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    トランプさんがアメリカ大統領に再選されてから1年。
    中絶禁止、反同性愛、白人至上主義、わたしが福音派から連想する乏しいイメージはそんなところです。
    福音派にとって今は終末なのか、だからイスラエルに帰結するのか、宗教とはかくも排他的なのか。
    アメリカの歴史を宗教から紐解くというのはとても興味深く、宗教というのは良くも悪くも人間を統制するのに1番役立つものなのだろう。

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    2026年01月08日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    ネタバレ

    福音派というグループは、歴史上かなり前から存在していて、そのゆるい定義のもとに、時代ごとにさまざまな団体や個人が政治に影響力をもたらしてきた。ただし、大きな概念での福音派という中にも、右寄り左寄りの団体がいたり、目指すものや信条が少しずつ違う宗派だったり、決して統一した一つの団体や宗派ではなく、複雑な構造なおかつ流動的な存在でもある。ニュースで眼にする団体や個人の立ち位置が理解でき、常に「誰がトランプの裏にいるのか」という問いにもある程度解を得ることができたと思う。 いずれにせよ、日本人の私が思う「アメリカ」とは全く前提も定義も違うものを信じているアメリカ人がものすごい数いる、ということを改め

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    2026年01月05日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    アメリカ社会における伝統的白人社会を基盤として社会や政治に大きく影響を与えているキリスト教福音派の歴史とその特徴について網羅的に解説した新書。アメリカを知るには必須の著作です。

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    2025年12月18日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    キリスト教の書物と言うより、現代の米国の政治・社会をキリスト教の観点から分析した好著。キリスト教福音派とは何なのか?原理主義者が「福音派」のグループに含まれ、その右派としての活動を強めていったこと、それが現在のトランプの岩盤支持層になっている背景が良く分かった。その一方で福音派左派と言われる人たちもいて、「クリスチャン・トゥデイ」はその流れの雑誌でありラインホルド・ニーバー、ディートリッヒ・ボンヘッファーは福音派からは容共産主義と批判されているという!
    彼らはトランプに対して批判的らしいが、マスコミの報道では全く取り上げられていない。カーターが大統領選で勝利した1976年は「福音派元年」と呼ば

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    2025年12月16日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    とても面白い。宗教右派、特に過激で排他的な言動を厭わない福音派が、アメリカ政治や社会に与えた影響に関する良書。
    特に人種問題や中東、中絶、同性愛の問題が蔓延るアメリカにおいて、過去にも分断を煽ってきた歴史があり、現在はトランプの存在がそれを正当化してしまった様相すらある。
    被害者意識の強いアメリカの白人にとっては、自身に響いてしまうストーリーが、福音派の言葉にはあるんだろうな。きっと。
    より穏当な、リベラルな意見にも耳を傾ける、そんな集団に変わる事を期待したいものの、原理的に難しいのだろう。

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    2025年12月07日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    ネタバレ

    たとえクリスチャン(立ち位置によるけれでも)で、聖書に慣れ親しんでいても、原理主義というのはわかりずらいが、クリントンやオバマですら福音派を無視することができなかったのかと、驚かされることばかり。

    健康保険制度を充実させたオバマケアにどうして共和党があれほど反対するのかと思っていたが、人口妊娠中絶を保険適用することが、原理主義者にとって「殺人」を容認することにつながり、受け入れられないとのこと。

    この本を正しく理解するのに、私の知識が不足しているが、福音派にとってのイスラエルというものがどういうものかなど、アメリカで起こっている分断の底にあるものが、おぼろげながらわかった気がする。

    親鸞

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    2026年03月09日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    自由主義でフレンドリーで合理的、なんていう夢物語みたいなアメリカ人のイメージが吹っ飛んだ。なかなかの強烈な内容。建国以来キリスト教にがんじがらめに縛られて荒唐無稽な終末論への信奉と進化論の否定が当たり前みたいにある中であれだけの発展を遂げている科学や宇宙開発って。リベラルと宗教とのすごい矛盾を孕んだ国、アメリカ。揺り戻しを繰り返す社会政治を左右する福音派。福音派も一枚岩ではなくいろいろな考え方の人がいて、他の宗派も様々あって、信者と未信者の世界観は決して交わらないから人種、教育、同性愛や中絶などにおける認識の対立に終わりは見えず、移民、貧困などの社会問題に、峻厳な原理主義的姿勢で堕落した世俗に

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    2026年03月07日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    アメリカ政治と宗教(福音派)の結びつきの歴史について解説された書籍。アメリカがイラン攻撃に踏み切った今、この本の内容とトランプ大統領の言動が少し理解できた。先進的な国であるはずのアメリカがこれほど宗教的な考え方(進化論の否定など)に縛られていることがびっくりだった。若い世代は大きく変化していくだろうが、どのような国になっていくのか、世界もどのように変わっていくのか・・、自分もこの流れを見極めていかないといけないなと思った。

