横山勲のレビュー一覧

  • 過疎ビジネス

    Posted by ブクログ

    出身地である福島県において、企業版ふるさと納税を使った自治体詐欺があったなんて、この本に出会うまで知りませんでした。
    企業がふるさと納税した場合、9割が控除される。そして、その寄付を息のかかった企業が受託することで、グループにはその寄付金がほぼ丸々還流できるというスキームが悪用されているとのことです。
    過疎の小さな自治体にコンサルとして入り込んで、この仕組み作りをする行為を著者は詐欺と断じ、「過疎ビジネス」と名付けて大々的に地方紙でキャンペーンを打った時のルポになります。
    大手有名企業も名指しで指摘されており、読んでて本当に腹立たしくなりますが、過疎で固定化されたムラ社会のような自治体にも問題

    0
    2026年04月19日
  • 過疎ビジネス

    Posted by ブクログ

    報道の力は大きい。粘り強い取材から得られた事実は人の心を動かし、新しい情報が寄せられたり、それまで動けなかった人を立ち上がらせたりする。取材を通しての横山記者の現実への落胆や憤りが伝わってくる。それでも、最後の文章の中の“無力を悲観せずに社会の問題を自分事として引き受ける、そんな人間の意思を書き伝えたい”の一文に強いものを感じて安堵した。
    自然災害や紛争の影響で私たちの生活はすぐにぐらつくけれど、試行錯誤して何とか立っている。その場所が少しでも揺るぎないものであるように、日々変わる世界だから、身近な暮らしに係わる行政にも目を向けなければと思う。

    0
    2026年03月25日
  • 過疎ビジネス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・あらすじ
    福島県国見町で「企業版ふるさと納税」を財源にした事業が始まろうとしていたがその事業に正当性はあるのか?本当に町民のためになるのか?

    過疎地域に目をつけ自治体を食いものにし、公金を掠め取る私企業と過疎地域の現実的な問題を取材した河北新報記者の記事をまとめた新書。

    ・感想
    素晴らしい新聞記者さんだなと思った。
    そしてこの件を「問題なのではないか」ときちんと取り上げて戦った議員、市民の人々もすごい。

    民主主義は、選挙で投票するだけじゃなくてその後も継続的に監視しなければ十全に機能しないもの。
    でもそれを意識している、そして実行できている人なんて本当にごく少数なんだよなぁ。

    私個人

    0
    2026年03月22日
  • 過疎ビジネス

    Posted by ブクログ

    河北新報所属記者による粘り強い調査報道の記録である。昨年読んだ秋田魁新報社によるイージス艦配備問題同様、いち地方紙による告発が多くの反響を呼び起こし、結果的に国の制度や方針を転換させるに至った快挙である。新聞の衰退による人手不足で、どこの記者も日々の業務に忙殺されるようになり、行政側、警察側から提示される公式発表から紙面を構成する安易な報道に陥いりがちになる。そんな中、この著者は地元民の小さな違和感がもたらした情報から、大きなうねりを生み出すことに成功した。ここで扱われているような過疎ビジネスは、都会に住む為政者の甘い制度設計とその甘い汁に群がるコンサルがある限り、今後も日本各地で起こるのでは

    0
    2026年03月16日
  • 過疎ビジネス

    Posted by ブクログ

    友達に勧められて。

    横山さんの語り口が非常に熱が入っていて記者らしさを感じた。怒りの気持ちが伝わってきて読者側も感情移入させられる、そんなような文章だった。

    最初はコンサルが全て悪いのではないか?金稼ぎコンサルも大概にしてほしい。と思い読み進んでいたが、徐々にそうではないことが明らかになるにつれて自治体にも怒りが湧いてくる。

    コンサルはもちろん民間企業なので稼ぐことも大きな使命としてあると思う。だけどもそんなアコギな商売でチマチマ稼いだお金を使ったその先の事業なんてたかが知れてるし、ダサいと思わないのかな、。ビジネス界隈では法律の穴をつくことがハングリーさがあって賢くて良しとみなされてい

    0
    2026年03月15日
  • 過疎ビジネス

    Posted by ブクログ

    2026/01/09 読み終わった
    積読チャンネルで紹介されていたので。
    自分たちの暮らしがこんな形で脅かされたら嫌だな、知っておいて未然に防ぎたいな、と思って読み始めた。

    スキームがだんだん明らかになっていった時に、感情ではなく論理的にこの行為が悪いことであると証明する必要がある、という筆者の姿勢に感銘を受けた。法律に違反してないから何しても良い、という観点はこの部分で否定できるのだと。
    誰かが何かを行なっていて、それを自分が見た時に「なんとなくモヤモヤする」、そんな時にはこの観点を思い出したい。
    あと地元をよくしたい。

    0
    2026年01月23日
  • 過疎ビジネス

    Posted by ブクログ

    町役場の腐敗度合いに空いた口が塞がらない。企業版ふるさと納税の抜け道は素人が見ても明らかで、なぜ問題になるまでこの制度が通用すると思っていたのか甚だ疑問である。
    兵庫県で話題になった百条委員会とはなんたるかも勉強になった(そこまで強靭な力があるとは知らなかった)
    著者のジャーナリズム精神と取材に協力した人々に敬意を示したい。

    0
    2026年04月30日
  • 過疎ビジネス

    Posted by ブクログ

    積読チャンネルで紹介されていたのと、地元福島県の事件(?)が取り上げられているので読んでみた。

    「河北新報」すごいな。戦時中も他の新聞が政府のプロパガンダ紙となる中、最後まで抵抗したのがここだと聞いたし。それに対して取材もせずに町役場の発表を掲載するだけの、地元新聞の情けなさよ。

    全ての市町村が生き残るなんて無理。どうやって消えていくかを考えていかないといけない時期になっているのは皆わかっていると思う。まあ、どの町も自分のところは残りたいと思っているから、だまされる市町村も出てくるわけだが。

    DMMが絡んでいたのは「さすがDMM。抜け目がない」と思った(笑)。

    0
    2026年03月20日
  • 過疎ビジネス

    Posted by ブクログ

    福島県国見町における、企業版ふるさと納税の寄付金の還流スキームに関する、河北新報の記者の取材実録。地域コンサルの自称するワンテーブル社が救急車ベンチャーのベルリングと提携し、救急車リース事業を国見町から受託した際、その原資がベルリングの親会社であるDMMが納税したものであったという一件について、時系列に沿いながら説明している。
    企業版ふるさと納税制度としては、寄付金を使った事業を受注する際に自治体の入札契約のプロセスを経ていれば、仮に寄付企業やその子会社が寄付金を使った事業を受注することになっても「癒着の問題は生じない」というスタンスであり、「過疎ビジネス」の深い闇を生んだのは国の責任もあると

    0
    2026年03月15日
  • 過疎ビジネス

    Posted by ブクログ

    実際にあった取材をまとめたものだけど、池井戸さんの作品を読んでいるようなスリリングさがあった。
    問題は根深く、コンサルの狡猾さもさることながら、自治体の体たらくさ、国の制度設計の甘さ、そして住民自身の関心の薄さなどの複数要因が絡まってこの事態に陥っているんだなと。「地方創生」の困難さをひしひしと感じた。
    それにしても、この国見町のこの不正を見つけ出し、慎重にかつ確実に真相に迫る情報を集め、全国的に広め、「コンサルが僻地を狙いうちにして公金を吸い上げる」事態を問題提起できた記者さん(著者)すごい。
    こうして、国や行政機関が国民や住民の意図しない方向に行かないように監視するのが本来の報道機関のある

    0
    2026年03月14日