大野晋のレビュー一覧
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古典文法質問箱
著:大野 晋
角川ソフィア文庫 241
薄いですが、難読書でした。
もともと 「日本語の文法<古典編>」から、Q&A部分を抜き出したものとあります。ということは、古代日本語の、本質の概要を知っていないと質問ができないということです。つまり、本書を読むことは、文法<古典編>の基本的知識をもっていることが前提になっています。
なぜ、古典を学ぶのか、
詩であるとか、和歌や、源氏物語、のように、精密な日本語で書かれたものは、現代語に訳してしまうと、作者が表した非常に微妙な意味合いをうまく表せない。
そういうものがすくなくありません。言葉は、それを使った人が使った意味・心情をその -
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良い読み手・書き手になるには
→良質な文をまずは読むこと.
引き出しを増やさないと.
不適切な言葉に対する違和感をそもそも持てない.
骨董品屋になるには,一流品をたくさん見ないとなりようがない.
適切とは言えない表現は何からくるか
→適切な語彙を知らない
→事実を観る眼が曇っている
新聞で1年間のうちに使われる単語の数は30,000。だけどそのほとんどが登場回数一回。
生活に必要不可欠な言葉だけであれば三千程度。
言語生活を営む者であればこの年に一度目にするかどうかわからない単語を収めていざという時に引き出せるかどうかが問われる
「は」の働き→「一つのことを取り上げて、他の同類と -
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この本は、語の意味の中心を的確に把握し、それを表現するための方法論である。
著者は『岩波古語辞典』の制作に長く携わってきた。これは言葉(や概念)の中心的な意味をひらすら掘り下げ、掴み取った単語の特徴を文章で説明する仕事に従事していたと言う意味である。
そんな経験から打ち出された文章によって次々と、今まで感じていたモヤモヤを言語化し思考をクリアにしてくれた。
言葉に対して敏感になるために日本語と向き合ってきたからこそ、本質を掴み平明に表現できるのだろう。
必要な状況に応じて、ぴったりな言葉を選び取り表現する。本書はその訓練の方向性を確かなものにした。 -
Posted by ブクログ
日本語の文法にかんする著者の考えが比較的わかりやすく説明されている本です。
著者はまず、助詞の「は」と「が」のちがいという問題に取り組み、「既知」と「未知」という枠組みによって両者を区別するという意見を提出します。従来の研究では、「は」と「が」のそれぞれが一つの文のなかでどのような機能をもっているのかということに焦点があてられてきました。これに対して著者は、その文が置かれている文脈のみならず、話し手と聞き手のあいだに成立している了解といった状況をも含めて、それぞれのことばの機能が解明される必要があると主張します。
こうした著者の発想は、一般的に語用論においてあつかわれている内容を「文法」の -
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キ、ヲ、ヂ、ヒコ=男の神
ミ、メ、ベ、ヒメ=女の神
仏教の伝来 蘇我氏は賛成、中臣氏、物部氏は反対。
仏神=ホトケという神。神宮寺=神社の中に寺を建てた=神仏習合。
神道。両部神道と山王神道。伊勢神道。卜部神道。
国学としての神道=江戸時代。本居宣長など。新政権の御維新=神武の親政に復帰すること=神仏分離令、廃仏毀釈。
神社なのに本尊は仏像=ホトケが神の領域に入り込んでいた。
日本語と同じ文法構造=アルタイ語=ツングース語、モンゴル語、トルコ語を含む言語群。しかし文法は同じだが単語は共通ではない。
インド最南端のタミル語が対応語を持つ。朝鮮語とも。
カミの言葉はタミル語から。