住田祐のレビュー一覧

  • 白鷺立つ

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    松本清張賞ということで読んでみた。ラストがとてもよかった。人間の心とは不思議なもの。あれほどの憎しみが信頼とか感謝に変わるきっかけって結局何だったのだろう、と考えさせられる。いや、今だって憎いは憎いのか?どうなんだ?
    仏教のことも修行のこともよく知らないが、御仏に仕える崇高な僧もわりと普通の人間の心をもっているのがちょっと嬉しくも感じた。

    フレーズ:
    白鷺(はくろ)とは叡山における回峰行者を指して用いられる比喩である。白き麻の浄衣をその身に纏い、山道を跳ぶように歩く姿から来ているという。

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    2026年05月08日
  • 白鷺立つ

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    ネタバレ

     かつてバラエティ番組で北嶺千日回峰行を目にし、自らの命をかけてまで人を修行へ駆り立てるものは何なのかと気になり、本書を手にした。
     命がけで、失敗すれば自害を求められる北嶺千日回峰行の過酷さは想像以上だったが、いちばん心に残ったのは、それを経験した人の心のあり方だった。とりわけ印象深かったのは恃照である。戒閻を疎ましく思い、この修行さえ失敗すればよいと願っていた恃照が、戒閻にかつての自分を重ね、いつしか達成を願うようになる。その変化が深く心に残った。
     極限の修行は人をただ強くするのではなく、見たくなかった弱さや醜さも含め、自分のすべてに向き合わせるのだと思う。エピローグで恃照が再び北嶺千日

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    2026年05月05日
  • 白鷺立つ

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    ネタバレ

    実家から毎日眺めていた比叡山を舞台にしたお話。
    めちゃくちゃ面白い。

    仏の道に入り、ともに千日回峰行を為さんとする恃照と戒閻の2人の人物を中枢に、彼らの同族嫌悪に近い厭悪や確執が、叡山という因循姑息な組織の上でどんな顛末を辿るのかを描いた小説。

    規則という柵の中で死ぬことが許されず、恥を晒して生きてゆくしかない恃照にとって、出生を近くしながらもずんずんと自らの道を突き進む戒閻がどれだけ嫉ましく厭わしかったか、そしてどれだけ憧れ、堂入りを満することを願ったか。
    長きに渡って、確執という殻の中で育まれてきた戦友同士の同情と信頼が一気に弾け出るラストシーンには、胸を打つものが大きかった。

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    2026年05月02日
  • 白鷺立つ

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    僧という世界を垣間見た
    千日回峰は名前だけしか知らなかったが、非常に面白く、終わり方も良かった
    これがデビー作なのはすごい

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    2026年04月26日
  • 白鷺立つ

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    濃い とにかく濃いと感じた。

    主題となる北嶺千日回峰行は
    比叡山延暦寺の超人的な荒行。
    自身延暦寺に行ったことがある、
    千日回峰行も聞いたことがある。
    しかしそれらを知らずとも
    本作300頁からくる、心地よい
    重厚感を感じることができると思う。

    会社員でデビュー作という
    作家の次回作をぜひ読んでみたい。

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    2026年04月24日
  • 白鷺立つ

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    恃照と戒閻の激しいぶつかりあいが凄まじかった
    僧は仏に仕える善行の人達と思っていたが、周りの目を見たり、気持ちを押し測ったりとやり取りが人間味溢れていてやはり叡山と言えど組織の人たちなのだなと思った。
    戒閻は特に我が強い人であった
    恃照と戒閻は同じものを持っていながら相反する者として激しくぶつかりあっていた 作中盤はほんとに荒波の真っ只中にいるようだった
    しかし最盤、一気に凪となった
    憲雄と戒閻の墓に佇む恃照が悲しげにしかし前を向いている姿を感じとれた

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    2026年04月03日
  • 白鷺立つ

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    白鷺(はくろ)とは 白い浄衣を纏い 山道を跳ぶように歩く 叡山における回峰行者を指して用いられる比喩である─。


