横山勲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これぞジャーナリズムと感じる1冊。
オールドメディアがオワコン化している中で、しっかりと足で情報を取りに行き取材をした上で、コンサルの過疎ビジネスなるもの闇を取り上げた点が意義深く感銘を受けた。
グレーな所を攻めて金を巻き上げようとするコンサルはもちろん、闇を暴かれた後にグダグダと言い逃れをする首長も大概である。
最近であれば静岡県伊東市の元市長が学歴詐称で物議を醸したが、本当に市民のことを思うのであれば保身に走らず、潔く謝り進退を決めて欲しい。
国見町の件も伊東市の件も首長が保身に走ったばかりに、元々の市政の停滞以上に影響を受けているのである。
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Posted by ブクログ
著者をはじめ、協力者の覚悟も伝わるものすごい熱量で書かれていてとても引き込まれた。最初、別件を調べていた際に感じた違和感からこの問題を見つけ問題が地続きにどんどん規模や地域を広げて発覚していく様から、記事が書かれた後、協力者が増え「このままではいけない」と公務員や議員が変わっていく様子や、全国誌も協力し他の地域でも問題意識を持って自分たちの施策の振り返りが行われていく様子は地方新聞社と地方自治の底力を見せつけたドラマのようだった。後半胸が熱くなった一方、記事で取り上げられなかったらこのように彼らが自らを省みることはなかったと思う。また、地方創生自体の問題については結局解決していない。また、公益
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Posted by ブクログ
──無視されるちっちゃい自治体がいいんですよ。誰も気にしない自治体。
(地方議員は)雑魚だから。俺らのほうが勉強してるし、分かっているから。言うこと聞けっていうのが本音じゃないですか──。
第二九回新聞労連ジャーナリズム大賞を受賞した「『企業版ふるさと納税』の寄付金還流疑惑に関する一連の報道」を元に書き下ろされた本作。
企業型ふるさと納税を使った『寄付金還流スキーム』にて、公金を吸い上げる。本書の中でいう『超絶いいマネーロンダリング』で、官民連携を通じて『行政機能をぶんどる』ことで巧みに『過疎ビジネス』を行っていたコンサル業社と、自ら進んでコンサル業社の食い物にされ、自治体の未来を -
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過疎地域の自治体の人的・物的弱みを見透かして、公金をかすめ取るビジネスの実態を丹念な取材から浮き彫りにする。
官民連携のトレンド下で、民間企業の利益追求の本質(経営者にもよるが)を行政の怠慢によって不適法ないし本来の制度趣旨を逸脱させるリスクを現実のものとして考える機会を与えてくれる。
企業版のふるさと納税の杜撰な制度設計に危機感を感じなかった中央官庁には責任をとらせなければいけないのではないか?
本書で描かれる社会的な病状が人口減少、東京を中心とした首都圏への人口集中に起因していることはその通りだろう。
東北の地方紙であろうとそこでいかに志を持って、よりよい社会構築に貢献するジャーナリズムの -
Posted by ブクログ
ネタバレ匿名で企業版ふるさと納税→自治体から案件受託したコンサルがその金で寄付した会社の子会社に委託発注というマネーロンダリングを東北の地方紙である河北新報が暴いた話。まず隠匿されたその実態を度重なる取材で暴いた河北新報の記者の執念がすごいし、それを指摘されても集団として責任逃れに走る自治体の姿も書かれていてムラ社会化した限界地方自治体は腐るんだなと感じた。
それを暴かれたコンサルも、「大きな自治体だと大企業に勝てないから、俺らは誰も目につけない弱小自治体を相手にする」(意訳)というようなことを述べていて、よくそういうこと思いつくなと思ったと同時に、システムの抜け穴作った総務省にも責任あるなと感じた -
Posted by ブクログ
地方自治の現場を長く歩いてきた者として、本書『過疎ビジネス』は胸を締めつけられるほどリアルだった。小規模自治体に人員も専門知識も足りず、複雑な制度の前で思考が止まり、コンサルの提案を十分に吟味できないまま事業が動き始めてしまう——そんな“構造的な弱さ”が、鮮烈であり、痛々しいほど描かれている。
特に福島県国見町の救急車リース事業は圧巻だ。合理性が見えないまま突き進む行政、形骸化した議会、常駐できず深掘りしきれない地方メディア。町にとってどんなメリットがあったのか、なぜここまでのめり込んだのか——この「動機の闇」は最後まで完全には解き明かされない。しかし、その“説明不能”こそが地方行政の危うさ -
Posted by ブクログ
これは「残念な日本の、我々の物語」だと思いました。
私は東京生まれで企業勤め。過疎自治体の話はあんま関係ないんだけどな…と思って読み始めたら、日本全体の失われた30年のひずみがここに集まっているような印象を受けました。
エピローグにあるように、最終的には人口減少の話に行き着くのですが、人口が減っても一人当たりの生産性を上げて全体を維持しようね、というストーリーのはずが、一人にたくさんの仕事を負担させてダウンサイジングしようね、と筋書きを勘違いした結果、この悲しい30年の物語が生まれてしまったのだ、と。
さて本著、河北新報の記者による調査報道をベースとした「地方創生」の現実をつきつける1冊です -
Posted by ブクログ
河北新聞の記者である著者が、企業版ふるさと納税の闇をあばいた顛末を一冊の本にまとめた。地方紙の記者が信念をもって取材し記事にしたことに脱帽。
福島県国見町の救急車リースの不正の顛末
企業版ふるさと納税を匿名でした会社(DMM)が、納税先の自治体をあやつって納税金を使った事業を子会社に発注させる。 納税企業は減税分を考慮すると、事業の受注が無料で確約できる(うまく高値で受注できると利益は増加)。本来なら得られない税収で自治体は事業を始められる。住民は事業に就労等でかかわることで賃金や利益を得られる。損をするのは納税企業が本来税を納めるべき自治体だけ。直接の関係者は誰も損をしない 超絶いいマネー -
Posted by ブクログ
河北新報記者である著者が、福島県国見町の「企業版ふるさと納税」を財源とした不可解な救急車リース事業の闇を掘り下げ、コンサルが過疎自治体に侵食し、公金を食い物にする「過疎ビジネス」と、地域の重要施策をコンサルに丸投げし、問題が発生すると責任逃れに終始する「限界役場」の実態を明らかにし、「地方創生」の現実を突きつける。
甘い制度設計の隙を突いて過疎自治体を食い物にする一部コンサルの存在や、過疎自治体のコンサル依存といった地方創生施策の負の側面を思い知った。全ての自治体を競わせるような「地方創生」そのものに無理があったように思われる。
福島県国見町の事案を独力で暴いた著者には敬意を表したいし、新聞記