あらすじ
新人賞に応募された小説作品「完璧な家族の作り方」。
角川ホラー文庫編集部は、著者のある目的のため、本作の書籍化を決定しました。
※本作は、note主催・創作大賞2024〈角川ホラー文庫賞〉受賞作です。
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Posted by ブクログ
梨さんが震撼した話題作。
あなたも完璧な家族、作れます!
めっっっっちゃ怖かった…
「虎ロープの家」と呼ばれる、丁字路に建つ一軒家にまつわる話。
そこではかつて一家心中があり、生き残りの息子が次に住む家族を一家惨殺するという、とんでもない事件が起こっていました。
一家心中、一家惨殺の後に、遺体をリビングのソファに座らせて一緒に暮らしているシーンが克明に描かれていて、気持ち悪かった…
本気で完璧な家族となり一緒に住んでいるつもりの犯人が、イカれていて恐ろしかった…
また、現代パートでは、小学生と高校生の時に家を訪れた人物の取材記録が進んでいきます。
家の中に入った時に、突然温度がスッと下がる感じ、何かの気配を強く感じた時に脂汗が吹き出てくる様子、読んでいて恐怖でしかありません…
「完璧な家族になろう」
絶対に一生聞きたくない言葉です笑
梨さんの作品程程得体が知れないわけではないが、リングほどハッキリ見せてくるわけでもないみたいな、絶妙なところで怖がらせてくる作品です。
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Posted by ブクログ
『読み進める程にじっとりとした気分の重さを感じ、読み手の感覚を狂わせてくる』
“人が異常になっていく姿”が描かれる作品では、‘異常になる者’と‘まだ正常性を保っている者’と2つの視点から描かれることが多いが、これはそれがないため、読み手側もどこからが登場人物に異常が起こっているのかを感じることが難しい。
本作は、北九州に現存する“とある欠陥”を抱えた家で起こる事件の話。
既に廃墟となり、入り口となる門を虎ロープで塞がれているこの家では、行方不明者が何人も出ている。
そんな家へ入った者達の行く末を描いている物語。
本の表紙から怖さ醸し出しているが、タイトルにもある『完璧な家族』という言葉、読む前と読んだ後ではその怖さが変わる感覚がある。
(ただ、この表紙とタイトルに惹かれて私は手に取っている)
読む前だと、『おそらくこれが物語のキーワードのようなものなのだろう』とだけ感じていたが、読んだ後では、この言葉の裏にある背景に悍ましさを感じていたほどである。
この作品は他の読むホラー作品と、「怖さ」の種類がまた異なると感じる。
ただ、「家の謎に迫る」という視点から、物語が非常によく作り込まれている作品であるため、「お化けに遭遇する時の怖さと違う怖さを感じたい」と思っている方には、おすすめの作品である。
Posted by ブクログ
いやぁかなり怖かった。北九州にある廃墟の家で、次々と自殺者や行方不明者が出ている。黒い影という幽霊めいた怖さと、そこで起こった殺人事件の犯人のおぞましさの両立が上手くてやられた。特に怖がりながら読み進めて、一番最後のページは鳥肌がたった。
Posted by ブクログ
北九州のある住宅でかつて起きた凄惨な事件。心霊スポットとなったこの家で続出する行方不明者と心霊現象の謎を関係者の証言他から追った記録と、浮かび上がる家族の忌まわしく歪み切った肖像。
認知症になった老母の介護のため幼い息子を連れて東京から戻って来た鷹村翔太。元々10歳の時に父親の転勤で北九州へ引越してきた彼は、転校先の同級生たちにけしかけられ、近所にある気味が悪い誰も住んでいない一軒家に立ち入り、そこで世にも恐ろしい体験をする。それから21年後、再び北九州へ戻って来た鷹村は件の家がまだ残っていること、息子がその家に関心を示し「黒い人がいる」と語ること、さらには徘徊の始まった母親が夜毎息子を連れてその家の前に立つようになったことを知って次第に憔悴していく……。
