横山勲のレビュー一覧
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この本は面白い。世の中には頭のいい悪党がいるもんだと感心するよ。ふるさと納税制度を使って違法スレスレの脱法行為で金儲けをする。よく出来たカラクリで、内部通報者がいなければ違法行為は明らかにならなかったろう。
同じように、国の仕組みを消化しきれない地方自治体に入り込んで公金を掠め取る悪党は、表に出ないだけで山ほどいるんだろうな。今でも。
ここには腹が立つが、一方でこれに似たスキームを合法的に使って地方活性化や過疎地支援を行うスキームが組めないものかとも思う。鍵は地方自治体の提案力となるので、やはり無理かな。なんて、いろいろ考えさせられる。悪党になりたい人にも、善人になりたい人にも読んでほしいね。 -
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あれ?おかしいんじゃない?と思うかどうかが、人として正しい道に進んでいけるかどうかの分かれ道になる。著者は新聞記者であり、受け取ったタレコミから、どうやって取材して、事実を明らかにしていくか、その手法まで教えてくれる。プレスリリースされたものをただまとめるだけの記事を書くのか、あれ?と思ったことを丁寧に取材して記事にするのか。著者は後者だ。公開されてる情報を丹念に丹念に調べていく。取材対象の企業人、公務員、町長などについても、その人の立場ならどうするべきなのか、どうするべきだったのか、考えながら読んだ。
公共の福祉という視点を忘れてはならない。
地方自治体は民主主義の学校というらしい。大事にしたい。 -
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目から鱗の一冊。
恥ずかしながら、「企業版ふるさと納税」という制度も、この本を読んで初めて知った。まさか、この制度を利用して小さな自治体の公費を狙い、利益を得ようとする企業がいるなんて、想像もつかなかった。
ワンテーブル前社長の録音内容も衝撃的だった。地方議員を「雑魚」と呼んで見下し、「自分たちのほうが行政のことを分かっている」と考え、「行政をぶんどる」ことまで企んでいた。その姿勢には本当に驚かされた。
一方で、地方活性化の施策を十分に考えず、東京のコンサル会社に丸投げしてしまった自治体側にも責任があると思う。高齢化はどの地域でも進んでいるからこそ、その地域の特徴や住民の声を丁寧に分析し、その地域ならではの施策を考えることが大切なのではないか。
もちろん、国の側でも企業版ふるさと納税の制度をさらに改善し、企業による制度の悪用を防ぐ仕組みを整える必要があると思う。
そして、この問題を長い時間をかけて、諦めずに取材し続けた河北新報の記者の方々にも、心から敬意を表したい。 -
Posted by ブクログ
企業版ふるさと納税の抜け穴を利用した脱法ビジネスを克明に記したノンフィクションである。
「過疎ビジネス」というタイトルと、「コンサル栄えて国滅ぶ」の惹句が極めて秀逸だ。
始まりは特別職員の給料アップの条例が可決された事から始まる。また当該自治体に不釣り合いな高規格救急車を12台購入するという一見関係ない事実が一つに繋がる。上質なミステリのような導入。
最終的にはふるさと納税で税額控除を受けつつ、同グループの企業が事業を受注する「循環売上」。さらに入札仕様を自ら固め、通常より高額で落札させるというスキームということが判明する。
国がコンサルタントにお墨付きを与えたため自治体側も信じ込んでしまった側面はあるが、職員の専門知識不足や議会との相互監視の欠如も大きな要因である。平成の大合併の際、他自治体と合併していれば国見町でこの事態は起こらなかったかもしれない。これは国見町に限らず、0.5以下の財政指数の自治体のみを狙い撃ちにした「還流ビジネス」なのが始末に置けない。
現在も似たようなスキームでコンサルが潜り込んでいるのではないかと、疑念を禁じ得ない。
権力の監視こそがマスコミ本来の役割である。ファクトを泥臭く積み上げ、世間に問いかける——政争の不毛な報道ではなく、政策の妥当性に焦点を当てたこうした骨太なレポートをもっと読みたい。 -
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地方の過疎地域のふるさと納税の制度を悪用したコンサルビジネスの実態を描いた内容である。
正直、読んでて腹正しい内容だった。
腹正しいかったのは舞台の福島県の国見町を食い物にしようしたコンサル。
正直、最近の企業の経営者てここまで倫理観がないのかと驚いた。やってることはxでイキってる経営者崩れと同じだった。
次はこの町の議会、議長、そして役所。
正直、地方の議会はひどく、小さな町の議会もどうしようもない有様なのは知っていたが、読んでここまでとは驚いた。民主主義の学校である地方自治がここまで衰えたとは…
最後は他人任せ体質。結局は地方創生や地域活性など聞こえいいが他人任せ、無責任体質。
この体質は地方だけではなく、日本社会の根本な気がする。
これでは果たして地方よくなるのか?
