ウミ乃のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今日はカフカの命日。文学忌になっているのかどうかは知らないが、「カフカ忌」として俳句を詠んでいる方もいらっしゃる。レビューを書いているだけの私は 負けている気がする。
「断食芸人(Ein Hungerkünstler)」はカフカの晩年に書かれた短編で、1922年に発表され、1924年に刊行されているらしい。
断食芸は、人間の生活を根こそぎ放棄する「絶望芸」の極地である。だが、芸人自身はその絶望を自覚していない。ただ「食べたいものがなかった」と淡々と告げるだけだ。ここに、絶望を正面から描かず、逆説的に、あるいは第三者の冷たい視線を通して描くという、カフカ特有の美学が見える。
断食芸の「40日」。それは興行の安全限界として決められた数字でありながら、同時に聖書におけるモーセやキリストの断食を思わせる数字でもあるんですね。偶然の一致なのか、文化の深層なのか、この短編が宗教的寓話のように。
断食芸人に訪れるのは救済ではない。
彼が40日を超えても、そこに啓示も悟りもなく、ただ観客の興味が尽き、興行の幕が下ろされるだけ。
絶望を正面から描くのではなく、第三者の冷ややかな視線を通して描くカフカ。
やがて芸人は忘れられ、檻の中で衰弱死する。
断食芸人は、絶望を美学するカフカ自身の投影
イラスト描いたウミ乃さんのインタビューが
ネットで上がっていたので、そちらも読ませていただく。
何かしらの要望はあったとしても
顔は主人公のみを描くというのは
ウミ乃さんの意思だったみたい
後半になって断食芸人はストーリー上では
どんどん貧相になっていくのですが
そこを逆にして色で表したとか
確かに、どんな芸人であれ
見るにはイケメンのほうが良いとは思うけど
小説とイラストが、共存するということかな
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Posted by ブクログ
断食を芸にしている男の話。
はじめは街の一角で見せ物になることで日銭を稼いでいたが流行りが廃れ、やがてサーカスに所属する。しかし、サーカスにおいても断食芸人に目をとめる客はいなかった。
彼はただ彼自身のために断食をつづけ、周囲からは忘れ去られ、団員がようやく彼の存在に気がついたのち、あっけなく葬られる。彼がいた檻には、猛々しい生命力に満ちた若い虎が新しくいれられる。
結末だけ聞くとバッドエンドのように思われるかもしれないが、私はほとんど後味の悪さを感じなかった。
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「きみはなんてやつだろう」と監督は言った。「だけど、どうして断食するしかないんだ?」
「どうしてかって」断食芸人は少し頭を持ち上げ、まるでキスするかのように唇をすぼめて、一音も聞き漏らされることのないよう監督のすぐ耳元で言った。「口に合う食べ物が見つからなかったからだ。もし見つけていたら、騒ぎ立てたりせず、あんたやほかのみんなみたいに腹いっぱい食っていただろうな」 -
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズの一冊。
カフカときましたね。意外。それも断食芸人。乙女の本棚とはあまり親和性がないのでは、というのが読む前の第一印象。
で、実際に読んでみて、その印象は変わらなかったというのが、正直なところ。断食芸人がこんな美男子なのはどうなのだろう。乙女の本棚とはいえ、やはり違和感はぬぐえなかろう。乙女ではないものが言うのはお門違いなので、乙女の方は気にしないがよろしい。話は面白いと思う。この断食芸人はやはりカフカ自身なのかな。カフカの感じていた悲哀を断食芸人に託したのではないかと思ったので、これからその答え合わせをしてみたいと思います。
さて、次は堀辰雄らしいですね。楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズから、カフカさんとウミ乃さんのコラボ作品『断食芸人』です。ウミ乃さんのイラストは初めて!この作品には、イケメンが登場するという前情報を得ていたので楽しみにしていました(*´▽`*)♡
ストーリーは、タイトルそのまんま、断食を芸として披露する断食芸人が描かれています。この断食芸人がイケメンなんだけど、ずっとイケメンのままなんですねっ♡ただ、40日間も断食してイケメンとか…私はいいんだけど、どうなんだ??
ちょっと悲しくて、痛々しいけれど、崇高な印象も持てた作品でした。最期まで確固たる意思を持って断食に臨んでいた「断食芸人」…彼はすごい人です(その裏には悲しい事情もあったりしたのだけれど…)。でも、今「断食芸人」がいても見たいとは思わないかも^^;