物語は鷹村への聞き書きを主に、その家の持ち主や近隣住民、行方不明事件に関わったYouTuber等への聞き取り、凄惨な事件の当事者の日記とインタビュー記録(これがとにかく悍ましい)、過去の新聞記事、etc……を織り交ぜ、その家でかつて何が起きたのかが徐々に明かされて行く。また鷹村翔太やその他の人間に話を聞いているのは作家らしく、この家と事件を題材にホラー小説を執筆するつもりであることが幕間のメモで次第に見えてくるが……。
これも流行りの(というか一カテゴリとして既に定着した感のある)モキュメンタリー・ホラーではあるが、一軒家、そこに深く関わる事件と人物……と、場所も語られる内容も限定されており、それ故か話の全体像は中盤で見えて来る。鷹村の元に処分しても繰り返し現れるポラロイド写真が強烈に忌まわしい印象を残す。
これほど“一冊全てが悍ましい”小説を読んだのは久しぶりかもしれない。
Posted by ブクログ
モキュメンタリーホラー小説。
馴染み深い方言が出ることもあり、なんだかより身近な話に感じてゾッとした。
不気味にじんわり気持ち悪い。ちゃんと怖かった。
Posted by ブクログ
次が気になってどんどん読み進めてしまう感じだった。原家族に何か秘密や後ろ暗いものを抱えている人ほど共鳴するものがあるような気がする。そしてあまり直視しないだけで、家族のタブーって実はほとんどの人に存在しているようにも感じる。モキュメンタリーホラーという点では、背筋さんに並ぶ面白さだなと思った。ただ、オチはあやふやというか、あまりピンと来なかったかも。何らかの事象に目をつけた作者が、自分の目的に何か真相に迫っていたということなんだと思うんだけど。だから、かなり主観的な話にも感じて、そこがモキュメンタリー風ではあるんだけども、客観的な資料を羅列していっているようで実はそうでもないのかなんなのか、みたいな感じはしたかも。ホラーではあるし、今風にも感じる一方で、桐野夏生みたいな実在の事件をモチーフに書いている作品にも感じられて、ぜんぜん違うんだけど残虐記を思い出したりもしたかも。面白くて普通にすきだった。
Posted by ブクログ
気色悪ぅい、湿度の高い、王道忌み地ホラー。嫌な家に、嫌な家族が住んで、嫌なことが起きて、嫌な感じに死んで、死んだ後もみんなに嫌なことをしてる。結構楽しめた。ちょこっとびっくりしたけど、どんでん返し系ではない。
Posted by ブクログ
間取り図や風景を想像しながら読んでいると、
耳元であのセリフが聞こえてきそうな描写の数々
読んでいて気分が悪くなるような。
読者に影響を与える系のホラー小説で好き
Posted by ブクログ
北九州にある最凶心霊スポット「虎ロープの家」にまつわる話。
音声記録や手記で構成されてる話だけど、なんだろう、いろんな設定や捉え方ができてモヤモヤとしちゃうあたりが、モキュメンタリーホラーの醍醐味なのかな。
単純に考えたら「翔太=篤と姉の子」なのかなとも考えられるし。
Posted by ブクログ
序盤は正体不明で不気味な恐怖だったのが、段々と意味を持つことで別の恐怖に変わっていく作品でした。伏線ありのちょっとしたどんでん返しも素晴らしかったです
Posted by ブクログ
何て読むのだろうと思ってたけど「あいうえおうり」さんというのか!
流行りのモキュメンタリー。
形態は同じでも、話のもっていき方や落とし所が異なるだけで全然印象が違うのね。
ドキュメンタリー方式をとったフィクション、てことなら、今思ったんだけど、鬼談百景(小野不由美さん)とかも入るのかなぁ?めちゃめちゃ怖かったよなぁ。あと古くはリング(鈴木光司さん)とか…?