考えさせられる内容だった。
正直、ドキュメンタリー映画にしてもよい内容だと思う。
地方自治の実態ちゃんとみないと無駄な税金がバカなコンサルと頭の悪い議員に食われる。
#読書
#読書記録
#読書ノート
#読書垢さんと繋がりたい
#過疎ビジネス -
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著者と協力者の奮闘に拍手の一冊。他の方も感想に書かれていましたが、この手の案件は氷山の一角だと思いました。タイトルと帯を見て、あなたが想像したような話となっています。そして、今回のような問題予備軍の自治体もたくさんあるのではないでしょうか。本書は勧善懲悪の方向で終わりましたが、同じことを起こさないためにも市民が市政に興味を持つって書くのは簡単すぎるのですが、実際は難しいのでスッキリとした気持ちでは終われませんでした。
■著者と協力者の方々の奮闘
他の仕事もあるだろうに、よくぞここまで調べてくれた。これで終わりではないでしょうが、これからも活動していってほしいと思わされました。
協力者は市民でもある方もいるのですが、行政との関わりは予防接種くらいみたいな人も多い方も事実。現役世代はバタバタしていて行政の関わりが薄いので、シニアの方にぜひ活躍してもらいたい場面だなと思いました。
■自治体の焦りが少しわかる気がした
わたしが通っていた小学校は今はありません。過疎化一直線の町で育ちました。その町は今や、駅前のコンビニも撤退し、バスは2時間に1本。そんな自治体に専門的な優秀な人がこぞって就職する?その自治体の近くに住んでいる人でやりくりしないといけないであろう現実。
どうにか町おこししないと町の魅力はどんどん失われていく。人口が減っていく。。
そんなとき、「優秀なわたしたちにお任せください」と来たら、「あーよかった、自分たちよりうまくやってくれるだろう」と自治体職員が任せる構図。
わたしは人口増や予算増を是とする雰囲気が自治体、政府、企業にあるため、このような歪みが生じるのではと思っていますが、資本主義だから是正できないのでしょうか。人口減を前提としたやりかたはないのだろうかと思わされました。
本書に出てくるコンサルがズルいと言うのは簡単なのですが、その背景に金や人が増えることに価値がある価値観があるのではと思いました。
世の中、お金のために働いているのに矛盾しているのですが、そんな感想を持ちました。
■余談
河北新報の名前の由来が負けん気が感じられて好きでした。 -
Posted by ブクログ
企業版ふるさと納税の制度の穴をついて利益を還流するビジネスモデルにはむしろ頭が下がるくらい。その頭があったら自分の利益だけじゃなくてもっと他のことに費やせばいいのに。
ただ、本質はそういう穴のある制度をなくしたいっていうのと、一人一人が制度や税金の使い道について無関心だから起こるんだということを警鐘したいんだと感じた。
地方にかかわることが増えて過疎ビジネスでどんな学びがあるのかなと思って手に取ったから思ってた内容とは違ったけど、逆に都市部の人間が地方に入り込むってのはこれから警戒されることにもなるんだろうなと。
あと、補助金とか延命策といったものだけ与えて何もしないというのは「やってあげた気」になってるだけで、地方には何の力も残らないんだなと思った。それよりも時間はかかるかもしれないけど、自分たちで内製化できるところまで一緒に作り上げるってことが本質で、そのための関わり方、考え方をしていく必要があると感じた。 -
Posted by ブクログ
●官民連携という甘い響きの裏で過疎自治体をむさぼる「利権構造」と、地方の未来を丸投げする行政の落とし穴を暴いた一冊。
●過疎ビジネスの実態を知る。→地方新聞社の役割は非常に重要だなと強く感心した。
●「過疎自治体に寄り添う親切な企業」という顔の裏で、国の公金が巧みに吸い上げられていく仕組みに、よくこのスキームを練り上げたものだと妙に感心してしまった。本書が描くのは、過疎に悩む自治体に接近して甘い蜜を吸うビジネスと、主体性を失って頼り切ってしまう役所の生々しい実態である。特に手口が洗練されていると思ったのは、自前で消防署すら持たない町が、議会のチェックをすり抜けるために救急車の「購入」ではなく「研究開発」という名目を立ててプロポーザルに持ち込んだというからくりだ。ルールをすり抜ける巧妙さと、それを許してしまう行政の「間違いを認めない(無謬主義)」体質に、日本の未来に対して危機感を覚える。地方創生という言葉の影に隠れた歪みを教えてくれる、誰もが他人事ではいられない一作。 -
Posted by ブクログ
新聞の書評を読んで興味が沸き手に取りました。
まるでドキュメンタリー映画を観ているような展開で、特に、著者が入手した録音データの場面はあまりに生々しく、地方自治体を“狙う対象”としか見ていない当事者の言葉に唖然としました。
本書では、福島県国見町で行われた「救急車12台スキーム」を中心に巧妙な手口をつまびらかにしていきます。
企業版ふるさと納税で匿名で寄付された4億円超の資金を使い、高規格救急車を製造して他自治体にリースするという事業ですが、実際には寄付した企業がグループ子会社を使い、グループとして利益を得る構造になっていました。それに、事業を受託したコンサル会社は公募前から救急車を発注していたり、市長が強引に話を進めたり、不自然な人事発令や昇給など、簡単に疑われる材料が揃っているのです。ナメすぎ!!
