山口慎太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
母乳育児は生後一年の子どもの健康にはプラス、その後は影響なし
生後母親と過ごす時間の長さは子どもの将来の進学状況や労働所得に影響なし(保育園の環境が良ければ愛着理論は母親である必要なし)
父親育休
ノルウェーやスウェーデンの研究では、父親が約一ヶ月の育休をとった場合、所得が2%減り、16歳時点の子どもの偏差値が1あがる。
またケベック州の研究では、育休改革後に父親の子育てや家事の時間はそれぞれ15-20分増えた。アイスランドでは離婚率が下がった。(一方でスウェーデンでは3年以内で増加するも5年後では変化なし=離婚が前倒しされた)
日本の研究では、保育園に通うと、母親の学歴が低い(高校を卒業 -
Posted by ブクログ
本書は気鋭の労働経済学者による、サントリー学芸賞受賞作である。
副題に、データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実とあるが、「真実」とはいえ、これは、「巷のあやしい言い伝えや、噂話よりは真実に近い」というのが正確であると思われる。
実際に、著者もデータ分析の解釈については、慎重に判断をした上で解説をしている。
もっとも、本書を通じて巷のデータ分析や、そもそものデータが「結構あやしい」かもしれないという可能性に気づくだろう。
分かりやすく刺激的なデータと、データ分析に惑わされずに「家族の幸せ」を選択していくために、有用な本である。
個人的には、伊藤公一郎(2016)『データ分析の力』 -
Posted by ブクログ
結婚、出産、子育てにまつわる事柄について、データに基づく、経済学をはじめとしたさまざまな科学的研究成果をもとに、家族がより「幸せ」になるためのヒントを紹介。
マッチングサイトのデータ分析、出生体重の影響、母乳神話の虚実、育休制度の政策評価など、本書で紹介されている結婚や子育てについてのデータに基づく最新の研究成果は、どれも興味深いものだった。また、育休に伴う給付金の充実よりも保育園の充実のほうが重要、幼児教育・保育無償化よりも待機児童解消が急務といった有益な政策的含意も多かった。
本書で紹介されている研究成果のほとんどは海外の事例を分析したものであり、日本と同様と考えていいのか確信が持てないと