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    2026年03月02日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    福音派(エヴァンゲリカルズ)の理解を通じて、建国以来キリスト教の影響を大きく受けているアメリカ合衆国。人工中絶や学校教育における進化論の扱い、イスラエルの支持などがアメリカ大統領選挙の争点になるのか?なぜアメリカは善悪二元論に基づいて覇権国家として行動するのか?そういった疑問が福音派とよばれる集団の影響を大いに受けているという現在のアメリカの抱える事情が理解できました。

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    2026年03月01日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    アメリカ、特にトランプ氏の発想や、アメリカ社会がどこに向かおうとしているのかなどに漠とした不安を感じる昨今、福音派という言葉は聞いたことがあるが実態よくわからなかったものについて、もう少し知りたいと思い読んでみた。
    もともとアメリカ自体に対して、関心が薄かったこともあり、出てくる人物なども自分の中で追いきれない人も多く、面白くはあるが読み進めるのは結構大変だった。

    とはいえ、全く非宗教者の日本人である私の目からは、はてなマークだらけであった世の中の流れも、単に経済的とか地政学的なことだけでなく宗教的な部分も加味するとそういうことかと腑に落ちる部分も多かった。
    また、もともとアメリカに対して宗

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    2026年02月25日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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     自分が理解出来ない考えであっても、その考えの存在自体は認めなければならない。
    頭では理解出来ても感情が、体が拒絶してしまう。

     福音派(特に原理主義が強い一派)に対してはどうしてもこういう思いを抱えてしまう。それは他の宗教や主義、政治体制等諸々の事象に対しても言える事だが。

     話は逸れるが、2026年の衆院選は旧立憲と旧公明の拙速さが大きな蹉跌を生んだ。二党の思惑はともかく、「中道」の精神は「自分が理解出来ない考えであっても、その考えの存在自体は認めなければならない」事だと思うからだ。

     HONBAKO堺本店にて購入。

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    2026年02月22日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    「日に日に世界が悪くなる 気のせいか そうじゃない」(朝ドラ『ばけばけ』主題歌『笑ったり転んだり』より)

    ⚠️長いです↓

    こんな世界になってしまった訳を知りたくて、『福音派』(中公新書)を読んでみました。「俺って、アメリカのこと知らないんだな〜」と思いました。また、私が呑み会

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    2026年02月19日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    人名が多すぎてやや読むのが大変だったが、かなり勉強になった。最後まで読んでも、それなりに多数の非白人が福音派に転向した理由はよくわからなかった。それにしても、この先の日米外交(どころか、あらゆる外交全般)はこの思想に駆動されるのかと思うとさすがに頭がクラクラする。

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    2026年02月15日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    歴史の流れを説明される中で米国の人口の1/4を占める福音派とはどんな人たちか見失ってしまいました。「まえがき」が超優秀なのでそれだけ読む方がわかりやすかったですw
    福音派を把握していて成り立ちや影響力を知りたい人にはとても良い本ですが、福音派とはどんな人か知りたい人が読むと遭難します。2度読んでやっと内容を理解しました。
    人種差別や女性蔑視には寛容。妊娠中絶と同性婚には反対。資本家贔屓。進化論は認めない。終末論を説きイスラエルを神が予言したユダヤ人のパレスチナ帰還の成就として応援する。信仰に目覚めたことを行動で表す戦う人たち。
    私は宗教とは人生に善をもたらそうとするものだと思っていましたが、福

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    2026年02月16日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    日本のメディアでは大きく報じられないアメリカ社会における「福音派」の存在を、歴史的な視点から分かりやすく紐解いてくれている一冊。
    トランプ政権下における福音派の過激化は、単なる偶発的なものではなく、人々の不安と鬱憤が積み重なって起こった必然的なものであると理解した。
    宗教的な価値観と政治思想が結びつくという感覚にあまり馴染みのない日本人にとって、この本はアメリカ社会の政治的分断の実態を理解するために必要な〈バイブル〉になると思う。

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    2026年01月31日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

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    副題に「引き裂かれるアメリカ社会」とあるが、
    福音派がどのように成立してきて、誰の活動によって拡大し、どの時点で政治に介入するようになり、どの大統領を支持したかというような、福音派の政治・宗教運動の解説であり、その背景で福音派がアメリカ国民をどのように取り込み、アメリカ社会をどのように変えてきたのか?という疑問点にほとんど触れていなかったのが残念だった。キリスト教による道徳律の復興、古き良き価値観に立ち返ることを希求していたはずの福音派が支持し選び出した大統領が、史上まれに見るモラルを欠いた行いをしているとは、なんという皮肉だろうか。

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    2026年01月12日