消してもリアルタイムで投稿されるのは「あぁもう自分の手には負えない(広いインターネットの世界に出回ってしまった)」っていう恐怖と相まって非常に怖かった。
先日読んだゆうずどの結末(滝川さりさん)も然り、角川ホラー文庫がフィクションをリアルに引っ張り出すのに助力を惜しまず笑 帯とか裏表紙にそうやって書かれたらさぁ…ねぇ? 小学生くらいまではそういう大人のアソビを真にうけて、忘れられなかったりするんだよね笑
平然とおかしなこと書いてくるあたり、手記は、向日葵の咲かない夏を思い出していた。…え?何なに、どういうこと? えぇえ?…っていう。まぁいくつかのことは想像通りではあったけど、取材してた人物の目的…あーっそうきたか!って感じでした。
個人的には、これが何かいにしえの禍の類なのだとしたら…そういうのはヒトから生まれてくるものだと思ってるので、ちょっと軽く感じたかな。それとも、ここが発端になるのか。禍の。
Posted by ブクログ
北九州にある、廃墟の一軒家。
怪談話が後をたたず、興味本位で訪れた人たちが、行方不明になったり、恐怖体験をしたり。
かつて、この家で無理心中や、殺人事件があり、そもそも、家の建て方に問題があったと近隣の住民は言う。
無理心中や、殺人事件のことを書いているページは、かなりグロテスクに表現されていた。
そこでおこる怪奇現象は、舞台が日本家屋なだけあり、想像しやすく、かなり恐怖。
気持ち悪くて、怖いのに読むのとめれません。
Posted by ブクログ
これぞジャパニーズホラーという不気味さ満載の作品。
幼少期から囚われていた系と思いきやもっと根は深いのね、うんうん。みたいな。
ジャパニーズホラーというジャンルは、民族学が多大に影響している作品が多い印象ですが(それ故の不気味さがあると思っている)これもそれ。
ミステリーと違って、ホラーなので完全解決はしないで終わるのですがそれがまた良し。
怖さ度はそれほどないので、耐性ない人でも読めると思う。
ここからネタバレ含む疑問点ですが。
そもそもアレは何故完璧な家族を作りたかったんだろ?アレに憑かれたから完璧な家族を作りたくなったのか、完璧な家族を作りたいと思っている心をアレに囚われたのか。
ダイくんは記者の取材が原因で事故に遭い死亡したわけではないよね?
あの時点で記者はお家に入ってないわけだし。偶然?
ダイくんに会うためにこれから初めてお家に行く…事になるんだよね?
Posted by ブクログ
無理心中や殺人事件が起こり、いわくつきの廃墟となった「虎ロープの家」を巡る物語。数々の取材記録を積み重ねた先に見えるのは何なのか。ぞっとさせられる楽しいホラーです。
うっかりその廃墟に足を踏み入れ関わってしまった人物によって語られる、数々の怪異。そしてその家にかつて住んでいた人物が語る、あまりに異様な物語。過去と現在、当事者と目撃者の物語が絡み合い、そこで作られるのが「完璧な家族」なのか……ああもう最後まで読むとこのタイトルの厭さが際立ちます。
Posted by ブクログ
サイコ+オカルトホラー。
最低な親のせいで歪んだ子供たちが始まりかなと思ったけど、結局なんだった?と思ってしまう終わり方。
「何か悪いもの」「建ててはいけない門」なのはわかったけど、それから???という気持ちになりました。
内容は嫌な気持ちになる系のホラー。
Posted by ブクログ
静かな恐怖が心にガツンとくる。
血みどろのホラーじゃない。けど、「完璧な家族って何?」って疑問が、ページをバンバン捲らせた。
最初は洗脳の話かと思った。人の心を操る策略の小説かと。
だが、こいつはちゃんとしたホラーだった。モキュメンタリーの偽りのリアルが、まるで夜中に聞こえる誰かの足音みたい。
普段、モキュメンタリーは避ける俺だけど、この物語は読みやすく、するっと心に絡みついた。
ただ、独身男としては、この本読んで、結婚とか家族への憧れがますます遠ざかった気がする。
完璧な家族。その言葉、今の俺にとって、頭の中で色んな意味で不気味にざわつく。
Posted by ブクログ
怖かった…けれど、
とにかく、今昔いつの世も結局悪いのは人間なのだ。
ひとりの狂人の手によって歪に成らざる得なかったある家族、外への救いが望めない状況の中、内へ内へと進む中で子供たちは閉じた円環を結び、
その輪こそが完璧な家族となる。
やがて全員が死に絶えてもその輪は残り、新たな家族をその内に次々と取り込んでゆく。
そして、
そこで起こったそれらの事件の語り部こそが、我知らず円環の中央に座する者だったとは!