    寛政8(1796)年 比叡山 延暦寺。
    成し遂げることができなければ “死” とされた〈北嶺千日回峰行〉に挑む32歳の恃照。
    彼は ある特殊な生立ちを抱えていた。
    そしてその後 恃照は自らと同じ境遇をもつ17歳の太之助を弟子として預かることになる──。



    「この世には おらぬはずの者」

    恃照と戒閻(太之助)。真逆のようでいて、抱えている屈託は同じもの。

    戒閻を目の当たりにすることで 恃照は自らの心の奥底を覗かざるをえなくなる。

    俗世から隔離された場所ではあるけれど そこ

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    2026年04月02日
  • 白鷺立つ

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    失敗すれば死、叡山で行われる千日回峰行を成し遂げようとする2人の僧がいた__。お互いの心内に業火が燃え盛りぶつかりあう険悪な師弟関係。分かり合いたくなかった...だけど彼らにしか通じ合えない秘密があった。
    面白い〜!!と最後まで気持ちが高揚したまま読み終えて、今とても清々しいです。これが住田さんのデビュー作とは...次回作もぜひ読ませていただきたい!

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    2026年03月23日
  • 白鷺立つ

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    比叡山の「北嶺千日回峰行」を題材とした物語。

    昔 それを成し遂げた僧のニュースをちらっと聞いた覚えがある。こんなに大変な“行”だとは知らなかった。

    そこに 同じやんごとなき秘密を背負わされた師弟の間の葛藤、闘い、悩み、悲しみ、寂しさ、苦しさ。けっして分かり合えない師弟。などが 絡みあって 最後まで集中して読ませていただきました。なかなか読み応えがありました。

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    2026年03月19日
  • 白鷺立つ

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    帝の血筋の人間が市井にウロウロしていては悪用されて危なっかしいため仏門に入ることになる。そんな身分の僧が比叡山の北嶺千日回峰行に挑む。
    そしてその弟子も、千日回峰を望む。
    比叡山を舞台に、血筋の定めに抗う葛藤と確執が、叡山の裏事情を交えて描かれている。

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    2026年03月19日
  • 白鷺立つ

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    圧倒的な厳か感(笑)
    仏教語や昔の言葉ばかり出てくるので最初は焦りますが、フリガナがついてるから安心して!
    スマホ片手に単語の意味を調べながら読みます。

    でもね、それらが全くストレスじゃないのよ!

    それらがあることで、厳粛な感じ、緊張感、憤怒、嫉妬。
    などがビンビンに伝わってくる。

    本当に素敵な作品でした。

    テーマが難しいように思うかもしれないけど、1度みんなに読んで欲しい!

    そんな一冊でした。

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    2026年03月06日
  • 白鷺立つ

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    また新たな世界を窺い知ることができた…
    僧とかさ…修行とかさ…手塚治虫のブッダを読んだ時に「こんな修行すんの?!」って目を丸くしながら読んだくらいの知識しかなかったのだけど。
    こんなにものめり込んで読む自分がいるなんて。
    最初から最後まで本当素晴らしい作品。人物たちを理解しきれていない自分もいると思う。いつか再読したときに気付けるかな?

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    2026年03月01日
  • 白鷺立つ

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    第32回松本清張賞

    圧倒的!!
    作中に漂う厳粛な空気や緊張感、僧たちの胸に潜む熱、仏道の世界観に触れる読書体験ができた。
    仏教用語や独特の難しい言い回しがあるのに、読みやすく心地よい文章で、前半からこれは!と星5を確信。
    一見地味そうな僧の修行の話なのに、ささやかなユーモアもあり飽きることなく没入した。

    千日回峰行はとんでもない荒行。
    人って、水も飲まないと3日くらいしかもたないんじゃないっけ?
    不眠も死んでしまうんじゃないっけ??
    医学的に無理だと思うし、そんな危険な修行をすることになんの意味が、、、と全く理解はできないけどすごい世界を見てしまった気分。

