藍上央理のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ怖かった…けれど、
とにかく、今昔いつの世も結局悪いのは人間なのだ。
ひとりの狂人の手によって歪に成らざる得なかったある家族、外への救いが望めない状況の中、内へ内へと進む中で子供たちは閉じた円環を結び、
その輪こそが完璧な家族となる。
やがて全員が死に絶えてもその輪は残り、新たな家族をその内に次々と取り込んでゆく。
そして、
そこで起こったそれらの事件の語り部こそが、我知らず円環の中央に座する者だったとは!
怖さは勿論、それ以上に気分の悪い物語だった。
作者自身も恐らくはそれを意図してこの作品を紡がれたのだと思う。
それも一つの悪意なのだろう。
2025年現在そしてその界隈、世界では -
Posted by ブクログ
ある新人賞に応募された『完璧な家族の作り方』。
ホラー小説を手掛ける某編集部は、著者の目的のため、書籍化を決定した。
北九州に現存する一軒家で起きた凄惨な事件。その家で増え続ける行方不明者と、取材記録の数々。応募原稿には、一枚の家族写真が添付されていた……。
note主催創作大賞2024角川ホラー文庫賞受賞作のモキュメンタリーホラー小説。
音声記録での証言や手記、雑誌の抜粋などからなる不気味なジャパニーズホラー。
歪んだ家族をめぐる物語です。
デビュー作とのことですが、じっとり湿度のあるホラー小説でなかなか怖い。
でもなんかこう、機能不全家庭や死別などで素敵な家族を求めていた登場人物たち