掛札逸美のレビュー一覧
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人間の脳の仕組みとして、3歳までに85%が出来上がる。その過程において話し言葉は非常に重要。
具体的には「3つのT」を意識する。
①チューンインTUNE IN
子どもと一緒に話すという意識的な行動。
「おいで、ここに座って。呼んであげるよ」ではなく、子どもが「おいで、パパ、ここに座ってり積み木を積むのすっごくおもしろいよ」と言っているところへ入って、一緒に遊ぶ。
②トークモアTALK MORE
子どもと話す保護者の言葉を増やす。ナレーションをする=保護者が自分のしていることを話す。並行トーク=子どもがしていることの実況中継。
③テイクターンズTAKE TURNS
子どもが反応するまで「待つ」 -
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ネタバレ翻訳書のため読みづらさは一部感じるところはあるが非常に勉強になる良本でした。
1. 子どもの集中を妨げないこと
- 集中しているときは何も話さず、大人の顔を見たときに会話
2. 子どものイメージを大切にする
- 例で穴を見ているときに「穴が開いているね」「なんだろうね」「深そうだね」「誰が住んでいるのかな」など大人の考えを言うのではなく、子どもがどう思ってるのかで回答する。知識を伝えない。
3. 生活場面と遊び場面で主導権を変える
- 生活場面は世界のルールを教えるためにも大人主導。遊びでは子ども。
4. 発達に応じた言葉選び
0-1歳:擬音語、擬態語→見立て -
Posted by ブクログ
まだ読み途中だけれど、とても興味深い本。
もうすぐ産まれる第一子の子育てで知りたかったことがいろいろ詰まっている。いわゆる教育研究系の人の著作ではなく、耳の外科医発信というところがまた説得力があり良い。(教育研究系の方の説得力がないという意味ではなく、偶然の発見・驚きからスタートしていると言う意味で)。
この本を読んで一番悩んでいるのは保育園入園時期。0歳入園を考えていたけど、本当にそれでいいか不安になった。保育園の見学である程度質をスクリーニングはするものの、頑張っている素敵な保育園、保育者にも配置人数による限界があるし、、。預ける時間を出来る限り短くする?預けていない時間に精一杯コミュニケ -
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3歳までの子どもを持つ親として必ず読んでおきたかった本。
生後すぐから3歳までに保護者が話しかける量が脳の成長に大きく影響する。
単なるハウツー本ではなく、淡々と研究、実践に基づいた結果について書かれている。
まとめとしては保育園等でどんなに保育者が尽力しても一対一で関わり合える親子での対話には及ばない。子育て支援の場では、親子の関係性や応答性の質を高める支援内容が重要。
本書はいわゆる早期教育を勧めるものではない。チューンインしていなければトークモアもテイクターンズも意味がない。
子供がふと何かに気づき、これは?と思って周りを見たとき、チューンインしてあげられる大人がすぐそばにいることが -
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「語りかけ育児」とともに、1年に1回くらい読み返したい良著。
タイトルは、話しかけを積極的にしている親としてない親とでは3歳までに3000万語格差が出てしまい、その言葉の格差がその子の一生の頭の良さを決めるというもの。
「語りかけ育児」が子供の月齢に合わせた内容であるのに対し、こちらの本はテクニックとして子供との向き合い方を主としている。
自分の子供だけではなく、社会全ての子供に対してすべきだというところに懐の大きさを感じました。ついつい自分の子供に有利になるようにしたいと思いがちだけど、将来子供が大きくなった時によりいい社会になってるのは全ての子供に対する働きかけだもんね。
できる範囲で -
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結果をほめるのか過程をほめるのかでグリット(粘り強さ)の性質に影響が出る。「嘘をつくな」と「嘘つきになるな」という呼びかけだと、後者のほうが嘘をつきにくい。修正可能な余白を与えた呼びかけをするべき。
ストレス量は自己制御の能力へ明らかに悪影響を及ぼす。独り言を言うこどもほど自己制御の能力が高い。
(遊び終わった時に)「おもちゃを片付けて」と「おもちゃをどうすればいい?」は、後者がより実行機能の発達を促す
Tune in = 子供の関心(世界)にTuneを合わせた行動
Talk more = こどもが集中していることに対して言葉を増やす(ナレーションなど)。こそあど(代名詞)を除く。
T -
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子どもを預けて、女性も社会で働く
と言う風潮が強い中
自宅で子どもを見るよさについてでも実は書かれた本。
保育園では浴び切れない3000万語の言葉のシャワーを浴びることについて書かれた本。
ちなみに3000万語は、
3000万の異なる言葉ではない。
同じ言葉が繰り返し使われることを前提とした
話されている言葉の総数。
生まれてから3歳までの間
1秒間に
700から1000の
新たな神経細胞のつながりができる。
これは、脳の働き全て
例えば記憶、感情、行動で運動能力、もちろん言葉にも影響する。
そして、弱いつながりや
あまり使われないつながりを切り捨てつつ、
よく使われるつながりは微 -
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”3000万語”、”格差”など、タイトルが強烈で目を引きます。
筆者はアメリカの医師であり、この本は翻訳本であるため文章が少し堅苦しく感じる本かもしれません。
ですが子どもに対してどのような態度でどのような言葉をかければよいかなどの具体的な方法もしっかり紹介してくれますし、なにより著者から子どもたちへの愛情が感じられ、冷静な文章の中にもあたたかく丁寧な気持ちが織り込まれています。
この本を読むと、なぜ言葉の発達が子どもの成長において重要なのか、言葉の発達のために親や保育者はどんなことができるかといった問いへの答えが書いてあります。
全部を読まずとも、まずは具体的な行動の仕方が書かれてい -
Posted by ブクログ
正直、プロジェクト名や人名が沢山出てきて整理して読むのが大変でした!しかし、科学的データに基づいたデータをもとに行われたプロジェクトや考察だったので、とても信頼できる情報だと感じました!海外でのデータではありましたが、解説では、日本では具体的にどのようなことなのかを書いてくださっていたのでわかりやすく、助かりました!
特に印象的だったのはチューンインすること。大人が自ら興味を引きつけようとするのではなく、子どもの興味に合わせていく。
大人でも興味のあるもののほうが覚えが早いですよね!とても納得もしました!子どもを注意深くみて、子どもの注意を邪魔することなく、それに関する言葉をかける。デジタルベ -
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かなり大上段なタイトルの本。だが、本書は言語教育系の子育て本でよく引用参照されているタネ本だ。
親が話しかける言葉が多いほど子どもの語彙は速く増え、あまり話さない家庭や命令・禁止言葉が多い家庭で育った子に比べ、3歳時点で耳にした語数に3000万語もの格差が生まれるらしい。
この格差は、その後のIQテストの点数やGRID[やり抜く力]にも大きな影響が出る。
(ただし、近年はどちらの尺度も再検証されつつあるが)
保護者はただ話すのではなく、話しかけ方や子どもの集中している世界に目を向けることが大切で、著者は「3つのT」という具体的な方法論を提示してくれる。
「3000万語格差」の一般化には