加藤喜之のレビュー一覧

  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    宗教と政治がいかに複雑に絡み合ってきたのか、福音派とはキリスト教のなかでどんな立ち位置なのかを知る本。非常に勉強になりました。いまのアメリカでなぜトランプが受け入れられているのか、日本人の感覚ではうまく理解できてなかったのですが、なるほど、キリスト教(この本でいうなら、アメリカ教ともいえる)的価値観が鍵だったとは。

    0
    2026年09月06日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    本書は、福音派という日本人には捉えにくい宗教勢力を、神学だけではなく政治との関係史という切り口から通時的に整理した、優れた入門書です。

    トランプ現象を「突然の異常事態」と見るのではなく、半世紀以上続くアメリカ政治の流れの中に位置づける視座は、アメリカ政治、ひいては国際政治を理解するうえで大きな助けになります。

    いまアメリカで起きていることを単なる「トランプ現象」として見るのではなく、その底にある宗教、歴史、喪失感、そして終末論まで視野を広げて考えるための、非常に有効な補助線を与えてくれます。

    アメリカ政治のニュースをただ追うだけでなく、その底流まで理解したい人に、強くおすすめしたい一冊で

    0
    2026年08月14日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    福音派によるトランプ大統領の支援は、数十年に及ぶキリスト教原理主義の葛藤の一つの結実なのだとわかった。
    原理主義というなら、ぜひ隣人愛を実践してほしいところだが、白人の社会的地位の失墜が、都合の良い情報ばかりを信じてしまうのだろう。
    また、冷戦期において、キリスト教信仰が反共の証であるという点も興味深い。
    乱暴ではあるが、自民党と勝共連合との関係もダブる。
    信仰は、自己都合ではなく、理性によるべきだと改めて感じた。
    そして、振り子のように振れながら、イデオロギー、そして社会全体がより平和に向けて歩み続けることを祈る。

    0
    2026年08月09日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    返却期限があったのでとりあえず流し読みのみ
    しかし、福音派の成り立ちからどのように力をつけてきたのか、ひいてはアメリカと言う国の深い部分に触れることができる良書。
    再読必須。

    0
    2026年08月03日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    ⭐️5.0

    めちゃくちゃ面白かった。

    福音派はトランプ政権で台頭したものだと思っていたが、その歴史は想像以上に古く、アメリカというキリスト教国においても異端視されていた一宗派が、いかにして政治と結び付き、社会に浸透していったのかを、時代ごとの背景とともにわかりやすくまとめられており、一気に読み終えてしまった。

    本書を通じて、アメリカ人にとってキリスト教がいかに社会や価値観の土台となっているのかを改めて実感した。また、日本人にはあまり馴染みのない南部地域の実態にも驚かされた。例えば、つい最近まで進化論の教育に否定的な州があったという話などは、世界の盟主というイメージを抱いていたアメリカとの

    0
    2026年08月01日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

     キリスト教「福音派」とはなにか。宗教やキリスト教の理解が浅い私にとって、2025年4月21日にNHKのバタフライエフェクトで「“神の国”アメリカ もうひとつの顔」を繰り返し視聴し、アメリカの近現代史にキリスト教にも福音派が存在し、人種差別撤廃や女性解放などに異を唱え、共和党の岩盤支持層となり、政治、社会、戦争等を別の視点で捉える機会となった。自由の国アメリカ、アメリカンドリームなど、アメリカを肯定的に捉える日本の言説とは裏腹に、差別・排外主義が跋扈するアメリカが見えて来た。本書では、アメリカの近現代史を縦軸に、キリスト教原理主義を横軸に膨大な資料から歴史考証する。第2次世界大戦後のアメリカと

    0
    2026年07月23日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    トランプ政権の背景に福音派というのはよく聞くが、それって何を骨太に解説してくれる新書。なぜトランプが憎悪に満ちた政権になるのかがわかるような気がする。

    0
    2026年07月20日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    福音派が主張を強めているのは中流の白人が相対的に貧しくなっているのも原因になっていて、だからこそ希望(Make America Great Again)を謳うトランプが支持されるのだと。日本における選挙戦のアジェンダ設定も同じようなところがある気がする(トランプ戦略を参考にした日本人ファーストや、日本列島を強く豊かになど)自国民が貧しくなるとアイデンティティを取り戻したいという欲求が強まるんだな。。

    終章での福音派は対立する相手を悪魔やサタンの支配下にあるとみなす傾向があるため、妥協が困難となる。結果として政治的なリベラリズムに不可欠な対話は機能不全に陥る。という考察が面白かっ

    0
    2026年06月27日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    米国が繁栄した1920年代のキリスト教の多極化に対して Fundamentalist が台頭し、やがてEvangelist へとつながっていく

    終末論に目を奪われ過ぎるといけない

    0
    2026年06月17日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    『裂け目』の読書会で。歴史苦手なのもありこういう新書はなかなか手に取らないのだが、めちゃくちゃ濃密な内容で楽しく読めた。個人的には20年代の文化も60年代の文化も虚しさという点で共通していて好きなのだが、福音派の視点から見ると異なるらしい。
    『インザメガチャーチ』を読んだばかりなので「教団」としてのチャーチというあり方にはそんなに抵抗はないが、著者が鋭く指摘していた通り、教義よりも他者を抑圧するための道具になっているのはいただけない点。

    ・ディスペンセーション主義(聖書の記述を文字通り読もうとする)
    ・メディアを巧みに利用した
    ・中絶反対派の展開する論理が現在左派が掲げるものと似ていた(胎児