    寺院と朝廷が深く結びつき、寺院

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    2026年02月27日
  • 白鷺立つ

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    千日回峰行と二人の似た出自を持つ僧の確執、互いを憎みながらも底に流れる感情。心理描写が巧みで引き込まれました。
    また、比叡山の高僧や大阿闍梨のあり様を知って興味深かったです。

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    2026年02月22日
  • 白鷺立つ

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    直木賞候補作。作者本作デビュー作。
    圧巻の作品でした。比叡山延暦寺を舞台とする、生きるか死ぬかの千日回峰行に挑む同じ境遇の2人の僧侶の師弟の感情のぶつかり合い。戒閻の憎むほどの可愛げのなさが最後の章で涙になりました。参考文献の詳細も載っておらず、ここまでの資料をどう引き出して書かれたのか知りたい。

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    2026年02月19日
  • 白鷺立つ

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     他には無い、特殊かつ絶対的なルールを持った、閉じられた世界を舞台にした歴史小説なんですけれど、読んでいく内に本書は特別な環境で生きることを余儀なくされている、現代の人たちにも響くものを感じながら、尚且つ生きる勇気が沸々と湧き上がってくる、そんな力があるのだと思います。


     江戸時代の比叡山延暦寺にて千年もの歴史を刻み続けており、これを満ずれば大阿闍梨という高僧の称号が与えられ後進の僧侶を導く立場となる、過酷な仏道修行「北嶺千日回峰行」では、大阿闍梨となれるか死ぬかの二択のみで、決して例外など起こり得ないと思われていた中、それが起こってしまったのは『特別扱いされた』という事情があったのです。

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    2026年05月06日
  • 白鷺立つ

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    叡山の苦行、北嶺千日回峰行を為さんとする2人の僧の物語である。達成できなければ自害という過酷な千日回峰行にあと一歩というところで昏倒し失敗した恃照。女帝後桜町天皇の実子という出自のため、朝廷を恐れて自害を忌避、半行満という待遇を与えられ生き延びた恃照。その恃照の弟子として預けられたのが先帝御桃園天皇のご落胤だという太之助。ともに存在を公にはできないこの世にはおらぬはずの者だった。戒閻と名を改めた太之助もまた北嶺千日回峰行を満行し大阿闍梨となることを望んでやまない。生きた証を求め千日回峰行に囚われる戒閻と師の恃照は半目し憎みあい、しかしやがて共鳴する。
    そんなお話。

    過酷な修行の描写は鬼気迫っ

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    2026年04月26日
  • 白鷺立つ

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    千日回峰行なんてやってみようと思うのは、解脱した人でなく、嫉妬も妬みも怒りも持つ俗っぽい人なんだなあ
    それがエネルギーになるのか
    俗っぽい人達の話なのに、妙に読後が清々しいのが面白い

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    2026年04月21日
  • 白鷺立つ

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    とても読み応えがあった。
    反目し合っているようで、実は自分でも気付かないような深い部分でお互いに理解し合っているようでもあり、人の心理とは実に複雑なものだと改めて感じた。

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    2026年04月17日
  • 白鷺立つ

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    北嶺千日回峰行は、失敗(行不退)となれば自死が避けられない荒行だ。成功すれば僧侶としての格は上がる。帝の血を引く恃照(じしょう)は比叡の立場としては死んでもらっては困る状況ではあるが恃照は最後の最後で行不退となる。特例で死なずにすんだ恃照である。そしてこの同じく帝の血を引く戒閻(かいえん)が比叡の預かりとなる。反目し合う恃照と戒閻であり、特に戒閻は自分の血を呪うかのように荒行へと入っていく。この二人の関係はライバルと言えるのかもしれないが、なかなか普通には理解できない極限状態の中での人間関係である。そこにもしかすると何かを超えたものがあるのかもしれない。

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    2026年04月07日