こうした不正の背景には、人口減少と財政難のため、役場職員の不足、議会の機能不全から、役場が外部コンサルに依存せざるを得ない状況に問題がありました。その隙間に過疎ビジネスは巧妙に入っていくのです。それに住民の無関心が重なり、今回のようなことが起きました。
読み終えて最も強く感じたのは、「もし自分の住む街で同じことが起きても、私も気づけないだろう」という思いです。
行政の動きに無関心でいることは、結果的に不正を許す土壌をつくってしまいます。無関心は罪、というか悪だと痛感しました。
本書は地方創生の裏側を暴くだけでなく、当事者として地域を見ているか、と問いかけられる作品でした。耳が痛い・・・ -
Posted by ブクログ
これぞ新聞記者の仕事って感心した。これからも調査報道の手を緩めないでいただきたい。地方紙の方が頑張ってる気がする。
企業版ふるさと納税って、ほんとに甘い設計だったのだな。儲けようと思う人(企業)はその弱点を攻める形で、いくらでも儲けられるようになっていた。
給付金や交付金っていうのも常々なんかすごく闇がある感じがしている。大体仕事を外注してるし。公務員の数を減らし、その少ない数で処理できないようなお金を自治体に下ろすのだから、外注せざるを得ない。間で抜かれるお金の額はバカにならない。
地方の過疎化はどうしたらいいのだろう。
国全体の人口減少はどうしたらいいのだろう。
利権とは関係なしに大きな視野でものを考えてくれる政治家や官僚はいない気がする。
お上に任せっぱなしみたいな、多くの私たち国民も良くない。
いろいろ考えさせられる本だった。
繰り返しになるが、新聞記者の方には権力を持つ者の監視者として、これからも頑張ってほしい。
不正を発見し追及すると良い方向に進むという結果になった。そのことは無力感に打ちひしがれそうになりがちな昨今の情勢ではあるが、希望がないわけではないということの証明になった。あきらめてはいけない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレそりゃこんな責任転嫁ばっかの大人がいるのだったら若い子とか女の人とかはいなくなるよね過疎るよねーとおもってしまった。
ひたすら胸糞悪くて読むのに気が滅入ってしまったけど丁寧にまとめてくださっていてわかりやすかった。
そして全然本筋じゃない感想が最後に残ってしまった。
二〇二四年に生まれた子どもの数は六八万六〇六一人で、一八九九年の統計開始以来、初めて七〇万人を割った。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、出生数が六八万人台になるのは二〇三九年の見込みだった。恐ろしいほどのスピードで少子化が進んでいる。
というところに驚いてしまった。
サッカー選手が性犯罪をしてもワールドカップに出られる国で、何人の女の人が子供をたくさん産もうと思うだろう。
とか全然関係ない方に気持ちが向いてしまった。これはこの本の本筋ではない。
女の話を聞くところから始めたら地方にも、女が残るんじゃないかとは思うものの結局、男が困るから話を聞くだけであって、男都合で社会が動くよなと思う。
女が困ってるから話を聞くわけじゃないのよね。
この構造が変わらない限り地方創生は無理だし、そんな地方は滅びてもいいと女として思う。