大野晋のレビュー一覧

  • 古典基礎語の世界 源氏物語のもののあはれ
    一冊まるまる源氏物語の「モノ」の語釈。
    これに学部の1年生の頃に出会ってたら文学を選ぶ可能性もあったのかな、っていうぐらいキッチリ理詰め。
    割と目から鱗。
    ただ、読者に源氏物語の知識がある程度あるのが前提。
  • 日本語の文法を考える
    もともとが講演録だということで、とても読みやすい本です。

    内容的にも、体系的にまとめられたものではなく、思ったことをトピック的に並べたもののようです。だから関心を持った部分だけを読めるようになっています。

    印象深いのは最初の「未知と既知」「ウチとソト」の区別と日本語の文法との関係について述べられ...続きを読む
  • 日本語の文法を考える
    学生時代、古文は嫌いだった。でも、現代語と古文は別物ではなく、そこには日本語としての一貫した体系があった。よく考えるとあたりまえ。内容は学術的で難解だけれどおもしろい。
  • 日本語練習帳
    社内の上司がおすすめしていたと知り、手に取ってみた。
    日本語の練習をするための本。中には課題が織り込まれている。
    単語から文の組み立て、文章の展開、敬語について書かれていた。こういう考え方があるのかと参考になった。
  • 日本語練習帳
    「思う」と「考える」の違い、「自」と「独」と「孤」の違い、考えたこともなかった。読むと面白い。でも途中で読むのをやめた。
  • 日本語練習帳
    単語の使い方(「思う」と「考える」、「嬉しい」と「喜ばしい」の違いなど)や「は」と「が」の働きなど。
    敬語の項では「ポリの野郎がきやがりましたぜ。」を例文にあげて、「話の中身」の警官には侮蔑的な扱いを、「話しかける相手」としての親分にはマシタと尊敬の意を表現しているという解説が面白かったです。
    使う...続きを読む
  • 日本人の神
    日本語タミル語起源説の大野先生の著作。神(カミ)という言葉は元々、恐ろしい威力をもったもの。神仏習合によって救助するカミと考えられるようになり、怨霊を鎮めるための仏教行事が生まれた。この御霊信仰は平安時代が起源と考えられているが、古代タミル語にもmu-iという同義の言葉が輸入されており、カミ信仰の原...続きを読む
  • 日本語と私
    日本語と向き合った人。

    国語学者の自伝。小さい頃から学生時代の勉強の様子、辞書の編纂、日本語の起源を探す旅路。どれもが真摯で、前向きな努力にあふれている。自分の生まれ育ったところに愛情と誇りがある。
  • 日本語練習帳
    「考える」と「思う」、「は」と「が」の違いや、文章の書き方、敬語の使い方など、日本語のより良い使い手になるためのエッセンスが詰まっている。一般的に日本語は他言語に比べて難しいと言われている。本書を読むと何故難しいのかの理由の一端を伺うことができる。
  • 日本語練習帳
    大野晋さんの名作。
    何度読んでも、新しく気づかされる。

    ◯「思うと「考える」の違い
    「思う」はひとつのこと 、「考える」は複数を比較すること。

    ◯「うれしい」と「喜ばしい」の違い
    個人的な満足と、社会的な慶祝・お礼。

    ◯「通る」と「通じる」
    向こうまで見渡せること、太い道。細い道を通すこと。
    ...続きを読む
  • 日本語練習帳
    ハの働き①問題トピックを設定して下にその答えが来ると予約する
    必ずその下に新情報ないし答えがある
    ハの下の答え(新情報)はどれかと求めるのが、日本語の文章を読むコツです。それは基本的にはその文章の結びの一句です。49ー50p
  • 日本語練習帳
    助詞「は」と「が」の違いがこんなにも整然と完全に説明されるなんて! 他にも「最良」と「最善」などのニュアンスを次々と具体的に説明してみせる筆者の力に圧倒され、もっと丁寧に言葉を扱わねばという意識が芽生える。古代日本語の尊敬語に関する話も興味深い。
  • 日本語練習帳
    ベスト・セラーになった日本語トレーニング本です。うろ覚えなのですが、齋藤孝の『声に出して読みたい日本語』が一世を風靡した「日本語ブーム」の頃の著作なのではないかと思います。

    著者が編纂した『岩波古語辞典』は大胆な語源解釈が提出されていることで知られていますが、一般向けの著作である本書でも、日本語の...続きを読む
  • 日本人の神
    言語からのアプローチで「神」についてを語っている。
    日本の上代以前の「神」とはどのようなものであったか、「神」ということばはどのように変化してきたか等。
    そして「神」という日本語とタミル語の共通についても書かれている。
    大野晋先生の著書なので、もっと言語について突き詰めたことが書かれていると更に良か...続きを読む
  • 古典基礎語の世界 源氏物語のもののあはれ
    現代語訳をしていると、生徒に聞かれることがある。
    「先生、この“もの”はどういう意味ですか❓」

    すみません。
    私はいつも逃げてました。
    今回、読んだことで、いかに深い言葉かわかりました。
    ただ、これを生徒に教えるかと言われれば難しい。
    興味があったら自分で読みなさいの世界だな。