垂秀夫のレビュー一覧
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垂秀夫、もと在中国大使の若い頃からの外交との関わりと逸話をまとめたもの。多くの外交官に対する叱咤激励と鼓舞、こうしたメッセージを多く盛り込んだ自伝的な内容。スパイばりに多くの政府系の相手国、具体的には中国の高官と仲良くなり、関係を構築しながら情報を得てきたことを教えてくれる。違法行為ではなく、ちゃんと関係を構築してきたということが支えるロジックだが、おそらく本当に色々やってこられたのだろう。個人と個人の関係と、国と国は異なるロジックで動く。こうした観点の違いをしっかり認識して動くこと、情報は自分がそうあって欲しいというバイアスがかかる。これはAIを駆使したとしても同じだろう。
バイアスは時とし -
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ある限られた情報しか日頃摂取してないんだなと思わせる本。中華人民共和国の成り立ち、台湾(中華民国)との関係、尖閣問題、台湾有事など我々のナショナリズムを喚起し煽る投稿や報道が溢れているが、そこで目にする、耳にする情報と異なる深い洞察が得られる。
教養とは歴史だと言われるが歴史を知らなければ目の前のニュースの適切な判断は難しい。特に中国共産党によって検閲されている情報ならなおさらだ。
中国の台頭や在留外国人の増加は、将来への不安を煽るし、決して気持ちいいものではないが、このあと個人として、社会としてどう立ち向かうべきかを考えるには、歴史と適切な情報から学ばなければならないなと、本書を読んで思 -
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気骨ある外交官。我々が知らないところで中国や台湾からの無理難題に対して、時には日本政府を使い、時には日本政府と戦いながら自らが信じた国益を守る、歴史に恥じない外交をしてきた垂氏。
この本を読むと鄧小平が掲げた経済中心の国づくりから、習近平体制で経済より国家の安全を最重要の国づくりを目指して変遷している事がよくわかる。
習近平体制が続く限り方針は変わらないが、習近平後には必ず新しい中国になる。新しい中国を作るのは誰か?それは今不遇な環境にいる民主活動家たちかも知れない。将来の孫文が日本にいるかも知れないと言う。
垂氏は対中強硬派と言われるが、決して反中ではなく中国との関係改善を求める戦う外交 -
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2023年12月に中国大使を退官した著者が、1985年外務省に入り中国語研修のチャイナスクールの出身でありながら(事なかれ主義や対中国弱腰外交と揶揄されることが多い)、中国国内外に独自の人脈(表裏あり)=情報網を築き、キャリア外交官としては珍しい中国語圏の中国・香港・台湾の赴任を通じて戦略的な外交を推進する様を数々のエピソードから浮き彫りにする。
そのスタンスとして隣人としての中国との交流が長い歴史を有することを理解し、個人としての中国人と共産党1党独裁体制下の中国を峻別したうえで、民主主義国家体制の日本の国益(国際的な立場、状況を含め)を外交を通じて守る(それは憲法の平和主義の現実的選択その -
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前中国大使垂秀夫さんによる一冊。
全豪大使の山上慎吾さんもそうだったが、公務員でありながら外交官は多分に政治家的というか、そういう視点と気概がなければ務まらないと感じる。
へこへこ仲良くしてねえへへ的に見える外務省の中でしかし、国益を考えていうべきことを言うというのは、非常に難しい。本人一人でなく、周囲にそれをサポートできる、あるいはそれ以上の人がいないと叶わない。
面白く読んだ。
今のチャイナは、経済優先から国家の安全最優先になり、一党独裁から一人独裁になって、それは別の国になったに等しい。集団指導でなくなったから、誰かを切って収めるという手段もとれず、これまで以上に無謬性を押し出し -
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前駐中国特命全権大使垂秀夫氏の約40年に亘る対中国外交の記録。
南京大学留学以降、氏は官民、体制派/反体制派を問わず、これはと思う人物との公私両面の交流に力を注ぎ、その人脈、情報収集・分析力は日中(米)の政権中枢からも高く評価された。
多くの中国・台湾の要人と胸襟を開く関係を築き、国益を賭けた戦いの最前線に立ち続けた氏の指摘はどれも深い示唆に富む。
「親しき仲には礼儀なし」の中国人だが、「水を飲むときは井戸を掘った人のことを忘れない」は中国共産党の大嘘。
中国嫌いの風潮の中、日本の政治家の訪問先は台湾一辺倒だが、中国とのパイブも太く維持すべき。
毀誉褒貶あるが、野中、二階のパイブは太く、 -
空虚で退屈な本
著者の日本外交への貢献には大変感謝しているが、明らかに著者は文章を書く資格がない。本書には、先入観にとらわれた悪意ある憶測や、根拠のない傲慢さがあまりにも多く見られる。日本と複雑な歴史的因縁を持つこのような国を前に、本来であれば常に謙虚でいるべき釣り英雄氏であるが、そうしなかったことが、現在の対中外交の劣悪な状況につながっている。釣り英雄氏が中国をよく知っていると思い込んでいるからこそ、中国に対する誤解が相次いでいるのだ。総じて内容は空虚で退屈であり、これは私が当初期待していた本ではなく、著者が金のために書いたありきたりな本に過ぎないのだと気づかされた。