    0
    2026年06月15日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    分断するアメリカ社会で福音派がどのようにして政治に参加するようになり、影響力を強めていったのか時系列で非常に分かりやすく教えてくれる。

    福音派の中でもイスラエルの行動を支持する人々は「終末論」を信じている人が多くいる。無宗教者には理解できない価値観が多いのが難しいところだが、いつの時代も政治的に影響力を強めたい人や、強めようとする人のバックには必ずこうした宗教母体や思想を持った人たちがいるんだということに注意しなければならないと感じた。
    表現の自由があるので批判できないが、思想を広めるためにはメディアをも活用して扇動しようとするくらい行動力の強い人たちはアメリカに限らず日本にもいると思うので

    0
    2026年06月11日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    著作者 加藤善之
    発行者 中央公論新社
    近年、アメリカの政治や社会において圧倒的な存在感を放ちながらも、日本ではその実態が十分に理解されていない「福音派」に焦点を当てた一冊です。独特の宗教的世界観を持つ彼らが、いかにして勢力を拡大し、現代アメリカの激しい政治的・文化的闘争や大統領選に関与するに至ったのかを、第二次世界大戦後の歴史的軌跡から紐解いています。

    0
    2026年09月03日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    福音派についてのみならず、宗教がいかにアメリカ政治と結びつき、そして政治と相互に影響しあっていたかということがよくわかる本でした。あと書きの最後の「米国と言う不思議な国へ送り出してくれた。父と母へ本性を捧げる。」ていうのが印象的でした。確かにアメリカは不思議な国なんですね。

    0
    2026年09月02日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    現在の科学文明を牽引しているアメリカであるが、宗教国家という側面があり、その点を理解しておかないと、アメリカの行動原理は理解できない。
    未だに進化論を信じていない人が一定数存在するというとはとても驚き。
    タイトルになっている福音派は人口の25%を占め、終末論を信じており、イスラエルの地にユダヤ人国家が建設されるのは、終末に向けて必要なステップであるため、アメリカとイスラエルの強固な関係性が維持されているらしい。そもそも、ユダヤ教とキリスト教で異なる宗教なのに、なぜこれほどまでにイスラエルを支持するのか、その裏にはこのような宗教的なロジックがあるという新たな視点を与えてくれる本でした。

    0
    2026年08月31日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    「福音派」という宗教右派が、どのようにしてアメリカで政治的な影響力を持つようになったのか、その歴史がわかりやすくまとめられていた。また、キリスト教について詳しくなくても理解できるよう、大まかな流れを中心に書かれている点は読みやすいのではないだろうか。
    一方で、本書の目的が歴史の流れを示すことにあるため、宗派ごとの違いなどはあえて大きく括られている。そこをより詳しく知りたい人には、少し物足りなく感じられるかもしれない。

    0
    2026年08月30日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    冷戦や公民権運動、ベトナム戦争反対運動、多文化主義にグローバル化…と、社会の変化による白人達の不安を啜って力を付けてきたキリスト教原理主義の歴史を学べた。ただ、福音派の主要人物と歴代大統領との関わりにフォーカスしている為、福音派以外のところでアメリカ社会や世論がどう変わって行ったのかがアメリカ近現代史の基礎知識のない自分にはちょっと分かりづらかった。
    国会を襲ったり、差別を広げたり指導者達の不祥事が多過ぎたり、といった理由で福音派自体は減少傾向だと書かれていたのは良かった。とはいえ福音派は対立する人をサタンと見做すので対話が成り立たないって…民主主義に向かなさ過ぎて厄介だなぁ

    0
    2026年08月19日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    話題の書だが時機を失した頃合いのようでいてアメリカの動乱は変わらず、政治・宗教・歴史の多様な側面を新書としては骨太な密度でまとめられている。再読してようやくといったところだが、昨今の情勢以外にも過去のアメリカ国内の動向の中に福音派の影響が随所に垣間見られることがわかる。

    0
    2026年08月15日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    日本の報道では「福音派=トランプ支持」のように単純化されがちだけれど、実際には
    奴隷制を支持した人も反対した人もいたり、
    公民権運動に協力した人も抵抗した人もいる
    また、環境問題に積極的な福音派も存在する。
    つまり、福音派は巨大な宗教運動であって、
    その内部には多様な流れがある。
    それでもなお、「聖書を絶対的権威とみなす」、「個人の回心を重視する」、「福音を広める使命を持つ」という共通点があり、その共通点が政治的動員力につながっている、という構図が見えてきて面白かった。

    0
    2026年08月14日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    様々な人物が登場し、論文のよう。
    時に追うのが難しかった

    宗教と政治が複雑に絡み合い、激流を作り出している今だからこそ、それがほんの小さな伏流だった時代を検証 p.291

    0
    2026年07月26日
  • 福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

    Posted by ブクログ

    【本を読もうと思った理由】
    イラン戦争を見て、アメリカ政治に興味をもったから。なぜこんなことが起こるのか、トランプのパーソナリティだけでは説明できないのでは、と思ったから。

    【本の感想】
     キリスト教や福音派のことは、元々ほとんど知らなかったが、本書を読んでその理由が、あまりに多様で一緒くたにできないから、だったということがわかった。アメリカ国内だけでも、宗派、世俗性、人種、性別等々、それぞれの人にとっての捉え方があり、外から見えるのは、常にある側面でしかないのだと理解した。さらに、キリスト教者の中でも、信仰することと教会に属することは異なっていることも、本書で初めて知ることができた。
     表

    0
    2026年07月24日