怖さは勿論、それ以上に気分の悪い物語だった。
作者自身も恐らくはそれを意図してこの作品を紡がれたのだと思う。
それも一つの悪意なのだろう。
2025年現在そしてその界隈、世界ではあちこちで暴力とそれに伴う怨嗟が渦巻き、日々それらの情報は刷新されて地球上を席巻する。
我々にとってセンセーショナルだったニュースはやがて耳慣れたただの情報へと変わり、心は麻痺を起こす。
麻痺するという事は知らず知らずのうちにそれらを受け入れているに他ならない。
静かに悪意と暴力を咀嚼しているのだ。
かくして、新たな悪の胚芽が誕生する。
Posted by ブクログ
ホラーとしてはそこまで怖くはなかったです
だけどずーっと不気味で気持ち悪い
関係者へのインタビューでストーリーが進み、後半になるにつれ繋がっていく点と点
その証言がまた不気味
ゾワゾワしました
Posted by ブクログ
もっきゅもきゅのモキュメンタリー。舞台があまりに地元すぎて「えらいファボが付いとーぞ」で笑ってしまった。しゃべり方に馴染みがありすぎる。話としては可もなく不可もなく。
Posted by ブクログ
とにかく怖い描写がしっかり怖い。
中盤の家族の鬱展開はかなりキツく嫌な描写の連続でしたが、身内や家族という呪いをしっかり感じれてよかったです。
家が呪われてる、家族ホラーである、など同じホラーだと呪怨に近い感覚の作品かもしれません。
最近よく見るモキュメンタリー風の書き方がもう少ししっかりハマればより怖くなるなぁと思いました。
Posted by ブクログ
北九州市にある虎ロープの家。
完璧な家族になろう…。
そんな声が、きっとこの本を読めば、あなたにも聞こえてくるはず。
完璧な家族、作れます。
鷹村翔太、宍戸篤、そして小説家である私(藍上央理さんのことだよね…?)は、この家から逃げられない運命にあった。
生かされた、選ばれた。
きっと、この家で完璧な家族を作るため。
ダイくんと呼ばれる誰かも、そう言えば途中でおかしな表記があったもんね…。
理想の家族に会いたい人が、この家に呼ばれる…。
先が気になりすぎて一気読みでした!
巻末に載ってる写真、怖い。
Posted by ブクログ
2010年の時代設定で高校生が普通にiPhone持ってることになってるのに違和感を感じてしまってそこから世界観に入っていけなくなった
あと子供の時に大トラウマになったはずの一軒家になんだかんだ何度も再訪してて、主人公が抱える恐怖がそこまで伝わらなかった
Posted by ブクログ
読みやすいし面白かった。
モキュメンタリーを謳ってるけどしっかりホラー小説。
心霊系かヒトコワ系かは読み手次第なのかな。
作中のアレは巻末より冒頭にある方が読みながらイメージしやすい気がした。
これは編集さんの問題だが。
次作も楽しみにしてます。
Posted by ブクログ
ある新人賞に応募された『完璧な家族の作り方』。
ホラー小説を手掛ける某編集部は、著者の目的のため、書籍化を決定した。
北九州に現存する一軒家で起きた凄惨な事件。その家で増え続ける行方不明者と、取材記録の数々。応募原稿には、一枚の家族写真が添付されていた……。
note主催創作大賞2024角川ホラー文庫賞受賞作のモキュメンタリーホラー小説。
音声記録での証言や手記、雑誌の抜粋などからなる不気味なジャパニーズホラー。
歪んだ家族をめぐる物語です。
デビュー作とのことですが、じっとり湿度のあるホラー小説でなかなか怖い。
でもなんかこう、機能不全家庭や死別などで素敵な家族を求めていた登場人物たちには同情もわいてしまい、ある登場人物たちには(おいおいどうするんだお前らが原因だぞこのバケモンが生まれたのは……)みたいな気持ちにもなり、なんか複雑な、モヤモヤした気持ちの残る本でした。
日本ホラーっぽくてそれもまた良し。
これを読んだら、あなたも私も、完璧な家族が作れます……??