横山勲のレビュー一覧
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これは「残念な日本の、我々の物語」だと思いました。
私は東京生まれで企業勤め。過疎自治体の話はあんま関係ないんだけどな…と思って読み始めたら、日本全体の失われた30年のひずみがここに集まっているような印象を受けました。
エピローグにあるように、最終的には人口減少の話に行き着くのですが、人口が減っても一人当たりの生産性を上げて全体を維持しようね、というストーリーのはずが、一人にたくさんの仕事を負担させてダウンサイジングしようね、と筋書きを勘違いした結果、この悲しい30年の物語が生まれてしまったのだ、と。
さて本著、河北新報の記者による調査報道をベースとした「地方創生」の現実をつきつける1冊です -
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福島県国見町における、企業版ふるさと納税の寄付金の還流スキームに関する、河北新報の記者の取材実録。地域コンサルの自称するワンテーブル社が救急車ベンチャーのベルリングと提携し、救急車リース事業を国見町から受託した際、その原資がベルリングの親会社であるDMMが納税したものであったという一件について、時系列に沿いながら説明している。
企業版ふるさと納税制度としては、寄付金を使った事業を受注する際に自治体の入札契約のプロセスを経ていれば、仮に寄付企業やその子会社が寄付金を使った事業を受注することになっても「癒着の問題は生じない」というスタンスであり、「過疎ビジネス」の深い闇を生んだのは国の責任もあると -
Posted by ブクログ
実際にあった取材をまとめたものだけど、池井戸さんの作品を読んでいるようなスリリングさがあった。
問題は根深く、コンサルの狡猾さもさることながら、自治体の体たらくさ、国の制度設計の甘さ、そして住民自身の関心の薄さなどの複数要因が絡まってこの事態に陥っているんだなと。「地方創生」の困難さをひしひしと感じた。
それにしても、この国見町のこの不正を見つけ出し、慎重にかつ確実に真相に迫る情報を集め、全国的に広め、「コンサルが僻地を狙いうちにして公金を吸い上げる」事態を問題提起できた記者さん(著者)すごい。
こうして、国や行政機関が国民や住民の意図しない方向に行かないように監視するのが本来の報道機関のある -
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企業版ふるさと納税の制度を悪用した自治体とコンサルの闇を書いた内容です。確かにひどいものだと感じました。
悪い事例は、これも氷山の一角かもしれませんが、この本で書かれています。でも、当初の意図、目的は地方にお金をまわし、ビジネスを起こし、地方を活性化することだったと思います。では当初の意図を実現した例はどんなものがあって、どのくらいあって、ということも調べてみたいと思いました。
なんらかの制度をよかれと思ってつくると、必ず悪用する人は現れる。これは避けられないものなのか? 悪用される可能性があるからやらないでは何もよくならないのではないか? いろいろと考えさせられました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書が取り扱っている内容は、昨今の言葉で表現するなら「公金チューチュー」に分類される。エコ、弱者救済、多様性など、人道や倫理で着飾って利権を貪るムーブメント。21世紀になって、さまざまな局面でこのスキームが暴露されるようになった。前世紀は潜在していたのだろうが、もはや隠しようもなくなっている。市井の身でも知れることが大手を振ってまかり通っていたのは、主導者勢力に大国の大統領が所属する政党が含まれていたからだろう。それが覆って流れが変わったが、末端まで行き届いていない。
ゆえに他人事ではない。特に移民政策に関しては地方自治は侵略されていると感じるし、知事連合とやらは元はどうであれ現在は随分と筋 -
Posted by ブクログ
2025年度、コンサルタント会社の倒産が過去最多だというニュースを見て「コンサル会社のことはよく知らないけど胡散臭いよなぁ」と思っていた矢先、この本のレビューを読んで早速取り寄せて読んでみた。
ここに出てきた会社は補助金欲しさに自治体を騙し、地方議員を雑魚と呼ぶ。正に外道という印象。
しかしながら、自治体も自治体でコンサル任せ、自分の地域のことなんかこれっぽっちも考えてないのだから雑魚と言えば雑魚である。
雑魚コンサルと雑魚行政がくっついて最悪の展開になっていったのだなという感想。
それでも中には義憤に駆られ、不正を通報したり追求する人たちもいるのだから、地域創生の芽が潰えたわけではない。
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